風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

1月12日の午後2時、無事退院しました。応援ありがとうございます。ただいま、ネット接続がわるく、ブログ記事を更新できません。

 有明夏夫の小説「俺たちの行進曲」を読み了える
俺たちの行進曲

 有明夏夫(ありあけ・なつお、1936年~2002年)は、1945年に福井県に疎開し、県内の勝山精華高等学校を卒業した。同志社大学工学部を中退し、後に作家となった。
 「俺たちの行進曲」は、文春文庫、1984年2刷。
 僕がなぜ、カバーが破れ、本文ヤケした、マイナーな本を手放さなかったかと言えば、舞台がわが福井県であり、福井方言がふんだんに出て来るからである。
 高校3年生の3人組み音楽部員(父子家庭、母子家庭、孤児院暮らし)が、異性への妄想や小冒険を繰り返し、ユーモラスにシリアスに生き延びてゆく。
 福井方言はディープで、軽く「さっきんてな」(先ほどのような)が出て来る。福井出身者以外に、すべての方言がわかるか、推測できない。

 僕は福井市方言に関心があり、ある詩人の助言を得たりしながら、ほとんど独力でエクセルの方言集を作成し、改訂を重ね、昨年末には550語に至った。
 有明夏夫が多感な時代を福井県で過ごし、福井方言に溢れた1編を残したことに、喝采を送りたい。


 三木卓の長編小説「馭者の秋」を読み了える。
三木卓・馭者の秋
 集英社文庫、1988年・刊。379ページ。

 前ブログ「サスケの本棚」には、思潮社の現代詩文庫44「三木卓詩集」と小説「野鹿のわたる橋」の感想が残る。小説を他にも読んだようだが、確信がない。

 「馭者の秋」は、「わたし」(49歳、妻の死後に愛人あり)が息子・淳の恋人・多恵に恋情を抱くストーリーである。初恋の人にあまりに似ていて。共に男性に伝える魅力を自覚するタイプである。
 多恵が淳の子を妊娠している事を知り、父、保護者の心境と立場を取り戻す。
 細密な描写と、人生観の吐露が、長編小説を支えている。


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