風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 このブログを運営している新サスケが、2017年10月17日付けで、AmazonのKindle本、第4詩集「詩集 日々のソネット」(縦書き)を発行しました。著者名は、柴田哲夫(僕のペンネームの1つ)です。
 再任用・リタイア前後の、庶民の日々の悲喜哀歓を綴った4章48編と、巻末に哲学風小連作・2章7編を収めます。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリーで、「柴田哲夫 詩集 日々のソネット」と入力して検索してくだされば、即で見つけられます。
 また、ブログの右サイドバーの上部、アクセスカウンターの下に、Amazonアソシエイトのリンク画像「あなたへ詩集をAmazonで」を貼りましたので、画像をクリックしてくだされば、購入サイトへ飛びます。
 kindle版で540円(税込み)、kindle unlimited版も発行しています。よろしくご購入をお願い致します。

 青土社「吉野弘全詩集 増補新版」(2015年2刷)より、詩集「風が吹くと」を読み了える。
 先行する
詩集「北入曽」は、今月6日の記事にアップした。
 原著は、1977年、サンリオ・刊。
 なおこの詩集は、若い人向けに35編(内、旧詩集より22編)を、詩画集として編んだものである。
 詩人が51歳になって、若者向けに詩画集を、読みやすいように、などと企画して良い事はない。詩人の意図が善意であったとしても。
 「運動会」では、「ころんで血を噴く傷口も/心の傷と無関係なのが、いい。」と書くけれども、例えば鬱病と身体不調の関連は、知られている事である。
 「ウエスト」では、「誰へ/贈られる花束ですか あなたは?//誰かが/花束の紐をほどいたら/その手の上に/身を投げ出しますね/…」と、女性の社会活躍の著しい現在から見ると、古めかしい。
 しかしこの詩集には、広く人に知られている「祝婚歌」が、初収録されている。「二人が睦まじくいるためには/愚かでいるほうがいい/立派すぎないほうがいい」と始まり、異論があるかも知れないが、一面の真実を衝いている。
 吉野弘には、この「祝婚歌」や、「夕焼け」など、突出して優れた作品がある。
椿7
Pixabayより、椿の1枚。


 角川書店「生方たつゑ全歌集」(1987年再版)より、第9歌集「海にたつ虹」を読み了える。
 第8歌集
「火の系譜」は、先の2月28日の記事にアップした。
 原著は、1962年、白玉書房・刊。井上靖の推薦文(帯文か)、佐藤春夫の序文(3歌集目)、後記「おわりに」を併収する。
 「火の系譜」のあとがきで、「生命の不安にゆすぶられながら」とあるように、健康への不安があったようだ。
 「海にたつ虹」のあとがき「おわりに」には、「「火の系譜」のはげしさから抜け出ようとして、「海にたつ虹」の苦悶は、少なからず私に混迷を強いた。」、また「新しい「きざし」をもつべき転機が私の作歌の上にもきているかも知れぬ…」と述べられる。彼女は脱皮を繰り返して、新しい歌境を拓いたのかも知れない。
 以下に7首を引く。
血塊のごと墜ちやまぬ無尽数の椿おそれし夢も重たし
剪毛のをはれば痩せし緬羊らいたく強情に雨の草喰ふ
火を盗むかなしみのこと読み終へてきしきしと捲く小さき竜頭
鉱鋅(のろ)あかき空地さらして月あれば嘘などはなき明日が来るべし
口紅に似たる蕾の花買へり冬脱ぎてゆくやさしき一日
埋立ててはやも荳科の蔓匍へりかかる自生も妬みにかよふ
風鐸に似てかなしみが鳴るわれかなだめられゐて明きゆふぐれ
椿6
Pixabayより、椿の1枚。





 角川書店「増補 現代俳句大系」(全15巻)の第11巻(1982年・刊)より、9番目の句集、能村登四郎「合掌部落」を読み了える。
 先行する
石川桂郎「含羞」は、先の2月11日の記事にアップした。
 能村登四郎(のむら・としろう、1911年~2001年)は、1945年に応召・除隊・教職に復職した。1946年「馬酔木」復刊と共に投句を再開、1970年に「沖」創刊・主宰した。
 原著は、1957年、近藤書店・刊。
 教師としての哀歓を吟じて歓迎されたという第1句集「咀嚼音」に次ぐ、第2句集「合掌部落」は、1954年~1956年、合掌造りで名のある白川村(当時、ダム建設反対の運動があった)や内灘等を訪れ、政治活動ではない社会性俳句を開いたと言える。
 受賞等は後年が多く、「同世代の俳人に比べてデビューが遅れた分、作家生命のピークが老境と重なった」とする論がある(三省堂「現代俳句大事典」2005年・刊、に拠る)。
 以下に5句を引く。
昼顔の他攀づるなし有刺柵(内灘)
日本海青田千枚の裾あらふ(輪島より千枚田へ)
大家族の椀箸あらふ露の井に(合掌部落)
わが諾のことば待つ子が炭火吹く(緊木)
登呂村も馬鈴薯の花も覚めしばかり(登呂麦秋)
椿5
Pixabayより、椿の1枚。



↑このページのトップヘ