風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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 先の1月12日の記事、届いた3冊(4)で報せた内、綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2019年2月号を、さっそくほぼ読み了える。
 
同・1月号の感想は、昨年12月24日の記事にアップした。
第三十回歌壇賞決定発表
 受賞したのは、結社「日月」所属の高山由樹子、「灯台を遠くはなれて」30首だった。通勤から仕事場へ(残業含む)、恋人との逢瀬など、穏健な、むしろ(都会の)従順な生活を、レトリックを散りばめて描く。末尾3首が、未来へ向けた期待だろう。選考委員4名の内、男性歌人2名に2点(1人1回)を投票されている点も問題だろう。
 この穏健さは、昨年の
同賞・受賞作、川野芽生「Lilith」30首と比べれば、明らかに状況の方向性は違う。川野芽生には、男性原理へ捻じ曲げられているとはいえ、反権力の意志は明らかだった。
大松達知「八百屋舞台」20首より、冒頭歌。
みぞおちのなかなる鳩が羽搏けり そういう時代だからと聞けば
 そういう時代(今の時代)だからという、抑圧の言葉に、平和の象徴・鳩が彼のみぞおちで羽搏つ幻覚が生まれるのだろう。
久我田鶴子「陽だまり」12首より。
定職をもたぬおとうと借りだされ今日はトマトの出荷に励む
 定職を持たない生も重いだろうが、村びとと同じく、彼女も明るく対応している。





読書三昧
 昨年12月9日の記事「入手した4冊(3)」で報せた内、大山賢太郎「電子書籍で読書三昧」を読み了える。
 僕のAmazon Kindleには他に、何冊かのkindle unlimited本がある。kindle unlimited本ではまだ、内容の優れた本は多くないようだ。
 「電子書籍で読書三昧」は、これまでの大山賢太郎の本と重複する内容が多い。紙の本と電子本のメリット、デメリットの比較など。彼の本にあるように、文学書ではないので、初めから終わりまでずっと読むのではなく、気になる個所のみ立ち止まって読んだ。
 今回に得た結果は、読書報告サイトには、僕の参加しているブクログ、読書メーター以外にも多くあること(今はこれ以上、参加しようと思わない)。それと
ブクログの本棚を、ブログに挙げられるらしいことがわかった。
 今、仮にこれを挙げてみる。画像は直接には挙げられないので、リンクを張って置いた。サイドバーのブログパーツに挙げられないようなので、タイトル下のメニューバーに納めた。これでいつでも、誰でも観られる。
 昨年8月より、レビューした90冊(読んでいる本を含む)のすべてである、全歌集、アンソロジー詩集等は、1巻まとめて1冊の扱いになっている。またほぼAmazonにある本のみ、表紙写真を挙げられる。



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 1月12日(土曜日)~1月20日(日曜日)、福井市美術館3階講堂「アートラボふくい」にて、『「雲を見る人」刊行記念 孤高の風景画家 曽宮一念展』が催されている。
 福井の山岳エッセイスト・増永迪男さんが、著書「雲を見る人 孤高の風景画家 曽宮一念」の刊行を記念して、親交のあった画家・曽宮一念、彫刻家・雨田光平の自身のコレクションより20余点を展示するものである。
 初日のイベントとして、福井市美術館館長の石堂裕昭さんとの対談会「孤高の風景画家 曽宮一念の生き方とその芸術について」が催された。
 写真は4枚のパンフの表紙で、2枚目に出展品1覧、3枚目に増永さんの略歴、4枚目に館長の略歴を載せる。折り畳んだので、皺のある事は、ご容赦願う。
 聴衆は用意された椅子1杯で、若干の補助椅子が出されたようだ。
 お2方共、聴衆を前にしての話は慣れているようで、堂々と対談は進んだ。増永さんの初公開の秘話の2、3や、展示の絵が登山家の目から写生から遠い事を絵の部分を指し示しながら説いた。
 大正13年頃、女流の先輩画家・中村つねとの交流とその若い死を経て、絵に開眼した様が興味深かった。
 晩年に緑内障で盲目となった曽宮一念は、プラスチックの枠を作らせ、その桝にサインペンでブラインドタッチで字を書き、その解読を増永さんがした、という話が面白かった。サインペンのインクが薄れてもわからず、ページを捲り忘れてもわからない、そのような原稿を解読した事で、数冊の随筆集が出版されたという。
 館長は、美術史等の観点から話を盛り上げ、定刻3時半に対談はおわった。僕はその本を買わなかった。近い内に寄付とネットバンク預金の予定があり、ぎりぎりだからだ。


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