風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 思潮社の現代詩文庫78「辻征夫詩集」より、「隅田川まで」を読む。
 初めの「学校の思い出」「今は吟遊詩人」の感想は、先の12月29日の記事にアップした。
 

 「隅田川まで」の原著は、1977年、思潮社・刊。 
 彼の抒情詩には異質さがある。現実的論理を離れて、異世界の深くへ届く。
 想像というより、空想の軽さがある。詩情を脅かす現実が深みを与える。
 しかし異世界への参入の仕方は「アルコールの雨」、宿酔の力ではないだろうか。萩原朔太郎が「独自で日本のシュールリアリズムを創り上げた」と言われても、僕はアルコール依存の幻覚ではないかと疑っている。
 戦後詩の田村隆一は酒好きな詩人だったが、彼は深く病んでいた。

 「魚・爆弾・その他のプラン」の第2章より引いてみる。「夕陽を小型の爆弾となす/呪文を発見し 任意の/場所に落としてみる…」。
 辻征夫の詩は、賭ける深さに抜きん出ていたのだろう。しかし、生命と生活を保障した世界へ移ったのだろう。現代詩文庫には、「続 同」「続々 同」がある。
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写真ACより、「ウィンターアイコン」の1枚。




 



 岩波文庫の一茶「七番日記」(下)、2003年・刊より、6回めの紹介をする。
  同(5)は、先の12月24日の記事にアップした。



 今回は文化13年7月~12月の半年分、243ページ~293ページの51ページを読んだ。
 俳句ページの頭部に一茶の記録メモが記されるが、漢文読みくだし文で読みにくく、天候記録が多く、訪問先も記されるが、一々追っていられない。見開き2ページの左端に校注者の語注欄があり、理解の助けになる。
 年末の句数は記載なく、江戸を去る時の餞別1覧が載っている。金額など、今の僕にはわからない。
 男子の世継ぎ(当時としては当然だろう)を望むらしい句、老境の句がある。
 最大の支援者だった成美への追悼連作9句がある。
 在菴156日、他郷228日と、やや在菴日が増えたか。
 9月5日の頭部記録に、「キクト中山菅刈 茸取 栗拾」とあり、微笑ましい。

 以下に5句を引く。
老(おい)が世に桃太郎も出よ捨瓢(すてひさご
茹(ゆで)栗と一所(いつしよ)に終るはなし哉
おもしろう豆の転(ころが)る夜寒哉
浅ましや熟柿をしやぶる体(てい)たらく
霜がれや米くれろ迚(とて)鳴(なく)雀
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写真ACより、「ウィンターアイコン」の1枚。





 所属する結社の歌誌「覇王樹」2021年1月号を読み了える。
 到着は12月24日だが、僕が入院中のため、妻が26日に届けてくれた。
 同・12月号の感想は、昨年12月8日の記事にアップした。


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 歪まない表紙写真をほしいが、スキャン出来ないし、台形補正カメラもない。覇王樹のホームページより画像を借りたので、小さいままである。

 そのホームページ「短歌の会 覇王樹」は既に、1月号仕様である。
 

 僕の「栞を捨てる」6首(無選)は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」の、昨年12月27日の記事より2回に分載したので、横書きながらご覧ください。
 

 新年号となり、表紙絵が替わった。加藤博康画伯の「道化の杜」である。
 社告に、5名の昇級・推挙がある。会員より準同人へ3名、準同人より同人へ2名である。
 評論・エッセイ「東日本大震災 あれから十年」の募集、「覇王樹賞」(新作20首)の応募要項がある。

 「現代短歌新聞」8月号より渡辺茂子さんの「8月のうたのヒント」、「歌壇」10月号より橋本敏明さんの「熟年歌人の歌 第193回 『日常旦暮の歌』より抄出」が、転載された。
 通常の短歌・散文と異なる、主な掲載である。

 

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