風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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 目指しているKDP(キンドル ダイレクト パブリッシング)より、3回めの報告をする。
 2回めの報告は、先の1月16日の記事にアップした。



 ホームページより、旧作小説「底流」の1部をWordへコピペしたあと、残りを初出(文芸部誌、1968年・刊)よりキーボードで筆写した。全体の2/3程だった。若気の至りというか、表現のオーバーな箇所は、改めるか削るかした。
 そのあと、文芸部誌になかった結末を、当時の創作ノートより9行分、付け足して本文の完成となった。
 B5判、1ページ42行、1行31字で、約15ページ半である。約2万字、400字原稿用紙で50枚の、短編小説である。
 この後、改ページして、まとめと称して、あとがきと奥付けを書く予定である。出来るだけ早く、原稿を仕上げ、KDPに持ち込みたい。
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写真ACより、「ケーキ」のイラスト1枚。


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 山田詠美の小編小説集「タイニー ストーリーズ」より、4回め、了いの紹介をする。
 同・(3)は、今月4日の記事にアップした。



 今回は、「涙腺転換」、「GIと遊んだ話(四)」、「クリトリスにバターを」、「420、加えてライトバルブの覚え書き」、「予習復讐」、「GIと遊んだ話(五)」の6編を読んだ。

 「涙腺転換」は、母親の遺訓に従い人前で泣かないが、涙が尿になって出る少年の話だけれども、幼年的性を揶揄しているのかも知れない。
 「クリトリスにバターを」は、身も蓋もない題名だが、作品末尾に作者が断っている通り、村上龍の芥川賞受賞作「限りなく透明に近いブルー」の原題である。アメリカに住むアメリカ人の夫、パトロン、大学生との関係を描いている。
 420は大麻の隠語、ライトバルブは電球のことである。女性の大学教師と学生の秘めた恋、という男性にサービスした設定である。
 「予習復讐」では、25年前のいじめっ子女子に復讐しようと企むが、相手が貧しく、しかも転校後に苛められたと聞いて、敵意が失せていく。
 「GIと遊んだ話(五)」は、GIと復縁する話だけれども、現実には山田詠美は元GIと離婚した。金属疲労のようなことだろうか。


 山田詠美は性を描いて、現代の徒花のように見えたが、最近は「つみびと」などシリアスな小説も執筆しているようだ。惜しいが、方向転換だろうか。

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写真ACより、「ケーキ」のイラスト1枚。



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 笠原仙一さんの第6詩集、「命の火」を読み了える。
 入手は、先の1月31日の記事、届いた2冊を紹介する(10)で報せた。



笠原仙一 命の火
 2019年12月28日、竹林館・刊。500部・限定。
 この500部というのは、僕の周囲の自費出版・詩集としては多めで、組織を通して配られるのだろうか。
 45編の詩とあとがきを収め、159ページ。

 仲間から「笠原節」と呼ばれる、ラッパの詩は、僕は苦手である。僕は藤村、白秋、朔太郎の抒情詩から戦後「荒地」派の詩を読んで来たので、プロレタリア文学系の詩になじまない。

 ただ「日の本が滅んでいく」には、題名とは別な仏壇仕舞いの内容で、身につまされた。僕は廃棄物処理の事業所に勤めた時期があって、仏壇屋が仏壇を廃棄物として持ち込むのには閉口した。仏壇屋の仏壇は産業廃棄物だから駄目だと言っても受け付けを通って来る。お精抜き(この字を宛てるのだろう。僧の誦経で仏壇の仏性を抜くこと)をしてあるのかと問うても、無言である。無信心といっても、人々の念の籠もったものを、ゴミとして破砕する事には抵抗があった。
 また「雪よ」には、雪国に住んで、大雪に難儀する庶民の心情を描いて、共感する。




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