風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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 今月6日の記事、入手した5冊(2)で紹介した内、4冊めの記事アップである。
 季刊誌「考える人」(新潮社)2010年夏号より、「特集 村上春樹 ロング インタビュー」のみを読み了える。
 「考える人」は、2002年7月・創刊、2017年春号(第60号)で休刊した、ハイセンスな雑誌である。雑誌として大判で、ほぼB5判である。この号には、養老孟司の対談、内田樹の対談、花森安治伝なども載っていて、関心を寄せる人もいたが、僕はCPを考えると読めない。

 インタビューは、聞き手・松家仁克で、2夜を挟んで3日間に亘っておこなわれた。インタビュー集「夢を見るため毎朝僕は目覚めるのです」に収められていない。時期的に遅れたか、内容の重複に由るのだろう。
 あいかわらずの村上春樹・節である。社長の成功談にも聞こえる。当時は(今は知らない)絶大な読者数、特に海外ファンを誇っていたから、自信も肯える。
 これまでと繰り返しの話も多いのだが、アメリカの翻訳者や編集者と親しくなった件りに、心惹かれた。
 長編小説の最新作、「騎士団長殺し」には感心しなかった僕だが、次の小説の刊行を待っている。



 
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 綿矢りさの小説「手のひらの京(みやこ)」を読み了える。
 今月6日の記事、入手した5冊(2)の、初めに紹介した。その5冊の内、3冊めのアップとなる。

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 新潮文庫、2019年4月1日・刊。
 定価:本体490円+税39円=529円のところ、楽天ポイント303ポイントを使って、楽天ブックスで実質226円で買った。
 京都の3姉妹の娘さんを描いて、谷崎潤一郎の「細雪」や川端康成の「古都」を連想させると謳われたそうである。「細雪」は読んでいない(全集28巻揃いが鎮座している)し、「古都」は枯れていて印象が薄い。

 これは京都の自然と行事と人情を描いて、濃やかな小説である。
 長女・綾香は次女の紹介した男性と交際を始め、うまく結婚へ進みそうである。次女・羽衣は自認するモテ女だが、「キレ芸」でいけずな先輩や取り巻き、パワハラ・セクハラの上司を撃退するものの、キレたところを恋人に見られて失恋してしまう。3女・凛は理系の大学院修士課程を修了し、両親の同意を苦労の果てに得て、東京都の有名菓子メーカーに就職する。

 僕は2人兄弟の弟なので、家庭内の娘さんの実情を知らない。しかし僕が憧れるほど、京都の娘3姉妹を、京言葉と共に、濃やかに美しく描いている。
 作者の望郷の思いも、籠められているだろう。



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 7月13日(第2土曜日)の午後に、郵便で2冊が届いたので、紹介する。
 先の6月3日の記事、同(7)に次ぐ。

4U
 まず山田詠美の短編小説集「4U」(幻冬舎文庫)である。
 メルカリより300ポイント(税・送料・込み)で購入した。2000年・2版。帯付き。9編の短編小説を収める。
 今月7日の記事、山田詠美「マグネット」を読むの末尾に、後期の小説をもっと読みたい、と書いた実践である。ただしすぐ読むとは限らない。
 文庫本棚にあった彼女の「トラッシュ」(文春文庫、571ページと厚過ぎる)と共に、いったん文庫本棚に収める事にした。
 「4U」は、「for you」の略だというのは、僕の思い違いだろうか。

「歌壇」8月号
 綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2019年8月号が、同時に届いた。
 第16回筑紫歌壇賞の発表がある。60歳以後の第1歌集から選ばれる、ユニークな賞である。
 追悼 橋本喜典は、急遽の企画だろうか。



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