風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

Kindle本の第1歌集「雉子の来る庭」をKDPしました。右サイドバーのアソシエイト・バナーよりか、AmazonのKindleストアで「柴田哲夫 雉子の来る庭」で検索して、購入画面へ行けます。Kindle価格:250円か、Kindle Unlimitedで、お買い求めくださるよう、お願いします。

 石川書房「葛原繁全歌集」(1994年・刊)より、第4歌集「又玄」の前半を読み了える。
 今月16日の記事、
歌集「玄」を読む(後)に次ぐ。
 歌集「玄」の672首に次ぎ、本歌集も555首とやや多いので、前後2回に分けて紹介する。始め239ページ~「盛夏名古屋行 Ⅱ陶土の層」272ページまでを読む。
概要
 歌集「玄」「又玄」「又々玄」は、石川書房より、1980年10月17日、同時発売された。
 1969年~1974年(扉裏の解説に「昭和45年まで」とあるのは、誤り)の作品を収める。
 「コスモス」創刊者・宮柊二の各地での誕生会(かなり祀り上げられている気がする)、毎年の「コスモス」全国大会に参加するなど、重鎮として、「コスモス」に貢献している。
感想

 これまでと同じく、付箋にメモを書いて貼って行ったので、それに従い、7首への寸感を述べる。
冷凍の白きマカジキおのおのは固き音して床におろさる
 マカジキの大きさ、重さに、驚く思いが伝わる。
加速して追ひ抜き行けり舗装路に車体のしるき影を落として(高速道4首より)
 乗車中の歌は彼に珍しく、新鮮である。
見て帰り生き生きと妻が告げ聞かすシルクロード展病めば行きて見ず
 少しの口惜しさと共に、妻の喜びを喜んでいる。
移動する牛の後尾につく人も尾を振る犬も日をあびて来る
 人のいる景を詠む事が得意で、上手だった。
赤子の手ひねるごとくに砕かれし孤立無援をわれは思へり
 遅まきながら、当時の学生運動に同情しているようである。
心中の脆き部分の表白を避けて生きたる壮年も過ぐ
 長く強がっていたと、深い述懐である。
虚空なる月に人あり跳(と)ぶごとく動く二人をテレビは映す
 月面着陸の出来事を、機会を逃がさずに詠んでいる。
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写真ACより、「乗り物」のイラスト1枚。








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 今日2回目の記事更新です。
 1月21日にホームセンターで、ボトル紅茶6本を買った時、店外の棚にミニ薔薇があったので、1鉢を買った。状態の良い株から買われたのだろう、あまり莟の様子は良くない。
 僕はこれまで2回、ミニ薔薇を世話した事がある。しかし2016年の夏以来、花を咲かせていない(前ブログ「サスケの本棚」に拠る)。
 鉢はキッチンのガスレンジ近くの窓辺に置いてある。1枝に1莟とし、小さい余分な莟は摘んだ。
 ポットのまま、古い鉢に入れ、同時に買った肥料を少し撒いた(薔薇は水遣りと肥料遣りが大事だ)。
 プロが温室で育てた株を、素人が温室でなくて花咲かせられるか、不安はある。

CIMG1312
 先日の妻の誕生日に、遠く住む子夫婦が、盛り花を贈ってくれた。
 ガーベラ、チューリップ、ミニカーネーションなどである。
 子夫婦は、これまでプリザーブドフラワーなどを贈ってくれ、2つが今も残っている。
 妻は僕のプレゼント(菓子皿)よりも、ずっと嬉しそうだった。

 なお庭では、白八重サザンカが咲き残り、白椿も数輪、咲いている。すでに紹介済みなので、ここでは写真アップしない。



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 思潮社「関根弘詩集」(1968年・刊)より、第4詩集「イカとハンカチ」を読み了える。
 昨年12月19日の記事
「関根弘詩集」の詩集「死んだ鼠」より…に次ぐ。リンクより過去記事へ遡り得る。
概要
 三省堂「現代詩大事典」(2008年・刊)にもウィキペディアにも、彼の欄に詩集「イカとハンカチ」はない。
 1958年・刊の真鍋博との共著「棗を喰った話」があり、同題の詩が「イカとハンカチ」にあるので、あるいは「棗を喰った話」の、自分が執筆した部分のみを収めて、詩集と称しているのかも知れない。

感想
 共産党員だったせいか、アヴァンギャルドを目指したせいか、表現が晦渋であり、初めの「過失の谷」、「変なやつ」が、何を意味するか、わからない。心理は微かにわかるようだが。
 「丸の内一丁目一番地」は、OLの危機感を描く。嫁ぐ未来だけでなく、「このままでは/いけないきがする」と、内なる目覚めである。
 「僕の基地」では、「不毛 飢餓/それが君の理性の王国だった」と書く。敗戦直後の焼け跡から出発したので、復興しつつある時代では、憤懣があるようだ。
 表題作「イカとハンカチ」は、何でも不条理と実存に結び付ける、当時の詩人を風刺するようだ。
 「ノコギリで ―原水協募金帳のために—」という作品もある。60年安保を契機として、彼は日本共産党と違う行動をし、除名された。その後はさらに活躍している。
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写真ACより、「乗り物」のイラスト1枚。



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