河出書房「ドストエーフスキイ全集」(米川正夫・全訳)第2巻(1956年・刊)より、短編小説「正直な泥棒」を読み了える。
4月20日の記事、「人妻と寝台の下の良人」に次ぐ。
概要
初出は、1848年の「祖国雑誌」。
官吏の「私」が、下宿屋の台所の隅を間借りするようになった、アスターフィの長い話を聞く設定になっている。
アスターフィがましな生活をしていた2年前、エメーリャという、酒で身を持ち崩した男が住み着き居候の形になった。
アスターフィが留守の間に、大事なズボンが無くなり、しばらく酒を飲めなかったエメーリャが酔っている。アスターフィはエメーリャを問い詰めるが、エメーリャは盗みを否定する。
しかしエメーリャが体調を崩し、亡くなる間際に、ズボンを盗んだ事を告げる。
感想
酒(や賭博)で、身を持ち崩し、破滅に近い様になる人物はいる。
ドストエフスキーが好んで描いた、破滅に至る人物の一人である。
もっとも罪の告白は、近い死を受容した時になされて、やがて安心して亡くなるパターンだと、僕は思っている。
ドストエフスキーが身の窮まる人物を描くのは、その淵の近くまで行った、自身の経験があるからだろう。
写真ACより、「ゲームキャラクター」のイラスト1枚。
4月20日の記事、「人妻と寝台の下の良人」に次ぐ。
概要
初出は、1848年の「祖国雑誌」。
官吏の「私」が、下宿屋の台所の隅を間借りするようになった、アスターフィの長い話を聞く設定になっている。
アスターフィがましな生活をしていた2年前、エメーリャという、酒で身を持ち崩した男が住み着き居候の形になった。
アスターフィが留守の間に、大事なズボンが無くなり、しばらく酒を飲めなかったエメーリャが酔っている。アスターフィはエメーリャを問い詰めるが、エメーリャは盗みを否定する。
しかしエメーリャが体調を崩し、亡くなる間際に、ズボンを盗んだ事を告げる。
感想
酒(や賭博)で、身を持ち崩し、破滅に近い様になる人物はいる。
ドストエフスキーが好んで描いた、破滅に至る人物の一人である。
もっとも罪の告白は、近い死を受容した時になされて、やがて安心して亡くなるパターンだと、僕は思っている。
ドストエフスキーが身の窮まる人物を描くのは、その淵の近くまで行った、自身の経験があるからだろう。
写真ACより、「ゲームキャラクター」のイラスト1枚。