風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 土曜美術社・日本現代詩文庫27「関根弘詩集」(1990年・刊)より、詩集「街」の抄出版を読み了える。
 今月3日の記事、同・「泪橋」を読む、に次ぐ。
概要
 原著は、1984年、土曜美術社・刊。64歳。
 前年に腹部動脈瘤破裂の大病を患っており(冒頭の詩「病院」で表された)、その時の幻覚聴覚による自殺未遂を経て、体力的に衰えたのではなかろうか。
 後に人工透析を受け、1994年に亡くなっている。
感想

 「劇場」では、「マンションの中の劇場は/いぜんとして貧困と根の切れない/新劇の体質を証明している」と同情するようで、戦前の築地小劇場を懐かしむ。
 「大衆酒場」や「ホテル」では、お酒を好んだ性格が出ている。
 「学校」では「学校そのものが凶器だ」としながら、「復讐するつもりはなかったが/H大の臨時講師になって/詩を講義したとき/学年末にレポートの等級を査定した」と、学歴コンプレックスを晴らした。
 「警察」や「公園」では、変容する時代や社会の、回想に感慨があるようだ。
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。



 

 角川書店「増補 現代俳句大系」第14巻(1981年・刊)より、16番目の句集、小池文子「巴里蕭条」を読み了える。
 先の1月30日の記事、横山白虹・句集「空港」に次ぐ。
概要
 原著は、1974年、角川書店・刊。パリ在住の16年間の450句を、年代別順に収め、長い後書を付す。
 小池文子(こいけ・ふみこ、1920年~2001年)は、東京都に生まれ、画家の夫を追って渡仏、現地の人と再婚、パリに没した。
 石田波郷「鶴」同人、波郷・没後、森澄雄「杉」同人。
感想

 数少ない帰国を含め、フランス在住、外国旅行の句を成している。在外で季語を守り、鋭くとらえ、具体的な句風である。
 モロッコ、カサブランカを訪いて39句、またリビヤにしばらく住み、帰国した際には療養所・病床の石田波郷を訪ね、多くの句を成した。
 後書で「言葉は挨拶のために生まれたのではないだろうか。」と述べて、師、連衆、自身の地への挨拶として、句を作り続けた。
引用
 以下に5句を引く。
春寒やセエヌのかもめ目ぞ荒き
薄雪やカルチエ・ラタンに切手買ふ
初時雨いのちの灯りそめし身に
黄葉の冷えゆき霧の遊びそむ
夏萩や美濃への水にこぼれつぐ
(木曽路)
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。



堀江貴文 成金
 今月2日に、Amazonよりタブレットにダウンロードした、堀江貴文の小説「成金」kindle unlimited版を読み了える。実は先行する小説「拝金」もダウンロードしたのだが、名前に気が引けた。
概要
 堀江貴文の本は、初めてである。たまたま小説がkindle unlimited版で出ていたので、読んでみた。
 紙本版:2011年2月28日、徳間書店・刊。1,210円。
 kindle unlimited版:2013年6月1日・刊。
 245ページと長編の小説である。
感想

 堀井健史が仲間と共にガレージ企業グループ「AKKA」を有望IT企業に育てるが、大企業LIGHT通信に乗っ取られる。その復讐として、堀井たちはLIGHT通信の影山を引退寸前にまで追い詰める。ハードバンクの朴が間に入り、3者和解が成立する。
 数百億円の資金を動かすとか、数兆円の資産とか、僕には驚く世界である。また富を集めるための、駆け引きも面白い。悪と憎悪にまみれる世界である。
 堀江貴文は小説においても才能を見せている。
 僕には才も年もなく、関わる世界ではない。
 僕はこれまで、生活ができて、アマチュア文学(ネットを含めて)を続けられれば、それ以上の富は要らない、と書いて来た。これまでの世界に籠っていたい。


 4回目のInstagramである。

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