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 入手を6月22日の記事で報せた、季刊同人歌誌「COCOON」Issue04を、ほぼ読み了える。2017年6月・刊。77ページ。
 
同・Issue03の紹介は、今年4月1日の記事にアップした。
 「COCOON」は、結社「コスモス短歌会」(僕が先だってまで所属していた)内の、若手(1965年以降生まれに限る)の優駿が集まった、季刊同人歌誌である。
 Issue04の巻頭24首は、H・みささんの「ダイヤモンド」と、I・佑太さんの「Kの謎」である。
 「ダイヤモンド」24首は、息子さんの高校野球・甲子園予選を詠んで、感動的である。時期的に、昨年より温めた連作か。以下に2首を引く。
二リットルの弁当箱を埋めるため飯炊き肉を焼く煮る揚げる
歓声というより悲鳴 追い上げてあと一点で同点となる
 「Kの謎」は、漱石とカフカの作品に登場するKを押し出しながら、世代感を感じさせる詠みである。
 S・ちひろさんの「ひとりしりとり」12首が、短歌でしりとりをしつつ、シュールな詠みぶりで特異である。1首を引く。
「紅差指って偶には呼んで欲しいわね」薬指嬢りんとして言う
 育児の歌を読めるのも楽しみで、K・絢さんの「ハッカ油」12首には、次の歌がある
投げスマホ(スマホを投げる)、食べスマホ(スマホを食べる)嬰児(みどりご)の技
 今さら気づいたのだけれど、見開き2ページに12首掲載で、前身の「棧橋」(僕が一時在籍した)の1ページ12首と比べて、ずいぶん寛いでいる。
 バックナンバーは「COCOON」のホームページで読めるので、そちらからどうぞ。