風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 このブログを運営している新サスケが、2017年10月17日付けで、AmazonのKindle本、第4詩集「詩集 日々のソネット」(縦書き)を発行しました。著者名は、柴田哲夫(僕のペンネームの1つ)です。
 再任用・リタイア前後の、庶民の日々の悲喜哀歓を綴った4章48編と、巻末に哲学風小連作・2章7編を収めます。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリーで、「柴田哲夫 詩集 日々のソネット」と入力して検索してくだされば、即で見つけられます。
 また、ブログの右サイドバーの上部、アクセスカウンターの下に、Amazonアソシエイトのリンク画像「あなたへ詩集をAmazonで」を貼りましたので、画像をクリックしてくだされば、購入サイトへ飛びます。
 kindle版で540円(税込み)、kindle unlimited版も発行しています。よろしくご購入をお願い致します。

2016年11月

 昨日に続き、花神社「茨木のり子全詩集」より遺稿詩集「歳月」の、2回めの紹介をする。
 遺稿の内、第2章までは、詩の順番(目次)のメモが残されたが、詩稿の箱には小さく「Y」(夫のイニシャル)とだけ書かれており、詩集名は編集した甥の宮崎さんが付したという。
 第2章は、16編。回想の詩が多くなって、亡き夫を身近に感じる詩はすくない。
 しかし、ここに引けないエロチックな作品「獣めく」もある。
 「殺し文句」より。「「これはたった一回しか言わないからよく聞けよ」/…/こちらは照れてへらへらし/「そういうことは囁くものよ」とか言いながら/実はしっかり受け止めた/今にして思えば あの殺し文句はよく利いた//…そう言えば わたしも伝えてあった/悩殺の利き台詞  二つ三つ/…」。本心の愛を生前に伝え合った、夫婦の姿がある。
 「町角」より。「…/待合せのときには/なぜあんなにもいそいそと/うれしそうに歩いてきたのか//…あちらこちらの町角に/ちらばって/まだ咲いている/あなたの笑顔//…いえ/いま咲きそめの薔薇のように/わたくし一人にむかって尚も/あらたに ほぐれくる花々」と、夫の笑顔を幻に視ている。
 「急がなくては」では、「あなたのもとへ/急がなくてはなりません」と語り、「梅酒」では没後10年を経てようやく、生前に仕込んだ梅酒を飲む心境になっている。
 亡夫恋の最上の詩が、ここにある。
菊3
フリー素材サイト「Pixabay」より、菊の1枚。




 花神社「茨木のり子全詩集」(2013年2刷)より、没後に刊行された詩集「歳月」3章を、順次、紹介して行きたい。
 この詩集について、編集した甥の宮崎さんは、茨木のり子の没後、清書された詩40編、目次のメモ等を発見し、かつて詩人が花神社へ挽歌の出版の意志を伝えてもいた、とあとがき「「Y」の箱」で述べている。
 原著は2007年2月、花神社・刊。3章39編(1編は既収録のため)。
 「歳月」は夫の死後より自身の急逝まで31年間に、書き溜められた夫へのラブレターのようなもの(詩人の言葉)である。
 (Ⅰ)は14編。「夢」では「…夢ともうつつともしれず/からだに残ったものは/哀しいまでの清らかさ//やおら身を起し/数えれば 四十九日が明日という夜/あなたらしい挨拶でした/…」と、夫を没後にも感じている。
 「占領」という短詩があるので、以下に全編引用する。

  占領

姿がかき消えたら
それで終り ピリオド!
とひとびとは思っているらしい
ああおかしい なんという鈍さ

みんなには見えないらしいのです
わたくしのかたわらに あなたがいて
前よりも 烈しく
占領されてしまっているのが


 初期の少女時代を懐古する(それだけではない)詩や、後期の人々を世を叱咤(激励)する詩より、「歳月」において茨木のり子は成熟し、すべての詩業の頂きを成す、と僕は受け止める。
菊2
フリー素材サイト「Pixabay」より、菊の1枚。




CIMG9187
 先の11月1日に、2冊の文庫本を買った。
 まず「パワーセンター ワッセ」内の書店「KaBoS ワッセ店」で、迷ったあげく、岩波文庫を買った。
 「マゼラン 世界最初の世界一周航海」(2011年3月・刊)。
 乗組員とスペイン国王秘書の記録である。
 新潮文庫の「○○予想」という、数学の証明の物語も買いたかった。
 僕は文系だけれど、「ポアンカレ予想」「フェルマーの最終定理」「4色問題」の証明の物語を読んで来た。
 またブログ入門書も、初心に立ち会うべく買いたかったが、諦めた。
CIMG9191
 帰途、TSUTAYA某店に寄る。帰宅時刻なので、混んでいるかと思ったが、駐車場は空いていた。
 集英社オレンジ文庫、青木祐子「これは経費で落ちません!」(2016年9月・5刷)。Tポイントも使って買った。
 情熱的なラブストーリーではなく、醒めている経理課女性の物語らしい。
 この2冊は、しばらくお蔵入りだろう。


CIMG9185
 僕が参加している同人詩誌、「青魚」のNo.85が出来上がり、発送担当分を含めて、10冊が送られて来た。
 B5判、2段組、40ページ。執筆者18名。
 2016年10月31日、鯖江詩の会・刊。
 判が大きく、2段組なので、収載容量が大きく、詩、エッセイ、本格的研究、など多彩である。
 全体を読みおえたなら、再びここで紹介したい。
 なお僕は、ソネット形式の詩、8編を寄せている。「詩集ふくい2016」にも載せた「住所印を洗う」を除く7編を、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」の、11月1日の
記事(←リンクしてあり)以降、1日1編ずつ紹介してゆく予定なので、横書きながらご覧ください。

 花神社「茨木のり子全詩集」(2013年2月・2刷)より、「茨木のり子集 言の葉3」の書き下ろし3編を紹介する。
 今月14日の
記事(←リンクしてあり)、「倚りかからず」に継ぐ。
 原著は、2002年、筑摩書房・刊。
 「言の葉」全3巻は、それまでの彼女の詩と散文の選集である。僕はかつて、単行本で3冊とも読んでいる。
 今回は当時、書き下ろしの詩、3編のみの紹介である。
 「球を蹴る人 ―N・Hに―」では、「それはすでに/彼が二十一歳の時にも放たれていた//「君が代はダサイから歌わない」/…//球を蹴る人は/静かに 的確に/言葉を蹴る人でもあった」と、サッカー選手の言葉を引いて、持論の国歌批判を提出している。
 「行方不明の時間」では、行方不明の時間の必要を説きながら、末尾に孤独死を暗示するような数行があって驚く。夫が1975年に亡くなり、一人暮らしの年を重ねていた。
 全詩集の順番でゆくと、この詩が生前の詩集で発表された、最後の1編となる。ただし彼女には、没後に刊行を望んでいたらしい詩集、「歳月」があり、この全詩集に収められている。
菊1
フリー素材サイト「Pixabay」より、菊の1枚。

↑このページのトップヘ