風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 このブログを運営している新サスケ(ハンドル名)が、この10月17日付けで、AmazonのKindle本、第4詩集「詩集 日々のソネット」(縦書き)を発行しました。著者名は、柴田哲夫(僕のペンネームの1つ)です。
 再任用・リタイア前後の、庶民の日々の悲喜哀歓を綴った4章48編と、巻末に哲学風小連作・2章7編を収めます。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリーで、「柴田哲夫 詩集 日々のソネット」と入力して検索してくだされば、即で見つけられます。
 また、ブログの右サイドバーの上部、アクセスカウンターの下に、Amazonアソシエイトのリンク画像「あなたへ詩集をAmazonで」を貼りましたので、画像をクリックしてくだされば、購入サイトへ飛びます。
 kindle版で540円(税込み)、kindle unlimited版も発行しています。よろしくご購入をお願い致します。

2017年08月

 吟遊社「春山行夫詩集」(1990年・刊、ほぼ全詩集)より、手書き本詩集「水の黄昏」の2回目の紹介をする。
 
同・(1)は、今月17日の記事にアップした。
概要
 前回のしまいの「宝石の盗人」に続く、「秋と印度人」(378ページ)より、詩集しまいの短詩連作「花 花」(407ページ)に至る、21編を読み了える。
感想と引用
 エキゾチシズムの作品が続くが、宗教の関わる「暗い窓」に至ると、とたんに暗くなる。末連4行を引用する。
あてどもなしに生きて来た
私は一匹のさまよふ小蟻のやうだ。
私はいまは夕暮れのむかふの国へ行かうと思ふ。
私の頭の上にはもう玉虫も飛ばない。
 「美しい公園」は、孤独なモダニストの真情のようである。初め1連4行を引く。
私は今日も美しい公園へ行きたい
躑躅でいっぱいの池のほとりに
古びた腰掛(ベンチ)は私を待ってゐるであらう

私はやさしい柳の下で魚のやうに考へてゐたい
 短詩「別離」は、「左様なら」「もういヽかげん忘れてしまほふね」と繰り返し、敗北の予感のようだ。
 短詩連作「耶路撤冷(イエルサレム)春秋」では、
基督よ 私に銀の星落ちた馬槽を与えたまへ!
 の1行を書いて、キリストの再来たらん、あるいは恩寵を受ける稀人たらん、とするかのようだ。ただし終行は、次のようである。
基督よ樹なく煙なく王女ない私の耶路撤冷に雪ふらせたまへ!
 この初期詩集の意味のある詩編には、ポエジーを感じる。
 なお引用中、正字を新字に替えた所があります。
0-54
写真ACの「童話lキャラクター」より、「かぐや姫」の1枚。


CIMG9438
 先日、「水脈の会」から贈られた、同人詩誌「水脈」60号を、ほぼ読み了える。同・59号の紹介は、今年4月14日の記事にアップした。
 記念号とは謳っていないけれども、招待作品、詩への思いをおもに集めた随筆欄、会・代表の巻末の「水脈六十号を迎えて」、「編集後記」がその祝意をあらわしている。
概要
 先の「水脈六十号を迎えて」に拠ると、1991年に創刊されている。「編集後記」に拠れば、会員18名、読者会員16名という事である。
 「詩人会議」系の福井県の詩誌として、力を発揮している。
感想
 招待作品では、W・本爾さんの「どこまでも いつまでも」にも心打たれる。力の籠もった、勇猛な想いを描く。それも遣り場のない怒りを、暗喩の世界で表わしている。
 同じく招待作品、A・菜ずなさんの「呼吸」は、遺作であろう。2017年7月26日に、亡くなった。生き方に、癌に、悩んだ人生だった。終い2行は、「私の魂は 嗚呼/今日も呼吸している」。
 N・千代子さんの「分断」に注目。政治は、大衆の政治離れの中で、悪化する。それも反権力側の無力に、幻滅する事から来る。
 詩のエッセイで、同じくN・千代子さんの「料理と詩」は、詩作を料理にたぐえ、材料を集め味付け彩りも考え、作るという。理路整然とし過ぎていて、全面的には肯いがたい。

引用
 I・冴子さんの「母を送る」が、細かく描いて、挽歌としてとても優れている。長い詩なので、とぎれとぎれの引用で拙いが、許されたい。

  母を送る

 母が死んだ
たった三十九日間の入院で
……
髪の手入れを欠かさなかった母のために洗髪を頼む
眼をつむったまま、実に気持ちよさそうだ
……
次の日も青空が広がって
「やっぱり晴れ女やねえ」と声があがる
……
「太陽の下で長い間よう働いたもの」
「どこもかも、やっと楽になったねえ」
あれこれ話しながら、軽くなった母を拾う
……
思いがけず激しく雪が舞っていた
「名残り雪だね」
きっと母が降らせたのだと、みんなが泣いた

母が死んだ
いのちには限りがある
最後は一握りの骨になる
そう伝えて、母は逝った






 角川書店「増補 現代俳句大系」(全15巻)第12巻(1982年・刊)より、6番目の句集、阿波野青畝「紅葉の賀」を読み了える。
 先行する、
津田清子「礼拝」は、今月18日の記事にアップした。
概要
 阿波野青畝(あわの・せいほ、1899年~1992年)は、戦前「ホトトギス」の4Sと(水原秋桜子、高野素十、山口誓子と共に)呼ばれた。秋桜子、誓子が「ホトトギス」を離れたあとも、「ホトトギス」で活躍した。
 1929年、「かつらぎ」を創刊。1947年、カトリックを受洗。
 原著は、1962年、かつらぎ発行所・刊。自序、485句、収載句の季題別索引を収める。
感想
 1951年(52歳)~1955年(56歳)までの作品を収める、第4句集である。第3句集「春の鳶」(1952年・刊)の、敗戦直後の虚脱・窮乏・混乱の時代を脱したとされる。毎年に四季の句の他、大きな旅吟をまとめて置く。
 大作家であり、居直りもあるだろうが、穏やかなスケールの大きい句が多い。戦後の方向か、新味のある句も混じる。
引用
 以下に5句を引用する。
つつがなく浮巣に卵ならびをり
籐椅子に低くとびゆく雲を見よ
皆既食よみがへりゆく月暑し
苗売の結飯(むすび)とり出し食ひにけり
遠花火この家を出でし姉妹
0-53
写真ACの「童話キャラクター」より、「かぐや姫」の1枚。



 

 青磁社「永田和宏作品集 Ⅰ」(2017年5月・刊)より、第5歌集「華氏」を読み了える。
 今月13日に紹介した第4歌集「やぐるま」に継ぐ。
概要
 原著は、1996年、雁書館・刊。
 1984年~1986年の在米(家族同伴)研究生活を含む、1984年~1992年の600首と、あとがきを収める。
 帰国後の研究室・主宰、結社歌誌「塔」主宰と、多忙となり、前歌集より10年が過ぎてしまったと、あとがきで自身が述べている。
感想
 在米研究生活の歌では、斎藤茂吉の「つゆじも」の歌が念頭にあったと、自身が歌集「やぐるま」のあとがきで述べた。慣れない海外生活で苦労する、息子・娘をよく支えたと、河野裕子が永田和宏との共著、歌とエッセイの「たとへば君」の中で書いた。(今、その本が手許にない)。
 このブログに7首程を引用すべく、付箋を貼るのだが、貼った枚数が40余枚。歌人仲間・生物学研究者間でのライバルとの競争、家庭生活(主に歌人夫人・河野裕子に対して)に絞らざるを得なかった。
 師・高安国世への挽歌、夫人との相聞の大事なリンクであるダンドボロギクの歌、巻末近く母の墓を墓苑に探し当てられなかった歌も、引けなかった。
 厳しく忙しい生活で、天真爛漫なところのあった、歌人夫人・河野裕子に救われていたのだろうと、勝手に推測する。

引用
 以下に8首を引用する。
不機嫌な妻子を措きてまた戻る夜半(やはん)を灯しおきしわが実験室(ラボ)
負けてはならぬあの場面にてもどかしく探しあぐねていし一単語
娘の前に妻を怒鳴りて出でし道駅までの道のしらしらとせる
ひたひたと間を詰めきたる幾たりの若きらの名は記憶せんとす
らりるれろ言ってごらんとその母を真似て娘は電話のむこう
冬の陽にしおしおと大根の葉は乾く望まざれども敵増えゆくか
食えと言い、寝よと急かせてこの日頃妻元気なり吾をよく叱る
荒れている妻を離れて子と作るありあわせとうむずかしき技(わざ)
0-51
写真ACの「童話キャラクター」より、「かぐや姫」の1枚。




 

 8月14日の記事で、ダウンロード購入を報せた、かん吉「人気ブロガー養成講座」(本題の「ゼロから学べるブログ運営×集客×マネタイズ」が長いので、副題で書く事にする。)の、第1章~第3章を読み了える。全8章。
 第1章「ブログが成功すると人生が変わる」は、ブログ運営の勧めである。これは前著「人気ブログの作り方」でも書かれていた。
 ブログを書く時間と、続ける決意(ただ書いていれば良いわけではないが)があれば、ブログは続けられる。人気ブログになる為には、彼の書くようなコツが要る。
 第2章「ブログコンセプトを考える」。「マーケティング的ブログ差別化戦略」では、コンセプトの差別化を説く。
 僕もささやかながら、ブログの副題に「純文学系読書・中心です。」と付け加えた(純文学系読書・記事からしばらく離れていて申し訳ないが)。パソコン版のタイトル・ロゴ画像も替えた。
 第3章「成果を出す記事ライティング」。全23Sectionと詳しい。
 「読者が喜ぶ記事を書く」のSectionがあるが、読書日記といえど、自己表現の1つなので、読者が喜ぶようにばかりも書いていられない。
 彼が繰り返し書く「記事タイトルの重要性」も、ある程度は理解する。
 この本を読んでいて、見付けた手段に、「ハイライトを引く」がある。文に付箋を貼るようなものだ。引いた所だけ、「ノートブック」よりまとめて見られる。簡単な技法だが(気になる文章の頭を長押しして、指でなぞる)、これまでわからなくて難儀していた。
 この本や前著、livedoorblogの解説本に拠りながら、少しずつこのブログを変えている。
0-81
写真ACより、「童話キャラクター」のイラスト1枚。近づく秋の風情に合わせて。


↑このページのトップヘ