風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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2018年01月

 思潮社「吉本隆明全詩集」(2003年2刷)より、「第Ⅳ部 初期詩編」の「Ⅸ 白日の旅から (1947)」3編と、「Ⅹ 詩稿Ⅹ (1948)」より1回目を、紹介する。
 
前回は、昨年12月2日の記事にアップした。5回目の紹介である。
Ⅸ 白日の旅から (1947)
 3編の詩のみより成る。「定本詩集」編に収められた長詩「(海の風に)」と同じ日記帳断片に、ばらばらに収められていたという。
 「(にぶい陽の耀きが洩れて)」は、題名がなく、初行を題名としたのだろうか。「草葉のやうになげき/鳥たちのやうにうたふ/だが異様につらいうたを」とあり、のびやかな口調で苛酷な心を謳う素地はあった。
Ⅹ 詩稿Ⅹ (1948)
 雑記帳に書かれた104編より、あまりに編数が多いので、今回は初めの「挽歌」より「打鐘の時」に至る41編を読み了える。彼は22歳くらいと若く、嘆き(姉を亡くした嘆きとされる)も、怒りも、僕には遠い。
 「打鐘の時」では、「瞋怒は過去に投げられ/…/影ははるばる過去を投げて」と謳われる。今の僕には、成されないであろう事に由って未来に瞋恚を持ち、過去はささやかながら愛しむものである。
 彼の老年の思いが、後期の詩篇より読み取れるか、今はわからない。
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写真ACより、「おもてなし」のイラスト1枚。


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 角川書店「増補 現代俳句大系」第12巻(1982年・刊)より、15番目、最後の句集、石田波郷「酒中花」を読み了える。
 先行する
秋元不死男「万座」は、昨年12月14日の記事で紹介した。
概要
 原著は、1968年、東京美術・刊。928句、後記を収める。題名は椿の品種名によるという。
 生前最後の句集(1969年・没)で、「酒中花以後」(1970年・刊)は没後の編集による。
 前半は春夏秋冬の四季部立て、後半は6度にわたる入院の作句順立てである。
 石田波郷(いしだ・はきょう、1913年~1969年)は初め水原秋桜子の「馬酔木」に参加、1937年「鶴」創刊・主宰。加藤楸邨、中村草田男らと「人間探求派」と呼ばれる。
感想
 「憂き目して鮒売女をり春の雁」のように、主題と季語が離れた句が目立つ。それを結合させてしまうのが、季語の力だ、というように。日常の営みに、穏やかな視線を向けた句がある。。
 また入院療養吟では、見舞いに通う妻、医師、同病者を吟じて、1句1句を積み上げてゆく生の営みを読める。
引用
 以下に5句を引く。
跼みては佇ちては春の落葉焚
黒椿雨雫して三鬼の忌
百日紅深息しては稿をつぐ
嵯峨菊やまなじり酔うて女どち
病床に読みて積む書も薄暑かな
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写真ACの「童話キャラクター」より、「白雪姫」のイラスト1枚。




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 皆様、新年明けましておめでとうございます。
 2018年の記事の始まりです。今年もよろしくお願い致します。
 ブログで、マンガでご活躍の、あかつきさんのブログ「あんこと麦と」より、12月27日の記事
「1月のカレンダー(マンガの話8)」から、2018年1月のカレンダーをダウンロードし、A4判にプリントしました。
 僕の記事では、昨年12月1日の
「あかつきさんの12月カレンダー」に継ぎます。
 1月カレンダーの図柄は、晴れ着のあんこさんと麦くんが、羽子板をついている所です。
 焦点の甘いのは、カメラと腕のせいで、誰でもブログを訪問して、明瞭なカレンダーをダウンロード出来ます。
 朱塗りの梁に画鋲で止めて、デザインは妻も褒めていました。


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