風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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2018年03月

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 結社歌誌「覇王樹」2018年3月号を、ほぼ読み了える。
 本誌の到着は、今月1日の記事
「入手した2冊」の、初めにアップした。
 またその記事より、2月号、1月号の感想へと、遡り得る。
概要
 2008年3月1日・刊。42ページ。
 巻頭の八首抄(8名)、爽什10名、弥生10首詠4名、力詠15首2名は、名誉である。
 散文では「覇王樹歌人の歌碑(15)」、W・茂子さんの「落とし文考(39)」、S・素子さんの「後水尾院時代の和歌41」と順調である。
感想
 通常の短歌作品の他、先々月号の作品の批評が載ってありがたい。僕の属する「紅玉集」の場合、毎月に1、2首を批評して下さる。また社員が、短歌大会入賞、綜合歌誌等に歌を寄せた場合、再掲してもらえる。
 「受贈歌集歌書紹介」では、3ページ余に渉って9冊を紹介した。
 「他誌拝見」では、6歌誌より、5首ずつを引いている。
引用
 付箋を貼ったのは、「覇王樹集」のT・富士子さんの「孫」6首から、2首である。
しゃがみこみ珍しそうに落葉取りママに渡した公園デビュー
婿の父孫を眺めて呟けりあと二十年生きていたしと
 孫を描いては客観写生的であり、外祖父の厚い心情を主情的に捉えた。
 僕が孫の歌に惹かれるのは、一人息子が遠い地で結婚、孫を待つ心があるのだろうか。WINKでも良い、とは思うのだけれども。


 
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 短歌新聞社「岡部文夫全歌集」(2008年・刊)より、7番めの歌集「玄冬」を読み了える。
 先行する
歌集「激流」は、先の2月19日の記事にアップした。
概要
 原著は、1948年、氷見新聞社・刊。1947年の作品、386首を収める。
 1945年の敗戦から既に、5冊目の歌集である。財力を尽くしただけでなく、各方面からの援助もあった(次の歌集「風」のように)のだろう。
感想
 昨日に紹介した、土岐友浩・歌集「Bootleg」がニューウェーブに近く、この「玄冬」が写生の古典派に近い。
 僕の読書のストライクゾーンが広いと言っても、これだけ志向が違うと、僕の心も揺れる。
 写生といっても、自然詠は多くなく、人事詠、家庭詠が多くなる。
 また「雑囊を負ひしもの貨車に混合してあはれあはれ強き日本人の体臭」にあるような、破調の歌も散見される。
 彼の財力をあれこれ書いてきたが、彼は3男であったけれども、年譜には「1930年、22歳、岡部太一郎の3女ミツと結婚、本家岡部信太郎家の後を継ぐ。」とあり、家に歌集を出版する財力はあったのだろう。他人の財布を、あれこれ言っても仕方がないが。
引用

 以下に7首を引く。
濁りつつ生きゆく吾を歎けどもけふ鮎市をみて帰り来ぬ
養子となり苦しみし過去もはるかにて今夜(こよひ)鰊を煮込みつつ食ふ
湯より帰る子にコンビーフの鑵切りて待つに短くなりし日の暮
くるしみにさめしかたへに吾が妻の小さき顔あり白く眠りて
売るものも干鰯(ほしか)林檎の類にして川岸にならぶ小さきマーケット(引揚者市場)
後向けてその細い肩を抱いてやるまたひとり産む妻がいたいたしく
したしみをひとり感じつつ夜(よは)にをり炭(すみ)に火が移るかすかの音よ
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写真ACより、「おもてなし」のイラスト1枚。




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歌集 Bootleg
 2月22日の記事で、ダウンロードを報せたkindle unlimited版・歌集2冊の内、土岐友浩「Bootleg」を読み了える。
概要
 出版社、諸版の発行年次、価格等は上述の記事にアップしたので、ご覧ください。
 土岐友浩(とき・ともひろ)は1982年・生。京都大学・卒。精神科医。
 「京大短歌」に所属して活躍した。
 第1歌集に、東直子・解説「不在の中の存在感」、著者「Note」を付す。
感想
 経歴を見ると恐れ入るけれども、表紙イラストのせいか、歌の内容からも、線の細い人に思える。
 恋人に尽くして、かえって追い詰めているのでは、と悩む歌がある。
 第2部の3連作が、小浜在住時代に成ったとするが、福井県の小浜市を指すならと、身近にも感じた。
 題名の「Bootleg」は、海賊版の意味である。
 先の記事で、kindle unlimited版の好みの歌集が残り少ないと書いたけれども、巻末の広告を見ると、書肆侃侃房の「新鋭短歌シリーズ」で、まだまだありそうである。
引用

 以下に7首を引用する。
あたらしくできた日陰で聴いている ここはどこ、から始まる歌を
牛乳を電子レンジであたためてこれからもつきあってください
いまはもうそんなに欲しいものはない冬のきれいな木にふれてみる
一台をふたりで使うようになるありふれたみずいろの自転車
ローソンに寄って帰ると言う父を別れてずっと待っている春
尽くすほど追いつめているだけなのか言葉は君をすずらん畑
おだいじに、というメールが雪の日に届くメロンの絵文字とともに



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 今月も、あかつきさんの3月カレンダーを飾る事ができました。
 
同・2月カレンダーは、2月1日の記事にアップしました。
 ブロガー、プロ・マンガ家としてご活躍の、あかつきさん(暁龍さん)のブログ「あんこと麦と」の、2月28日の記事
「3月カレンダー(マンガの話10)」より、指示に従ってダウンロードしました。
 プリンタでA4判にプリントし、部屋の朱梁に画鋲で貼りました。
 イラストは、桜の下の卒業で、麦君の制服の釦を、あんこさんが捥いでいる所です。いかにも、あんこさんらしい。
 なお写真がボケているのは、カメラと腕のせいなので、あかつきさんの当のブログでは、誰でも鮮明な3月カレンダーを入手できます。


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 最近に入手した本、2冊を紹介する。
 まず僕の所属する結社歌誌、「覇王樹」の2018年3月号が、2月27日に届いた。
 同・2月号の拙い感想は、2月10日の記事にアップした。
 通常の短歌作品、評論の他、平成30年度の寸評・鑑賞文・評論の募集原稿のテーマ「道・路」が発表された。
また付句がマンネリ化したので、「脳トレ短歌」を企画し、第1回は「恋の歓び・苦悩」(2首まで)である。
 ホームページの切り換えは早く、2月26日には作品などが更新された。
 僕の作品等は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」の、
2月28日の記事より、少しずつ順次アップしてゆくので、横書きながらご覧ください。
あまねそう「2月31日の空」
 もう1冊は、偶然見つけた、あまねそう・歌集「2月31日の空」である。201首。著者は同人歌誌「かばん」所属。
 題名に因んで、2月28日~3月3日の間は、Amazonのkindle unlimitedで販売するそうで、kindle版は250円である。
 自力でのkindle版出版らしく、たのもしく、動きが広がってほしい。

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