風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 このブログを運営している新サスケが、2017年10月17日付けで、AmazonのKindle本、第4詩集「詩集 日々のソネット」(縦書き)を発行しました。著者名は、柴田哲夫(僕のペンネームの1つ)です。
 再任用・リタイア前後の、庶民の日々の悲喜哀歓を綴った4章48編と、巻末に哲学風小連作・2章7編を収めます。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリーで、「柴田哲夫 詩集 日々のソネット」と入力して検索してくだされば、即で見つけられます。
 また、ブログの右サイドバーの上部、アクセスカウンターの下に、Amazonアソシエイトのリンク画像「あなたへ詩集をAmazonで」を貼りましたので、画像をクリックしてくだされば、購入サイトへ飛びます。
 kindle版で540円(税込み)、kindle unlimited版も発行しています。よろしくご購入をお願い致します。

2018年05月

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 今年も庭のハナザクロ(花柘榴)が咲き始めました。樹が伸びて、年々高くで咲いて困ります。
 昨年は、5月30日の記事
「サツキと花ザクロ」として、紹介しました。
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 庭の1角では、ハマナス(浜茄子)の花も、咲き始めました。
 妻の頂いて来た苗を植えたのですが、樹勢が強く、近くのコニファーや木苺を侵蝕して大株となっています。
 昨年の記事には、どのような表記でも載っていません。
 2つ共、相変わらずの日の丸写真ですみません。

 
 悲しい事に、水道水配管の漏れのため、再配管工事をしたので、家を40年前に建てて以来のツツジ3種大株と、30年来のムクゲ2種大木を、根本から伐りました。再生は無理かも知れません。
 ツツジは昨年5月5日の記事
「紫木蓮とツツジ」で紹介した3株ですが、幸い僕が殖やして庭のあちこちに植えたので、花は見られるでしょう。
 ムクゲは、昨年8月2日の記事
「ムクゲ2種」で紹介した、一重白花と八重赤紫花の種類です。株元から枝が出るか、根からでも芽生える事があるので、気をつけていきたいです。


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 5月16日の記事、「歌誌と歌集を入手」で報せた内、綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)6月号を、作品中心に読み了える。
 リンク記事にも書いた、角川「短歌」の威圧感はない。
概要
 2018年6月1日付け・刊。通刊373号。169ページ。
 特集「生活詠にみる時代」、新シリーズ、特別作品30首、などを組む。
感想
 巻頭の「うたびと4字熟語⑱」からが面白い。栗木京子(以下、敬称・略)は、色紙に「天衣有縫」と書き、「ほころびや裂け目があったり接ぎがあたったりしてもよいのではないか。…」と解説する。ルーズで余裕があって好い。
 「全国大会の思い出 今昔⑥」は、僕の属する「覇王樹」で、「歌壇」に戻って来ていきなりの取り上げは、奇遇だった。
 特集「生活詠にみる時代」は、生きにくい社会を感じて、市民のリアルな感情をみたい、と組まれた(編集後記)。短歌の題材として、親元をはなれた60年代末からしか自分に迫る要素はないけれども、戦後短歌はいつも、時代に抗う心があったようだ。
 「定綱が訊く ぶつかりインタビュー 第1回」は、馬場あき子である。歌壇登場や「かりん」創刊とその後、夫・岩田正を語って、角川「短歌」5月号のインタビューよりリラックスしている。
 特別作品30首は、佐佐木頼綱「陽を受けて透く」である。ご夫婦に初の子供さんが産まれた喜びを詠む。FB上の記事で、写真なども観ているので、親しみを感じる。1首を引く。

・移ろへる一月の陽の輪の中で泣く子を抱いてゐる息をしてゐる
 坂井修一「蘇る短歌 第三回」は、一、二回を知らないのだが、科学者らしく実証的に論理的に短歌を論じている。
 短歌作品は、言葉遣いに新古ありながら、新と真を追求している。




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 5月23日に、三月書房より沖積舎「西東三鬼全句集」再販本(4,000円、税・送料・別)を買う積もりだったが、参考にAmazonを観ると、角川ソフィア文庫で1,339円で出ている。
 廉価で、俳句なら1句1行で読みやすいかと、注文した。
 翌日、5月24日の午後に届いた。内容を見ると、1ページ10句で、混み合って少し読みにくい。
 ちくま文庫「尾崎放哉全句集」(未読)の本編のように、1ページ5句くらいかと思ったのだ。字の大きさは同じくらいだが、俳歌の本は余白の美を尊ぶもので、ネット購入でよくある「残念」に近い。貧しい者の責任として、いつか読もう。
佐藤涼子 Midnight Sun
 書肆侃侃房の新鋭短歌シリーズから、佐藤涼子「Midnight Sun」kindle unlimited版を、Amazonよりタブレットにダウンロードした。
 このシリーズは、僕の知るところ、田中ましろ「かたすみさがし」を例外として、字が小さい。タブレットの下部のナビゲーションバーで「拡大」を使うと、1首がタブレット画面をはみ出す。ピンチアウトで拡大できるが、次ページでは戻るようで、ページごとの操作は面倒だ。
 栞機能はあるが、ハイライト、メモが利かない。それでも、そういう本だと思って読んで来たので、とくに不満はない。コストパフォーマンスにも由るのだ。




林和清 去年マリエンバートで
 今月4日の記事、「歌集5冊をダウンロード」で報せた内、5冊目の林和清「去年マリエンバートで」kindle unlimited版を読み了える。
 今月20日の記事、
原田彩加・歌集「黄色いボート」同・版に次ぐ。
 Amazonでの諸版の発行年次、価格は、1番目のリンクの記事に挙げたので、ご参照ください。
概要
 林和清(はやし・かずきよ)は、1962年、京都市・生まれ・在住。「玲瓏」所属。
 「去年マリエンバートで」は、12年ぶりの第4歌集。タイトルは、アラン・レネ監督のフランス映画から。
 彼は去年の「ふくい詩祭」(福井県詩人懇話会・主催)で、師の塚本邦雄の話を交えて、講演をしてくださったので、親しみがある。その時にこの歌集の紙本版を20冊ほど、販売していたが僕は買えなくて、待つと今回のようなチャンスもある。
感想
 第1~第3歌集を読んでいないので、はっきりした事は書けない。
 生活の不安定(1ヶ月50を越える講座と、執筆で、生活しているようだ)の不安があるのか。3・11地震災害、いじめなどへも関心を持つ。
 「24時間」と題する、1日を時刻(分刻み)入りで詠んだ、100首連作があり、生活を明かすようだ。
 「人体のなかの砂漠の部分指せ三分たてば目隠しを取れ」等の、僕にはわからない歌も混じる。
引用

 以下に7首を引く。
ふりむけば落武者ばかり群れてゐた芙蓉の寺のぬかる庭土
再来年くらゐに会はう(または後世)恵比寿の破れたビルの前にて
なぜ自分は無傷なのかとおもふとき三月の空また雪が降る
西空の背骨を見たり父の身を火に葬りたるのちの日暮に
また雨が来るもみがらを焼いた田のふすぶる煙にまた雨が来る
殺人のニュースがひととき絶えてゐたそのことも記憶の瓦礫のひとつ(注:3・11詠)
家の中でどこをさすらつてゐたのだらう東山から月がのぼる(注:奥さんを詠む)


 短歌新聞社「岡部文夫全歌集」(2008年・刊)より、10番目の歌集、「灰白の群」を読み了える。
 今月7日の記事、
同・「運河」に次ぐ。
概要
 「灰白(くわいはく)の群(むれ)」の原著は、1949年、新風詩社・刊。前歌集「運河」の7日後の刊行である。
 雑誌「刑政」の原稿のため、囚人の様子をみせてもらい、「雑居房」、「灰白の群」、「愛蠅」の3章にした、特殊な題材の短歌を1集に仕上げたからである。
 265首、長文のあとがき「巻末小記」を、収める。
感想
 雑居房、荷役、刑務所を、看守部長らの案内で詳しくみて、「現在の私の全力を傾注したものであり、日夜苦心するところがあつた…」と、あとがきに書きつける。
 囚人を「愛すべき人間たち」と呼びながら、短歌指導等の救済(「なかなか新鋭な歌を作るものがあり」と、あとがきにある)を採らない。時代的背景が、あったのかも知れない。
 荷役囚の踵がこぼれた塩のため割れるさまを繰り返し描いたのは、抗議の思いがあったのだろうか。
 戦前に左翼だった頃、1歩誤れば似る状況に陥っていたかも知れない、という思いもあっただろう。
引用

 以下に6首を引用する。
ゴム足袋を刺す縫針に老(お)い弱き視力を凝(あつ)むこの補綴夫は
いくたびか罪を犯して就役す髪にやうやくにみゆる半白
指のなき地下足袋をわづかに履けるのみ塩を負ひ斑雪(はだれ)の陽炎をくる
地下足袋の中に踏みこむ岩塩にどの囚人もくるぶしを傷(やぶ)
ただこゑなき冬の監房よ青衣を着(き)ねむる囚人の縮めたる足よ
番号を胸に小さく縫ひつけぬ莚を織りまた靴に鋲を打つ
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 写真ACより、「アールデコ・パターン」のイラスト1枚。



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