風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

Kindle本の第1歌集「雉子の来る庭」をKDPしました。右サイドバーのアソシエイト・バナーよりか、AmazonのKindleストアで「柴田哲夫 雉子の来る庭」で検索して、購入画面へ行けます。Kindle価格:250円か、Kindle Unlimitedで、お買い求めくださるよう、お願いします。

2018年06月

 先日、Kindleストアの無料詩歌欄を見ていると、蔵原伸二郎「岩魚」があったので、タブレットにダウンロードした。きれいな表紙はない。
 タブレットで開いてみると、「岩魚」、「鮭」、「すずめ」、「落日」、「西瓜畑」、「遠い友よ」、「石の思想」、7編の詩を収めるのみである。蔵原伸二郎に「岩魚」という詩集があるが、7編で全部ではないだろう。
 奥付けに拠ると、新学社「近代浪漫派文庫 29」(2005年・刊)を底本とした、青空文庫より作成されている。青空文庫で蔵原伸二郎を調べてみると、7つの章があり、複数の詩編を収める章がある。詩集「岩魚」との関連付けは判らない。
 その中の「岩魚」の章を、そのまま1冊として、Kindleストアで無料販売していた訳である。無料だから、不満を言う筋合いはない。
 蔵原伸二郎(くらはら・しんじろう、1899年~1965年)は、戦時中に国粋的な戦争詩を書き、戦後に指弾されたとされる。1964年、詩集「岩魚」を刊行し、読売文学賞を受賞した。
 メジャーでない詩人の詩集を読むのは、僕が見つけて好むからではない。今から半世紀前、高校文芸部で1年先輩だった荒川洋治さん(今は現代詩作家として令名高い)が、蔵原伸二郎の詩を好み、「蔵原伸二郎研究」という研究誌を出すから、批評を書くように僕が言われた、思い出があるからである。研究誌は結局、資料としての詩抄集(当時だから、彼が原紙を切った、わら半紙へのガリ版刷り)が出たのみだったように記憶する。
 その作品集で、当時の僕は「足跡」という短詩(題名を忘れていたが、詩人名と覚えていた単語でネット検索し、見付けられた)が好きだった。青空文庫の蔵原伸二郎の「足跡」の章(この詩1編のみを収める)で、読み得る。
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写真ACより、「ファンタジー」のイラスト1枚。



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 今日2回目の記事更新です。
 今年も梅雨入りし、庭のアジサイ2種が咲いたので、紹介します。
 昨年は6月23日の記事
「アジサイ2種」で写真をアップしました。
 上の写真はガクアジサイ(額紫陽花)の1種。はかなげな花です。
 近所では、花の赤く大きな、株を見掛けます。
 この種は、斑入り葉の清かさも取り柄です。

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 北庭の普通種です。土壌のせいか、赤でも青でもない、赤紫色の花です。
 前の豪雪で、幹が折れたので刈り取ったため、大株に数輪しか咲いていません。
 来年は(鬼が笑いそうですが)また、たくさんの花を見せてくれるでしょう。


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 思潮社「吉本隆明全詩集」(2003年2刷)より、「第Ⅳ部 初期詩篇」の「日時計篇 Ⅰ (1950)」の4回目の紹介をする。このブログ上で、11回目の紹介である。
 
同・(3)は、先の4月1日の記事にアップした。
概要
 今回は、1043ページ「<午後>」より、1072ページ「<わたしたちが葬ふときの歌>」に至る、24編を読み了えた。
 「日時計篇 Ⅰ」は、22編を残す。解題に拠れば、「日時計篇 Ⅰ (1950)」は、1950年8月頃から、1950年12月22日まで、148編が手製原稿に書かれた。「日時計篇 Ⅱ (1951)」が、1月3日より始まっており、年末・年始の休みが入る事がおかしい。
感想
 1950年といえば、僕の生まれた年である。吉本隆明は1924年生まれ、26歳頃の作品としても、昔の作である。それで古いか、新しいかは、別である。
 「<鎮魂歌>Ⅱ」では、末連2行「愛する者はすべて眠つてしまひ 憎しみはいつまでも覚醒してゐる/わたしはただその覚醒に形態を与へようと願ふのみだ」と、憎悪の哲学を閃かせている。
 旧かな遣いは、1種の異化で、詩編はフィクションになる。新かな遣いに直すと、然程でもない詩行もある。
 吉本隆明の思想も、社会主義、実存主義、構造主義と、流行を追うように移り、晩年は宗教論に至ってしまった。彼には必然性があったのだろうが、読者は納得していないのではないか。
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写真ACより、「ファンタジー」のイラスト1枚。




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 村松友視の小説、「時代屋の女房 怪談篇」を読み了える。
 先の5月17日の記事、
同・「海猫屋の客」を読む、に次ぐ。その記事の内に、「怪談篇」が文庫棚にある、と明記した。
 その事もあって、昭和の、大長編ではない、この小説を選んだ。
概要
 角川文庫、1989年・刊。
 初出は、「野性時代」1986年7月号。単行本は、1986年10月、角川書店・刊。
感想
 「時代屋」店主の安さんと事実婚の真弓が、島根県の出雲へ行くと告げて何度目かの家出をする。安さんと、喫茶店のマスターと、クリーニング屋の今井さんと3人で、真弓を追って出雲へ出掛け、ついには安さんと真弓が出会う。
 それまでに真弓が、正体不明の「男」(出て来るたびに「寂しさが…」云々と描かれる)と出会い、しばらく付き添う。
 安さんたち3人と、真弓たち2人が、出雲各地を巡るストーリーが続くのだが、観光地案内風な場面もある。観光地案内の文章を、そのまま引いた所もある。
 安さんと真弓が再会する所、「男」が実は真弓と出会う以前の日付で亡くなっていた事、ドラマ仕立ての定番的大団円である。
 村松友視も、編集者から、(好評だった)「時代屋の女房」シリーズの、続編を書くよう頼まれて、渋々書いたような気もする。
 僕が特に感心したのは、会話の中に、気象変化、原子炉火災、テロ続発、が取り上げられている部分である。30年以上前に、現在を予測したかのようだ。


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光る波
 今日2回目の記事更新です。
 僕の第5詩集・柴田哲夫「改訂版 ソネット詩集 光る波」kindle版の、無料キャンペーンを6月6日17時より開始し、5日間経た今日(11日)16時59分に終了しました。新サスケ(ハンドルネーム。柴田哲夫は僕のペンネームの1つ)がこの詩集の販売ページで、確認しました。
 2日目には、kindleストア・詩歌部門の無料版の第1位となるなど、かなりのダウンロードを受けたようです。1時はAmazon上で行方不明になり心配しましたが、すぐ回復しました。
 どうもありがとうございます。著者として嬉しく、お礼申し上げます。
 次回の無料キャンペーンは、90日後の9月初め頃を予定しています。常時無料にするには、手続きが煩瑣で、費用も掛かりそうですので、失礼します。
 今後もkindle unlimited会員の方は、追加金無料でお求めできますので、よろしくお願い致します。




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 詩人・岡崎純氏が死去されてちょうど1年、2017年6月10日(第2日曜日)、第1回・忌祭「蝸牛忌」が執り行われた。
 僕にも案内が来て、腰弱のため墓参は失礼し、午後の「集い」にのみ参加する旨、世話役の金田久璋さんへ電話で伝えてあった。

 岡崎純氏は、詩の活躍で数々の賞を受賞しただけでなく、詩誌「木立ち」、「角」の同人として詩誌を盛り上げた。
 また1985年の「福井県詩人懇話会」発足より、初代代表として、その人徳で25年間、会をまとめて来た功績が大きい。
 個人的にも、僕の第1詩集「みだれた足跡」に長文の跋文を頂くなど他、親しくお世話になった。

 僕は6月9日の夜、案内書、電車の時刻をメモした手帳、電車で読む本、等を枕頭に用意し、衣服も用意した。
 しかし10日の目覚めに、起き上がろうとすると、左足の脹脛に違和感があった。違和感は激しい痛みとなり、歩くに足を引きずり、階段は両手を付いて1段ずつしか上られなかった。腱というか靭帯というか、痛めたらしい。
 ここで敦賀市での「蝸牛忌」参加を断念した。詩人懇話会事務局長の千葉晃弘さんへ電話し、以上の事情で参加を出来ない旨、伝えておいた。

 ここにつたない1記事を書き、恩徳を偲び、追悼とする。
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写真ACより、「蓮の白花」の写真1枚。




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 今日2回目の記事更新です。
 昨日(6月9日)の夕食が、僕たち夫婦には少し贅沢だったので、公開します。
 今月5日の記事
「僕の飲みものを公開します」より、この「公開」シリーズを辿れます。

 向こう側左より、卵豆腐、茄子の漬け物、カップの爽健美茶。
 手前左より、焼き赤鰈(初めはカシラもあったのだが、温めるため皿に乗せる関係で除いた)、煮物(ハンペン、絹揚げ豆腐、グリーンピース、じゃが芋)、豆ご飯(薄揚げ入り、0、7合ほど)。
 鰈まる1匹と、豆ご飯が、珍しい。減塩中なので、魚に醤油を掛けません。

 例によって、このトレーで運んで、別室で食べました。煮物は余しました。



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