風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

2018年09月

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 昨年8月22日の記事「7本目のムクゲ」で、庭の7種目のムクゲを紹介した。
 キッチンの窓から、近ごろ覚えのない花が見えるので、カメラ片手に近づいてみると、ムクゲの新種の8種目だった。赤紫千重花である。
 庭で自然交配して、ボケか椿の株の間より、除草剤を免れて伸び立って、花咲かせたものらしい。
 親は、下に示す、白花千重と赤紫花一重かも知れない。赤紫八重花(花笠咲き)や白花一重の血が入っているかも知れない。
 写真では8種目だが、庭に絶えた種があるかも知れないので、8種の花を将来見られるかどうか判らない。

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 今年8月7日に「ムクゲの花2種」で紹介した2種が、今も咲き残っている。
 雨あとの涼しさのせいで、元気を取り戻したかに見える。
 写真はいずれも8月13日(木曜日)に写したものである。




 角川書店「増補 現代俳句大系」第14巻(1981年・刊)より、3番目の句集、安住敦「午前午後」を読み了える。
 今月7日の記事、
原裕・句集「葦牙」に次ぐ。
概要
 原著は、1972年、角川書店・刊。416句、著者・後記を収める。第4句集。
 安住敦(あずみ・あつし、1907年~1988年)は、戦前より俳誌を転々としたが、敗戦直後の1946年、久保田万太郎を主宰に俳誌「春燈」を創刊した。1963年、万太郎・急逝により主宰・継承した。
 1972年、「午前午後」等の業績により、第6回蛇笏賞。1982年~1987年、俳人協会会長。朝日新聞俳壇選者(1986年まで)等。
感想
 1965年~1971年の句を編年体で収める。木下夕爾、久保田万太郎らを悼む句、娘を想う句、牡丹に執着する句(大連作が幾つもある)等、市井の生を吟じている。
 1968年頃より、勢いが増し、人を驚かす作がある。
引用
 以下に5句を引く。
冷房や理をもつて情封殺し
露けき戸そとより敲き子を起す
雛流し松籟これを悼みけり
妻は町にわれは牡丹と家に在り
墓の辺ややがて木の実の降る日来む(木下夕爾・7回忌)
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写真ACより、「お花屋さん」のイラスト1枚。



 短歌新聞社「岡部文夫全歌集」(2008年・刊)より、合同歌集「いしかは」の岡部文夫・集の分を読み了える。
 9月5日の記事、没後・刊の初期歌集
「氷見」に次ぐ。
概要
 合同歌集「いしかは」は1937年、山本賢次との共著で、青垣会・刊。
 山本賢次は、青垣会の同じ石川県能登・出身だった。
 岡部文夫・集は、この全歌集で19ページ、350首前後だろうか。
 岡部文夫は、初期の口語自由律プロレタリア短歌より、1931年に橋本徳壽「青垣」に転じて6年の初の歌集だった。
感想
 古泉千樫・系「青垣」は「現実の相に根を張り、自己を強く打ち出す」という、写実系と浪漫系の良い所取り、上手く行かなければ宙ぶらりん、という理念があった(三省堂「現代短歌大事典」2004年版「青垣」の項より)。
 「いしかは」では、のちの自在さはないものの、文語定型短歌に転じた、短歌に生を任せた者の安堵を読み取り得る。
引用

 以下に5首を引く。
とむらひより晩(おそ)く戻りてうすぐらき畳に螻蛄(けら)のはしるをころす
山川の清瀬啼きめぐるかはせみを一羽かとみれば一羽にあらず
吾が家をせりおとすこゑきこえゐるゆふべの部屋にすわりをりつも(家を売らむと帰省す。)
フライパンに卵かきまぜてゐる妻の冷えをいふらしぼそぼそとをり
いづこにかあらき訛に叱るこゑすはふり終へたる昼のひそけさ(姉死す)
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写真ACより、「アールデコ・パターン」の1枚。




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 昨日は紙の本、2冊を0円で入手した。
 まず川上未映子の「乳と卵(ちちとらん)」(文春文庫)が届いた。2010年9月10日・刊。芥川賞・受賞作の表題作と「あなたたちの恋愛は瀕死」を収める。
 川上未映子の名前は、村上春樹へのロング・インタビュー
「みみずくは黄昏に飛びたつ」(記事ではボロクソに書いてしまったけれど)の訊き手として、覚えている。作品を入手したのは初めてである。
 購入は、メルカリで320ポイント(自分が文庫本を売って溜めた分より。送料・込み)を支払った。

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 Docomoよりメールがあって、dポイントが地元の勝木書店、同系の「KaBos」で使えると言う。ローソンでdポイントを使って本(や菓子など)を買った事はあるが、本格的書店で使えるのは嬉しい。
 車で片道30分の「KaBos ワッセ店」へ行く。
 IT関係の本を見ていると、「もっと速く、快適に! Wi‐Fiを使いこなす本」があり、1,382ポイントで購入した。
 Wi‐Fiはわが家で、導入を検討中(通信費が高額になっているため)だが、仕組、費用の点がまだ判らない。「使いこなす」と称しても、入門者向け記事もある。
 技術評論社、2018年9月6日・刊。223ページ。




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 対談集「阿川佐和子のこの人に会いたい」を読み了える。
 阿川佐和子(あがわ・さわこ)はエッセイストであり、作家・阿川弘之の娘である。
概要
 初出は、週刊文春の1993年5月~1997年1月まで。
 181人の登場の内、22人分を収める。時間は毎回2時間。
 文春文庫では、1997年第1刷、2000年第7刷。403ページ。
感想
 2018年現在、約21年~25年を経ており、読後感は重い。
 対談に登場する人物は、各界の大物である。
 また既に亡くなった方、現役を引退したイチロー(当時・オリックスで活躍中)、若乃花(当時・大関)、曙太郎、小室哲也ほかの人物の、その後の人生をわずかながら僕が知っている為でもある。
 あとがきに「会って一生懸命話を伺えば、必ずおもしろい発見があるものだ。」とある通り、相手は威厳がありながらリラックスして、時には無邪気に語る。人には自分を語りたい欲求があるものの、話を引き出す阿川佐和子の才能でもあるだろう。


 僕のkindle本「改訂版 ソネット詩集 光る波」の第2回無料キャンペーンは、9月5日の記事の通り、9月5日16時より始まり、9月6日の記事のように1時好成績でしたが、今日、9月10日の15時59分で終了しました。
 少し遅くなりましたが、18時半頃に僕が確認しました。
 読者の皆様、ありがとうございました。
 また期間中、1件のカスタマーレビュー「日常と向き合う詩」を頂きました。5段階評価の内、最高の5の評価でした。ありがとうございます。
 今後は、無料キャンペーンを行わない予定でしたが、カスタマーレビューを頂くなど、評価をしてくださる方もいらっしゃるので、3ヶ月後、12月初め頃に3回目を催す予定です。
 よろしくお願い致します。
光る波

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 カレル・チャペックの戯曲「ロボット」を読み了える。
 同じ作者の小説「山椒魚戦争」(岩波文庫)、童話集「長い長いお医者さんの話」(岩波少年文庫)が蔵書にあるので、それらを楽しみとしたい。
概要
 カレル・チャペック(1890年~1938年)はチェコスロバキア(現・チェコ)のジャーナリスト、作家である。
 岩波文庫、2005年・14刷。千野栄一・訳。
 原著は、1920年・刊。
 人間より優秀で強力なロボットを作り出し、社長夫人の願いで博士がロボットに心を与える。当然のようにロボットは団結して人類に反抗し、わずかな人類を残して抹殺する。しかしロボットは約20年間で駄目になるため、ロボットは(また社長夫人が、発明者の手稿を燃やしてしまったので)製造会社で唯一の残った人間、建築士・アルクビストにロボット製造法を再現させようとするが成功しない。
感想
 人間より強力な機械はあり、人間より早く正確に計算するコンピューターはあった。しかしコンピューターがチェス、将棋、囲碁で人間より強くなり、プロ棋士でさえコンピューターに学ぶようになると、価値観が変化する。囲碁ソフト同士が対戦を繰り返し、更に学習して強くなる現在である。
 今より100年近く前、今に近い状態(電子機器の発達によって)のロボットを想定し得た事は、作家の頭脳が優れていたのだ。
 人間を補助するための電子機器なら良いが、連結して反抗を始める時が来るかと、怖れる者の僕は一人である。
 この戯曲は長編で、上演に適しているかどうか判らない。僕の読むところ、人類が滅びロボットも滅ぶ、暗黒物語である。



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