風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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2019年03月

「歌壇」4月号b
 綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2019年4月号を、作品中心にほぼ読み了える。
 今号の到着は、今月19日の記事にアップした。リンク記事の末文より、同・3月号の感想へ遡り得る。
概要
 2019年4月1日付け・刊。169ページ。
感想

 感想と考えて、ぼんやりしてしまう。世の中の、歌壇の流れに、付いて行けないのか。
 特集の「平成の災害の歌」においても、豪雨の1因に温暖化等の気象変化、また原発災害の1因に予備発電設備が地下にあった事(指導の声はありながら)等、人災の面は省かれて、「被災」と扱われる。
 「文学は反権力でなければ意義がない」という、僕の信念なぞ、誌面のどこへやら。
 皆川博子・インタビュー(聞き手・佐佐木定綱)も、皆川博子は作家で、短歌に関心があると言っても、現在の短歌の問題に向き合う人ではない。
引用

 「作品7首」の秋葉貴子「冷静にあれ」より。
凧一つ上がらぬ正月上空を行き戻りする影はドローンか
 凧とドローンの対比の内に、詠みぶりに、時代を示している。


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「COCOON」Issue11
 3月23日(第4土曜日)に郵便のスマートレターで、1冊が届いた。ツイッターで告知された、季刊同人歌誌「COCOON」Issue11(予約購読している)である。結社「コスモス短歌会」内の若手歌人(1965年以降・生まれ)を同人とする。
 2019年3月15日・刊。ほぼA5判、85ページ。
 誌面では賑やかに、内面は堅実に、歌を詠んでいるようだ。読み了えたなら、ここで紹介したい。
 同・Issue10の感想は、今年1月2日の記事にアップした。

CIMG9672
 ツイッターを「短歌 ネットプリント」で検索すると、このネットプリントの発行の告知に行き当たった。
 「ウマとヒマワリ 5」である。ツイートは、以下の通り。
 同じ日に、近所のローソンのプリンタより、引き出した。A4判1枚、20円。2019年3月20日・付け。ぼんやりした写真ですみません。
 平岡直子さんの短歌連作「法律」10首と、我妻俊樹さんの掌編小説「ミューズ」1編を載せる。
 「法律」では初めの1首の下句「箱根がおいでお湯こぼさずに」に躓く。「箱根がおいでおいでする」の略なのか、「箱根に」なのか、「箱根よ」の呼びかけなのか、「箱根が」の主語への術語が省略され、主語が結句で入れ替わっているようで、わかりにくい。他の歌は、写実的ではないが、理解し得る。
 8首目を以下に引く。
打楽器のうえを歩いているように野菜売り場をゆくわたしたち
 「ミューズ」は、ダダ的な物語である。政治家の(文学の)言葉・破壊に対抗しようとするのだろうか。同じ土俵に上がった時点で、負けているかも知れない。
 立原道造の「鮎の歌」以降の物語に似るようだが、簡単な理解を拒もうとする文体が異なる。もっと書き続けると良いと、僕は思う。


 


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積雪1積雪2
 今日2回目の記事更新です。
 3月22日に、Yahoo!で3月23日の当地の天気予報は、「曇→雪」から、「晴→雪」になっていた。
 3月23日は午後も好天で、雪は降らないだろう、誤予報だろうと思っていた。
 しかし24日の朝になって、庭を見て驚いた。雪が積もっていた。天気予報は、時間のずれはあっても、正しかった。
 上の写真の初め(左側)は、旧・温室の屋根の下である。後(右側)は、木瓜の株元近くである。(なお庭は落ち葉清掃をしないので、地が汚いのは、ご勘弁願う)。
 昨日のInstagramに、白木蓮、連翹、椿「春の台(うてな)」の写真を、アップしたばかりである。
 北陸の当地で、春彼岸日を過ぎての降雪はあっても、積雪は珍しい。
 現在、午後3時過ぎ、庭の雪は晴天に消えている。春の淡雪だった。


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パヴェーゼ「流刑」
 パヴェーゼ(イタリアの作家、1908年~1950年)の小説、「流刑」(岩波文庫、2012年2月16日・刊)を読み了える。
 旧ブログ「サスケの本棚」で調べると(管理画面でのみ検索可能)、2012年2月22日の記事に購入を挙げてある。
 他に岩波文庫「故郷」(2003年6月13日・刊)と、集英社版・世界の文学14「パヴェーゼ」(1976年5月20日・刊、「流刑地」を含め、「美しい夏」、「月とかがり火」、他を収める)を持っている。
 2012年・当時、岩波書店書店より「パヴェーゼ文学集成」(全6巻)が刊行されていた。
 パヴェーゼの作品を読むのは、今回が初めてである。
概要
 「流刑」は、パヴェーゼの第1長編小説である。
 反ファシズム運動に関わり、イタリア南部の海岸の村に流刑(流謫)となった、現実には7ヶ月ほどの小屋暮らしを描いている。
 村人は警戒しつつ優しく、恋人を得る幸運もあった。
 戦後、パヴェーゼは詩人・作家として活躍したが、1950年、42歳の若さで自殺してしまった。僕は原因を知らない。
感想

 1970年前後、パヴェーゼは学生の間に人気があった。
 ある先輩は、「僕たちもパヴェーゼやポール・ニザンを読むようになるのか」と、嘆くように語ったものだ。
 訳者・河島英昭は、イタリア文学の名翻訳者で、「ウンガレッティ全詩集」、「クァジーモド全詩集」(いずれも筑摩書房・刊、未読)等の翻訳もある。
 関係詞につながる長文、詩的な表現もそのまま、翻訳されている。
 「流刑」を読み了えて、今の自分が流刑に遭っているような気がする。次男ながら、出身地の町に住み、軟禁されてはいない。しかし40年の囚役(ほとんど肉体労働だった)からは解放されたが、日中は一人でいる事が多く、毎日のように文学を語り合う友はいない。応接室を訪れる友も今はいない。
 会合で文学の友と語り、ネットで交流を続けるのみである。
 この流刑のような生活にも、職をリタイアした身は、慣れてきたようだ。




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 砂子屋書房・現代短歌文庫91「米川千嘉子歌集」(2011年・刊)より、第2歌集「一夏」を読み了える。
 今月18日の記事、同「夏空の櫂」を読む、に次ぐ。
概要
 原著は、1993年、河出書房新社・刊。
 第4回・河野愛子賞・受賞。
 短歌編に、エッセイ風のあとがき「郭公」を付す。
 「一夏」は、「ひとなつ」ではなく、IMEにはないけれど、「いちげ」と読む(三省堂「現代短歌大事典」2004年・刊に拠る)。
感想
 何といっても、妊娠、出産、子育ての歌が主である。
 「わが子可愛い」だけの歌ではないけれど、やはり喜びの歌に目が行く。
 父よりの血脈、青年期を脱する夫、夫のボストン留学への同伴、掉尾には転んでも立ち上がる子への励ましが、詠まれる。
 この文庫には、歌集はこれまでの2冊を収め、あと歌論・エッセイと解説を付す。
 彼女はこのあとも、創作旺盛で、続々と歌集を刊行している。
引用

 貼った付箋は18枚、内より7首に絞るに苦労した。
迷ひをるわれをしづかに消すやうに身籠りしものを誰も祝福す
愛ふかく負けてゆく生万葉集に萩のくれなゐのごと零れをり
魂のふかくともればみどり子は胸さすこゑをたてて笑ひぬ
わがいのちただに見つめて生くべしと母を覚えて日々濃き微笑
母と呼びしはじめてのこゑ胸抜けて夏の燕の消えたる彼方
こゑに競ひて子らは遊べりかうかうと母の匂ひを放ち遊べり
母の手をふとほどきたる幼子に入道雲はしづかなる餐
0-22
写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。



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 先日のツイッターに、以下の記事が流れた。


 僕は3月20日の午後、所用の帰途にローソンへゆき、プリンタでネットプリント、「とても長い静かな曲」をプリントアウトした。

CIMG9667
 おぼろな写真ですみません。
 土谷映理(つちや・えり)さんの、笹井宏之賞・最終選考に残った「とても長い静かな曲」50首である。モノクロで20円だった。
 経歴に「山梨学生短歌会所属。大学からマンドリンを始める。指揮も振る。」とのみある。
 マンドリン・サークルでの生活が、合宿(僕は大学囲碁部の合宿を懐かしく思い出した)を含めて描かれる。「君」との関係を含め、楽しい生活のようだ。
 マンドリンと短歌の1つを捉る事はない。僕も短歌と詩とネットを捉っている。
 ネットプリントの発行費用が幾らか知らないが、楽に自分の作品を広められるなら、もっと利用されて良い媒体である。


 以下に5首を引く。
春の風留めるように友達の目もとにうすく輝くシャドウ
階段の途中で楽譜をのぞき込むリズムを歌ってくれと言われて
耳で聴き弦を調節するように二人話した六月の午後
美しい自信がほしい傾けた角度ですこしきらめくような
揺れるたびメトロノームの針光る全員の音が初めて合った




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 今日2回目の記事更新です。
 上の写真は、椿「西王母」です。
 今月15日の記事、クリスマスローズと椿「西王母」の花に次ぎ、再チャレンジです。
 でも雨降りなどがあり、高度にきれいな花ではありません。
 筒咲き、中輪。
CIMG1410
 椿「大隅直(おおすみのあたい)」です。
 別名「薩摩紅」。この名が態を表しているようです。
 濃紅色、八重~千重、、中大輪。
 全盛期には、2メートルほどの木の1杯に咲き、楽しませてくれます。

 インスタグラムにもパソコンよりアップしました。
 Instagram xinsasuke にリンクしました。


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