風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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2019年03月

 土曜美術社・日本現代詩文庫27「関根弘詩集」より、巻末の詩論2編、解説1編を読み了える。
 今月14日の記事、同・詩集「奇態な一歩」を読む、に次ぐ。リンクより、以前の関根弘の詩集の記事へ遡り得る。
詩論「リルケからカフカへ」
 戦前にリルケ(特に「マルテの手記」)を好んだ関根弘が、戦後、カフカに傾いた事情について、以下のように書いている。「戦争を通過したあとで、わたしは、当然のことのようにカフカ党になっていた。リルケがたてこもった社会的無関心の塔からいやでもひきずり出されて、カフカ的にいえば、孤立無援のたたかいを余儀なくされたからであろう」。安部公房にもカフカを勧めたという。
講演「小熊秀雄」
 詩賞「小熊秀雄賞」授賞式での講演である。年次はわからない。たった1度、少年時代に小熊秀雄に会っただけ、という関根弘が、外郭から中心に攻め入るように、13ページに渉って描いている。
 小熊秀雄の絶筆の詩「刺身」、堀田昇一の小説「自由ヶ丘パルテノン」、小野蓮司の詩「苔」から引きながら、戦前プロレタリア文学運動の末期に出発して、抵抗詩「刺身」を書くに至ったさまを描き尽くす。
 室生犀星の「我が愛する詩人の伝記」に匹敵する描きぶりである。

「関根弘詩集解説」中川敏
 「今時アヴァンギャルドは演劇を除いてはアウト・オブ・デイトである」と、やんわりと関根弘の「リアリズムとアヴァンギャルドの統一」を批判している。

 最後に年譜について。関根弘は、東京に生まれ、小学校卒業後、勤めに入り、住み込み店員も経験している。従軍を免れて、戦後、職を転々とし、文筆家として立った。40歳で結婚、息子、娘を得る。
 詩誌「列島」で、手八丁口八丁と言われる大活躍(「解説」より)をしながら、没後、全集どころか全詩集さえ発行されていないようだ。以て悼むべきである。
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。


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 今日2回目の記事更新です。
 庭に咲いている、クリスマスローズと椿の花を紹介します。
 今月9日の記事の、ムスカリの花以来です。

 上の写真は、クリスマスローズの花です。
 10年以上前、ムクゲの株元に苗を4種4株、植えたのですが、今はこの株が残っているのみです。
 花芽が確認できなかったので、今年は咲かないかと思っていたのですが、先日、花を見つけました。

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 庭を回ってみると、椿「西王母」が咲いていました。
 一重、筒咲き、中輪。
 昨年は花を見られなかったように思います。

 写真は2枚とも、あまりきれいでなくて済みません。他の日を待てませんでした。



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 先日、Amazonより歌集3冊と詩集1冊(いずれもkindle unlimited版)を、タブレットにダウンロードしたので、以下に紹介する。
小野田光 蝶は地下鉄を抜けて
 Amazonの本を「新鋭短歌シリーズ」で検索すると、多くの未読歌集があったので、3冊を3月10日にダウンロードした。
 まず、小野田光・歌集「蝶は地下鉄をぬけて」。
 紙本版:2018年12月10日・刊。1,836円。
 kindle版:2018年12月27日・刊。800円。

西村曜 コンビニに生まれかわってしまっても
 次に、西村曜・歌集「コンビニに生まれかわってしまっても」。
 紙本版:2018年8月7日・刊。1,836円。
 kindle版:2018年12月26日・刊。800円。

九螺ささら ゆめのほとり鳥
 3番目に、九螺ささら・歌集「ゆめのほとり鳥」。
 紙本版:2018年8月7日・刊。1,836円。
 kindle版:2018年12月26日・刊。800円。

D・H・ロレンス 愛と死の詩集
 上記3歌集(書肆侃侃房・刊)に、ハイライト、メモ等の機能がないので、外出した時にタブレットで読むため、D・H・ロレンス・詩集「愛と死の詩集」を、3月12日にAmazonよりダウンロードした。安藤一郎・訳。
 小説「息子と恋人」、「チャタレイ夫人の恋人」(旧訳)は、僕にあまり合わなかった。
 しかし詩集は、初めを読んだところ、合いそうである。
 kindle版:2014年7月4日・刊。432円。
 上記4冊は、kindle unlimited会員には、(毎月980円の会費の他)追加金・無料でダウンロードできた。
 これまでに買った本は多く、読みかけの本も幾冊かあるが、これらもいつか読み了えるだろう。



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 土曜美術社・日本現代詩文庫27「関根弘詩集」より、しまいの詩集「奇態な一歩」全編を読み了える。
 今月9日の記事、同「『街』より」に次ぐ。リンクより、以前の関根弘の詩集へ遡り得る。
 このアンソロジーの5詩集より、僕が紹介するのは、3詩集のみである。
概要
 原著は、1989年(69歳)、土曜美術社・刊。29編の詩を収める。
 三省堂「現代詩大辞典」(2008年・刊)に依ると、彼は1994年に74歳で亡くなっており、この詩集以後の詩集はないようだ。
 ルポルタージュ、評論、小説、戯曲などでも活躍した。
感想

 彼は晩年、人工透析を受け、詩集の初めの表題作「奇態な一歩」に表した。「仲間が何人もベッドに頭を並べている/自分一人で世界の不幸を/背負った気になるのは早すぎた//一風呂浴びたような顔をして/帰っていくものがいる」と、苦しみをユーモアに転化した。
 次作の「病床のバラ」の末尾には、「生まれてきて損したよ」との感慨を洩らす。僕は生まれて来て良かったとは思わないが、「損した」とは思わない。様々な喜びを得た。
 詩集の末尾には、神社、お寺をめぐっての作品が多くなる。信仰に入ってはいない。
 政治的前衛かつ芸術的前衛である道は、困難なようだ。
 後は詩論2編、解説1編、年譜が残っている。
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。


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 結社歌誌「覇王樹」2019年3月号を、ほぼ読み了える。
 入手は、先の2月26日の記事、「入手した5冊」のしまいにアップした。
 同・2月号の感想は、2月10日の記事にアップした。リンクより、過去号の記事へ遡り得る。
概要
 3月1日付け、覇王樹社・刊。32ページ。
 同人3欄、準同人「紅玉集」欄、会員「覇王樹集」欄がある。
 巻頭「八首抄」、「爽什」10名、「弥生10首詠」4名、「力詠15首」2名がある。また他紙誌からの転載、W茂子さんの「潮の夕照り」、Y美加代さんの「ポプラ」、各5首も載る。
 「受贈歌誌抄」では4誌より、5首ずつを引く。「歌集歌書紹介」では、編集人・佐田公子さんが3冊を紹介している。
 「覇王樹賞作品募集」(20首)も載っているが、僕は一発勝負に向かないので、見送っている。
 ホームページ「短歌の会 覇王樹」も3月号の体裁になり、大きな励みである。
感想

 以下に3首を引きつつ、寸感を述べる。
 「力詠15首」のU理恵子さん「天気図」より。
小春日のガラスに動く黒の影枝々わたる目白の番
 感情語を入れずに景を写し、落ち着いた心境を表している。
 「東聲集」のK六朗さんの「小春日」6首より。
来年も宜しくなどと言はれしが薬局などのお客ではなあ
 会話より入り、現在の短歌の口語への流れに傾いている。
 同じく「東聲集」の古城いつもさん(フルネーム表記はご諒解を得てある)の、「芋も蜜柑も」6首より。
働いて社会に生きて禄を得て今荷を降ろす楽し還暦
 現役時代は苦しんで働きながら、ささやかな贅沢もできた。リタイアすると、節約生活が待っていますよ。古城さんは、歌集を上梓するくらいの余裕はあるだろうか。


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北斎漫画
 ドコモより契約続行の礼として、dポイント3,000ポイントが3月に入ると予告があって、3月7日(木曜日)にようやく入った。9日(土曜日)に書店「KaBoSワッセ店」へ行き、2冊を買った。
 リアル書店で本を買うのは、先の1月26日の記事、増永迪男「雲を見る人」を入手以来である。
 まず普段は買えない美術書を買いたく、「北斎漫画[肉筆未刊行版]」を買った。247ページ。
 実は未刊行版を見落としていて、既刊の「北斎漫画」だと思っていたのだ。ボストン美術館蔵の未刊行画の画集らしい。面白い絵が多く、既刊本はまた、余裕のできた時に古本を買おう。
 「富岳三十六景」で有名な、葛飾北斎である。集英社「浮世絵大系」(ヴァンタン版、全17巻)で所蔵している。

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 この2月に新しいパソコンを買い、3月4日に業者に立ち上げてもらった。ガイド本の「できる」シリーズが役に立たない事もあり、トラブル解決本を買った。「パソコンで困ったときに開く本 2019」である。290ページ。以前のWin7版も利用したが、意外と不正確な事項があり、検索やブログ記事で確かな事項を確認した事もある。
 すでに「お気に入り」の常時表示(これは後で消した)や、メモリのプロセッサがCore i7である事の確認をした。

 2冊で5,508円だったが、dポイントを4、668ポイント使い、現金は840円を支払い、栞10枚程をもらった。


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堀江貴文 拝金
 堀江貴文の小説デビュー作、「拝金」kindle unlimited版を、タブレットで読み了える。
 今月7日の記事、同「成金」の先行作にあたる。
 「成金」の主人公・堀井健史が、今作の主人公・藤田優作のパトロン役らしいが、その繋がりはあまり意識しないで読んだ。
概要
 紙本版:2010年6月30日、徳間書店・刊。1,500円。159ページ。
 電子版:2013年6月1日・刊。463円。
感想

 フリーターの青年、藤田優作が、チーフディレクターこと堀井健史の指導によって、ゲーム制作から巨大IT企業、ネクサスドアの社長にまで登り詰める。隠れ家の銘店の味や、ヒルズ族のパーティーなども描かれる。
 しかしプロ野球球団のオーナーになろうとして失敗、ラジオ局を買収しようとして失敗。
 東京地検特捜部の強制捜査が会社に入って、主人公は入獄する羽目になる。
 この小説を作者は、「欲の世界を突き抜ける」感覚を共感してほしくて、書いたとする。
 作者が著作料で得るお金は、企業経営に比べてわずかだろう。
 投資した宇宙産業のロケット打ち上げも、2度失敗している。堀江貴文がライブドア時代のように、再び活躍できるかは不明だ。
 僕のような無名歌人兼詩人は、「清貧」とうそぶいている方が良さそうだ。




1昨日のブログ記事にアップした、ムスカリの花をInstagramにアップしました。
パソコンよりアップできました。





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パソコンよりの再投稿です。

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