風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

2019年04月

吹雪きの水族館a
 今月22日の記事で到着を報せた本、米川千嘉子・歌集「吹雪の水族館」を読み了える。
 現代短歌文庫の「続 米川千嘉子歌集」の第4歌集・「一葉の井戸」(2001年・刊)より、第8歌集まで、14年を一足飛びに越えての読書である。第7歌集「あやはべる」も買ってあるので、逆年順に彼女の歌集を読むことになるかも知れない。
概要
 2015年11月1日、角川文化振興財団・発行、KADOKAWA・発売。
 第8回・小野市詩歌文学賞を受賞した。
 題名は2012年、馬場あき子らと共に、黒川能を鑑賞した際、鶴岡市立加茂水族館を訪れて、有名なたくさんの水母を観た経験の1連から採られた。
感想

 前歌集「あやはべる」で迢空賞を受賞して、肩の力が抜けたかの感がある。
 一人息子は、家を出て学び、厳しい就活を経て就職した。夫は壮年で、仕事・短歌に重い役割を果たしている。
 被災した、東北沖大地震の事も、原発災害を含め、繰り返し詠まれている。
 「ゆるキャラ」を土地の神とも、ただの着ぐるみとも、詠んでいる。
引用
 以下に7首を引く。
撫子のひびき更新さるる夏うるはしと言へなでしこジャパン
面接は六次面接まであると聞くとき出づるマトリョーシカは
熱のある人間ほどの気温にてへんな暑さをふらふら帰る
つくづくと衰ふる土地の神にして紅葉の渓に踊るゆるキャラ
疲れふかきゆゑに眠れずやうやくに眠りし夫の奥の海光
滅びそめし国の小旗を頬に描(か)く若者はもう滅べと言はず
父・夫(おつと)・息子それぞれ理由(わけ)ありてところ天食むわが辺にをらず



わたくし率 イン歯ー、または世界 (2)
 今日2回目の記事更新です。
 先日にメルカリへ360ポイントで注文した、川上未映子「わたくし率 イン 歯ー、または世界」を、今日(4月29日)午後、ローソン某店で受け取った。
 ローソンでの受け取りにも慣れて、昨日記事の川上未映子「きみは赤ちゃん」の受け取り伝票は店員さんに代行で出してもらったが、今回はほぼ自力で伝票を機械から引き出せた。
 この講談社文庫(2010年・刊、定価:381円+税)には、小説「わたくし率 イン歯ー、または世界」と、短編「感じる専門家 採用試験」を収める。
 「感じる専門家 採用試験」は初出が「早稲田文学」2006年11月号である。「わたくし率 イン 歯ー、または世界」の初出が「早稲田文学0」2007年5月30日・刊である。この小説が第137回・芥川賞・候補になり、第1回・早稲田大学坪内逍遥大賞・奨励賞を受賞して、作家としてデビューした。
 僕は川上未映子の熱心な読者ではないが、メルカリ・ポイントが少し溜まると、無駄な本を買いそうで、ある程度の好みの本を注文した。


総会・全景 (2)
 4月28日(第4日曜日)の午後1時半より、県教育センターの1室で、福井県詩人懇話会・第23回総会が持たれた。
 詩の催しの記事としては、今年2月8日の県詩人懇話会「第39回会員の詩書を祝う会」に参加、以来である。リンクより関連過去記事へ遡れる。

 定刻にN・千代子さんの司会で、会が始まった。
 総会に先立ち、詩人の以倉絋平氏(日本現代詩人会前会長)の講演があり、K・久璋さんの講師・紹介のあと、講演「現代詩と私」があった。6枚のプリントが配られており、江藤淳、吉本隆明の文から説き起こし、子規・虚子の俳句・写生文まで遡り、主観の入る短歌から、幻想詩の始まりを読む。井上靖「地中海」や上村肇「みずうみ」の詩より、感動・感銘より幻想が生まれると説く。新川和江、中江俊夫の詩、柳瀬尚紀の感想、西脇順三郎の詩論を引いて、幻想詩の価値を示す。しかし<修辞的こだわり>だけになった日本現代詩を、考え直す時期だと批判的である。年刊アンソロジー「詩集ふくい」を読んで、「更に創意工夫を!」と福井の詩人を励まして、降壇した。


 総会は、W・元爾・代表の挨拶(写真の場面)の後、議長選出をして始まった。懇話会は1985年に発足したが、途中より2年に1回の総会になったので、回数が中途半端である。
 第17期(2017年度、2018年度)の活動経過報告、同・収支決算が、多少の意見はありながら承認された。第18期(2019年度、2020年度)の活動計画案、収支予算、懇話会役員案も承認された。役員は、昇任2名、新任3名、W・元爾代表を含め留任11名、退任1名だった。
 定刻4時をやや過ぎて、閉会した。参加者は、途中退席の方も含めて、26名だった。
 福井県詩人懇話会の活動が盛んになり、福井の詩が盛んになる事を願う。


「覇王樹」5月号
 所属する結社の歌誌「覇王樹」2019年5月号が、4月26日に、ゆうメールで届いた。
 5月1日付け・刊。来年8月・刊の100周年記念号に向けて、原稿募集等が本格化した。
 先の歌誌「覇王樹」4月号を読むは、今月5日の記事にアップした。
 5月号の僕の歌6首(8首より選)他は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」の4月27日付け記事より、順次少しずつアップするので、横書きながらご覧ください。

あやはべる
 4月24日に、米川千嘉子・第7歌集「あやはべる」(迢空賞・受賞)が、Amazonのマーケットプレイスより、ゆうパケットで届いた。価格:2,090円(送料・税・込み)。短歌研究社、2013年3月・重版。
 今月22日の記事、同・第8歌集「吹雪の水族館」が届くに次ぐ。

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 川上未映子のエッセイ本「きみは赤ちゃん」(文春文庫、2017年5月・刊)を、メルカリより330ポイントで注文し、4月24日にローソン某店で受け取った。
 作家・川上未映子の妊娠・出産・子育てをめぐるエッセイ本である。
 彼女の本は、小説「すべて真夜中の恋人たち」を、昨年10月31日に記事アップして以来である。
 蔵書は読みきれない程あるのだが、最近の新しめの本もつい読みたくなり、買ってしまう。



 4月26日(第4金曜日)朝9時半に、メンバー3人が喫茶店に集まって、短歌研究会B第32回を持った。
 同・第31回は、先の3月1日の記事にアップした。研究会Bを、メンバーの都合で、3月は休んだからである。
 僕が少し早めに来て、アイスコーヒーのモーニング・セットを摂っていると、2人も集まった。それぞれ注文して、歌誌等の貸し借り、返却をした。

 研究会Bは、岩波文庫「宮柊二歌集」(宮英子・高野公彦・編)の読み込みである。

 今回は、歌集「藤棚の下の小室」(1972年・刊)の157ページから始める。
「緑の金、くれなゐの金」の章より。
 「萌えいでし若葉や棗は緑の金(きん)、」の歌の「緑」は「あを」と読ませるのだろう。
 「山椒の」の歌の結語「白昼」と書いて「まひる」とルビを振ってあるのは、珍しい読み方である。
「夏井渓谷」の節より。
 「雨あとの力ある水」と始まる歌は、「力ある水」が、ユニークだ。
「晩夏」の節より。
 「合歓(ねむ)のはな紅(あか)なまぐさく咲きつぎて家族七人顔古び生く」の歌の、「なまぐさく」は見た目を言うのだろう、「顔古び」は長年顔を見合っての事だろう、とTさんが解釈した。
 「浜名湖の」の歌の結句、「わがあらがはず」は「われあらがはず」が文法的だと、これもTさんが指摘した。
「家族」の節より。
 「生きて来し場のそれぞれが戦争(たたかひ)をもつとも濃くして断続したり」の「濃く」なったのは「思い出」だろう。
「鮒の子、他」の章より。

 「しづかなる第一日のあらがねの如き光を鮒の子も浴ぶ」で、「あらがね」は鉄の異称だろう。「鮒の子」は後の歌によって、水槽に飼っていたものとわかる。
 「霜光り土ひかる道よろこびに」の歌は、性格、経験により湧く喜びだろう。
「井の頭公園鳥獣園」の節より。
 3首は、「逸民」(自由業)となった宮柊二が、作歌のためか、朝に鳥獣園を巡っての作品である。

 他にも多くの感想、意見が出たが、ここに書ききれない。
 10時40分頃、次回の日程を決めて、散会した。
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。





会報合本・第3分冊 (3)
 今月7日の記事、1冊と1紙が届く、で報せたように、「福井県詩人懇話会会報」第100号(2019年3月30日・発行、B5判)が届いた。
 大封筒に順番に収めていたので、創刊号~第60号、第61号~第80号に続いて、第81号~第100号の合本・第3分冊を作って貰う事にした。
 これまでと同じく市内の宮本印刷へ、前以て電話の上、4月19日(第3金曜日)に持ち込み、25日(第4木曜日)までに出来上がる、との返事を貰った。
 4月25日の午前中に電話確認の後、宮本印刷へ出向き、仕上がった合本を受け取った。代金は、わずか300円だった。表題を印刷すると、値段が跳ね上がるとの事で、表題は家のテーププリンターで打って、表紙に貼った。貼る時に少し曲がってしまった。

CIMG1616 (4)
 上の写真は、第86号の6ページ~7ページの1部を、拡大したものである。字は小さめで、写真はすべてモノクロである。
会報合本・第1分冊 (4)会報合本・第2分冊 (3)
 画像は小さくしたけれど、第1分冊と第2分冊の、表紙を挙げる。
 創刊号は、1985年6月1日付けである。約34年を経た。
 途中から僕は会の幹事・事務局員・他を務め、会報にも登壇者等の人物写真、受贈の会報・詩誌・詩集を紹介する短い記事を提供した。
 ある時期から、僕は懇話会の役をすべて降り、距離を保った。最近はまた、詩の催しに参加するようになり、会のカメラマン役を務めている。今はデジタル・カメラなので、保存・補正・受け渡しが便利である。




 今日2回目の記事更新です。
 僕が関わった同人詩誌「群青」第8号(2007年2月25日・刊)より、同人・木下龍子さんへの追悼文「とびきりの笑顔」を、ホームページ「新サスケ’s Ownd」の4月25日付け記事に転載しました。
 古い文章ですが、よろしければお読みください。



masakyf-diary.amebaownd.com/posts/6126920

 上のリンクからも飛べますが、フィッシング防止等のため、2、3日後にリンクが解かれます。その場合は、「4月25日付け記事」に貼ったリンクよりお越しください。
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写真ACより、「恐竜」CGの1枚。HPと共通の画像です。



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