風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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2019年11月

 11月28日(第4木曜日)の午前9時半より、メンバー3人が喫茶店に集まり、短歌研究会B第38回を持った。
 前夜には早寝して、自信があったので、Mさんにモーニングコールを頼まなかった。早く覚めて、少しネットをしたあと、外出の用意を始めた。


 先行する同・第37回は、先の10月30日の記事にアップした。
 


 短歌研究会Bは、岩波文庫「宮柊二歌集」(宮英子・高野公彦・編)の読み込みである。
 今回は、183ページ、歌集「藤棚の下の小室」(1972年・刊)の、1965年「終戦二十周年」の章よりである。
「終戦二十周年」の章
 10首は、新年詠として、歌誌に求められた作品だろう。
 1首めの4句「しろたへの塩」の、「しろたへの」は枕詞だけれども、「しろたへ」には「白い色」の意味がある。
 3首めの中句「おもほゆる」は「おもほゆ」の連体形だけれども、強調の終止である。
 4首めの4句「元旦の闇」を見るのは、大晦日にも執筆で徹夜したのだと思われる。
 184ページの1首め「かがやける炎を見れば」の歌は、歌集「小紺珠」の「一本の蠟燃しつつ~」の歌、歌集「日本挽歌」の「蠟燭の長き炎のかがやきて~」の歌を想わせる。
 2首めの2句中句「桃咲きている山の丘」は、のどかだから日本の丘だと僕は思ったが、2人は従軍中の記憶かも知れないと述べた。

「陶のごとき」の章
 185ページに入って1首めの結句「道の声する」は、「道ゆく人の声がする」の意味である。
 ベトナム戦争を詠んだ歌があって、戦争に敏感である。
 4首めの上句中句「おほよその行手(ゆくて)見えきし悔しさの」は、健康的には下降に移るが、歌人としては名誉が待っていて、僕には解せない。
 186ページに入って、1首めの「泛く」は「うく」と読むのだろう。「黒鳥」と「人の喪」は、付き過ぎだという意見があった。
 3首めの中句下句「飛行機の窓に見てゆく春蘭抱きて」は、春蘭も変種は高価だから、贈られての帰途の旅だっただろう。
 他にも多くの意見が出たが、ここに書ききれない。

 「陶のごとき」の章でしまいとする。次回の日程を決め、10時45分頃に散会した。
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。



 
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 先日にAmazonよりタブレットにダウンロードした、海河童「さるでも歩けるはるかな尾瀬 Photobook」Kindle Unlimited版を観了える。
 海河童さんの本として、先の10月25日に記事アップした、「ダイビング川柳 其の参」Kindle Unlimited版に次ぐ。



海河童 はるかな尾瀬
  「さるでも歩けるはるかな尾瀬 Photobook」は、彼のガイド本「さるでもできるKindle写真集」(Kindle Unlimited版あり)の、出来上がりサンプル版である。Kindle写真集を作る予定はないので、今はサンプル版で十分である。
 Amazonの「Kindle Comic Creator」や1部、パワーポイントのソフトを使って、作成された。

 手軽な写真集として、優れている。僕は初めて尾瀬の写真集を観た。
 題材が、燧ケ岳(尾瀬沼の逆さ姿を含めて)と水芭蕉など、美しいが範囲が狭い。もっと他の花の写真を観たかった。
 でもニッコウキスゲの写真には、詩人・立原道造の愛でた花だったかと、感慨深かった。

 海河童さんはKindle出版の先駆者で、これまで多くのガイド本、写真集を出版して来た。今回、Kindle版・写真集作成の、新しいステージに進んだようである。


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 砂子屋書房「葛原妙子全歌集」(2002年・刊)より、第2歌集「縄文」を読み了える。
 第1歌集「橙黄」の感想は、先の9月12日の記事にアップした。



 歌集「縄文」の原著は、当時発行されず、1970年の三一書房「葛原妙子歌集」に、「未刊歌集」として加えられた。1950年~1952年の224首を収める。
 彼女の生活は恵まれていた。医師の妻となり、戦死した家族もなく(実母が没していた事を敗戦後に知る)、東京の家は焼けなかった。1939年4月より、太田水穂・四賀光子に師事したから、翼賛歌もあっただろうが、秘め通した。

 「縄文」には、句割れ・句跨り、字余り・字足らずの歌があり、叙述の歌があり、虚実の曖昧な歌がある。今の僕たちは、さして違和感がないが、アララギ流の「写生」「調べ」を信奉する歌壇に抗うには、相当の気力が必要だっただろう。戦後前衛短歌の出発へ、彼女の歌も向かう。


 以下に7首を引く。正字を新字に直してある。
貝の中に婦人の像を彫りこめし異国土産にくさり光れり
鴉のごとく老いし夫人が樹の間ゆくかのたたかひに生きのこりゐて
灯台長飼ひゐるあうむの饒舌は白きペンキの鎧戸の蔭
間余の錨 尺余の錨 砂に摺りひさげる町は魚臭に満ちぬ
たちまちに渦巻ける闇一本の蝋燭の燈をかざし入らむに
残照のしづむ群山みゆる窓おおほき肩掛を吊るしたり
わが十指くちばしとなる忙殺の時すぎしづかなる十二時は打つ

落葉(らくえふ)いまだ枯葉とならざれば眸茫々と黄(きい)の一庭
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。



 
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 思潮社・現代詩文庫242「続続 荒川洋治詩集」より、「未刊詩篇<炭素>」7編を読み了える。
 先行する「詩集<北山十八間戸>全篇」を読む、は今月5日の記事にアップした。



 彼が「文学も出世の手段としか考えない」と、本音か、フィクション混じりにか、書いたことに就いて一言。日本の近代以降の文学者は、世のあぶれ者から出発しながら、芸術家のプライドを保って来た。その流れからすると、彼の1行は許せないかも知れない。しかしヨーロッパの近代文学が多くブルジョアの慰みごとであった事は措き、古代中国の詩人たちが、詩文に依って出世を計った事を考えると、彼の考えも納得できる。しかし現代日本は、古代中国とは違う。

 「伏見」より。「いめひとの伏見/の特徴だ」は、「伏見のいめひと(夢人を連想させる)」を、引っくり返しただけのようだ。「その日から私は変わったと/その日から 日本は変わったと/突然の美しい声で叫ぶ」の楽観には、むしろ危うさを感じる。
 「蔚山」より。戦前の親日作家「白鉄」が病気(肺結核?)の身で、「とてもよく してもらったので」住むことを決め、諦めない希望を「いまでもいちばん人はきれいだ」と、現代詩作家は讃える。
 「プラトン」は、「ソクラテスの弁明」とトルストイ「戦争と平和」を、混ぜ合わせたような作品だ。
 「炭素」は、16歳まで30年間、旺盛な活動をした(年代測定がくるっている)四国の四人の話が、四国生まれの目を治療する少女たちの話にすり替わる。
 「民報」では、「悪化した胸」の作家野川(島に帰った)を、四つ年下の東京の作家が、偲ぶ話である。旧友が村人と交わりを持てていることに、東京の作家は「ひそかに胸をなでおろし」ている。現代詩作家も、多くの旧友(恵まれた境涯にいない)を偲ぶのだろう。
 恩賜賞・芸術院賞を受けた荒川洋治氏の、これからの活動に僕は関心深い。
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。


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 今日2回めの記事更新です。
 わが家のライフライン使用料の11月請求分が、続続と届いたので、ここに紹介する。
 なお同(2)は、先の9月21日の記事にアップした。



 通信費は、ドコモ光の契約で、11月請求分が、20,037円だった。スマホ2台と、固定電話1台の使用料である。他に契約を切ったタブレット2台(Wi-Fi専用)がある。
 10月請求分が、19,612円で、2万円前後で安定していると言えるだろう。

 電気料金は、12,170円である。
 8月請求分こそ、1万6千円台だったが、それ以来、1万2千円台で推移している。エアコンを使わなくなったせいだろう。
 電気温水器に使う夜間料金が、昼間料金より多い。

 水道・下水道・使用料が、10月と11月で、10,430円である。8、9月分の8,660円に比べて増えている。これは、湯浴みがシャワーだけだったものを、浴槽に溜めるようになったからだろう。水道管、蛇口の水漏れとは考えていない。

 3つ合わせて、プロパンガス代3千円を足し、1ヶ月約4万円である。この他に、車2台の費用、医療費があり、わが家のライフライン使用料は、多くを要している。
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。


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 最近の買い物幾つかを紹介します。
 本以外の買い物として、今月10日の記事、買い物2つに次ぎます。



 今月22日(第4金曜日)の午後、ショッピングモール・ワッセの事務用品店・コピーエクスプレスで買い物をしました。
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 まずコクヨの100枚大学ノート、2冊。
 パソコンに向く時、キーボードの傍らに置いて、メモを書いています。1日1ページを基本としていますが、2ページを使う日もあり、後部より日付けのないメモも書くので、1冊200ページありながら、5ヶ月しか持ちません。
 用いる時には、テーププリンターで題字、名前、日付けを打って、貼り付けます。

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 文庫本サイズのビニールカバー、2枚です。本の扱いが少々雑なので、汚れ、傷みの無いよう、ビニールカバーを付けるようになりました。
 既に文庫本用1枚を使っており、雑誌・単行本用にも何枚か用いています。

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 中型のホッチキスを買いました。
 これまで普通の小型では、プリント20枚までのところ、これは40枚までOKだそうです。
 枚数の多いプリントを綴じるのに、苦労していました。家で、クリップに挟んでいた書類を、軽く綴じられました。
 専用のホッチキス針は、1箱付属していることを知らず、同時に2箱を買いました。無駄にはならないでしょう。
 以上の3枚の写真の分で、2,825円でした。

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 今月24日に、妻がLEDのスタンド灯を買って呉れました。小さいものの写真を撮るとき、2台の蛍光灯スタンド灯を使っていましたが、1つは古びて故障していました。妻は知らなかったようですが、ちょうどタイミング良いプレゼントでした。
 月・日・時・分、室温のデジタル表示があります。明るさは3段階で切り替えられ、方向は自在に曲げられます。少し高価めの品が、長持ちするようです。


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 第61回 覇王樹全国大会に参加の記事を、今月17日付けでアップした。
 

 大会の各席ごと、大会資料と共に、1冊の歌誌が置かれていた。
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 「覇王樹三重」No.125である。2019年9月30日・刊。38ページ。発行間隔はわからない。
 短歌欄だけでなく、「サロン」と題するエッセイ欄があって、楽しそうだ。
 編集発行人・橋本俊明氏。

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 また夕食懇談会で、僕の右側が橋本俊明・顧問だった。僕のこのブログを読んで下さっていて、恐縮だった。僕が沖積舎「梅崎春生全集」(全8巻)をコツコツ読んでいる事をご存知で、友人の梅崎春生論の本を送ろうと、約束して下さった。Kindle版の僕の2詩集も購入して、読んで下さっていた。
 その約束の梅崎春生論が、橋本氏の資料と共に、11月23日に届いた。中井正義・著「梅崎春生論」である。函入り、322ページの大冊である。虎見書房、1969年・刊。


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 詩誌「水脈」66号が届いた。2019年11月6日、水脈の会・刊。
 詩人会議の県内誌である。詩の外に、評論、小説を収めて、67ページと詩誌として豊富である。




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