風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 お報らせです。2020年2月20日で以って、Kindle本・短編小説「底流」を自力発行致しました。原稿は自分で作成し、表紙はデザイナーさんにお願いしました。上梓は自力で行いました。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリで、「柴田哲夫 底流」と検索すれば、すぐに出て来ます。柴田哲夫は、Kindle版・詩集「詩集 日々のソネット」、「改訂版ソネット詩集 光る波」と同じく、僕のペンネームです。価格は500円ですが、Kindle Unlimited版を追加金無料で購入できます。多くの方のご購読を願っております。

2020年07月

 世界の名画シリーズより、「モネ画集」Kindle Unlimited版を見了える。
 入手は、今月16日の記事、入手した4冊を紹介する(8)にアップした。これでその4冊の内、資料用の2017囲碁年鑑を除き、3冊をアップした事になる。



 またモネ画集として、今月12日の記事、「モネ傑作名画集」(25点)に次ぐ。


モネ画集
 世界の名画シリーズ、324点、413ページ。ハイライトやメモの機能はないが、栞機能がある。また目次より、該当の作品へ飛べる。
 晩年のモチーフ、睡蓮の池でも念願の、睡蓮の池にかかる橋の数点にまみえた。橋は日本風の太鼓橋である。日傘の婦人はいない(それは別の絵である)が、モネの絵で最初に浮かぶ図である。
 サラン・ラザール駅の連作、33枚の大連作ルーアン大聖堂を、僕は好まない。人間を含めて自然に、僕は親和性があるようだ。田舎に育ち、都会に馴染めず、田舎に生活している事と、相互性があるだろうか。
 建築などにも美を感じるが、写真1枚で充分で、描き上げた連作に親近感を持てない。
 モネ(1840年~1926年)は、68歳で視覚障害の兆候が現れ、72歳で白内障と診断されたが、その後に睡蓮の大連作に取り掛かっている。


 

 谷崎精二・個人全訳「ポオ全集」(春秋社)第2巻(1979年、新装版・7刷)より、4回めの紹介をする。
 同(3)は、今月7日の記事にアップした。



 今回は、「天邪鬼」「ペスト王」「ボンボン」の3編、121ページ~166ページの、46ページ分である。
 「天邪鬼」は、長広説の果てに、天邪鬼な動機によって殺人を告白し、明日の死刑を待つ身である事を告げる。「黒猫」以来の完全犯罪と、殺人者の自滅的行為による発覚、というテーマだろうか。話す事が信用されないので、かえって力説する、前置きが長い。
 「ペスト王」は、14世紀のペストのパンデミック頃の話である。廃墟の葬儀屋での酒盛りに、2人の船乗りが飛び込むが、逃げ出す事を得た。今の新型コロナウイルス感染の対策になる事は、書かれていない。
 「ボンボン」は、料理店主・哲学者のピエル・ボンボンが、エピクロスの果てと自称する悪魔と、魂の売買をしそうになる。ボンボンがあまり酔っているので、悪魔は取り引きを控えるが、ボンボンはランプの落下によって亡くなる。多くの歴史的偉人が、才能と金銭等を代償に、魂を悪魔に売ったと述べる。ポオのアルコール依存の弁明めいている。
シャンデリア
写真ACより、「シャンデリア」の写真1枚。


 

 重盛明人「写真の上達には近道がある」Kindle Unlimited版を、タブレットで読み了える。
 ダウンロードは今月8日の記事、入手した3冊を紹介する(9)にアップした。
 これで同記事の3冊、すべてを記事アップした事になる。



写真の上達には近道がある 重盛明人
 重盛明人・著、ごきげんビジネス事務局・発行、スターティアラボ・発売。年次・不明。
 表紙の写真が上手くなる人の特徴・3ヶ条の内、いつもカメラを持ち歩く!は、僕には無理である。僕は車で移動するのだけれど、駐車中の車内は夏など、高温になる。カメラバッグを提げて、医院や歌会に出られない。
 写真のテーマは、花にほぼ決まっている。シャッターを切る前にイメージを、という事もわかる。



 7月28日に、インスタグラムへ投稿した写真である。八重のハイビスカス、赤花、フリル咲き。背景をボカスために、中輪だけれども、接写ではなく、望遠で撮り、ソフトでトリミングした。
 「考えるより先に中心からはずす」と日の丸写真を戒めるけれども、「日の丸弁当もたまにはいいね」と提案している。直線あり、曲線ありと、結局、何でもあり、のような気がする。
 花の咲く向きや、視線の前は、少しあけると良い、という事は納得できる。
 花の写真をインスタグラムに投稿しており、花の写真のインスタグラマーをフォローしているので、いいね!の数も参考に、撮り方を学びたい。


 Kindle版・無料の「ルノワール名画集」を見る。入手は、今月16日の記事、入手した4冊を紹介する(8)にアップした。



 見了えた電子版画集として、今月12日の記事、「モネ傑作名画集」を見る、に次ぐ。


ルノワール名画集
 アートクラシックス版、2013年9月6日・作成。25点と、1点ごとに短い解説を付ける。
 今、集英社の愛蔵普及版・現代世界美術全集4・ルノワールを参照すると、「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢の肖像」も「ピアノを弾く少女達」も、紙版に比べて電子版がとくに暗いという事はないようだ。
 ルノワールは、美少女と画家仲間家族と、豊満な裸婦(煽情的ではない)を描き続ければ、幸せだったろうか。
 印象派の絵は当初、評価されず、売れもせず、貧しい生活を送ったとされる。信念を貫いて、後の成功を得たのだろう。
 美術の領域を、写真や動画が侵す現在、ありのままの写実では勝てないだろう。多くの画家の苦闘がある。



 江國香織の小説、「なつのひかり」を読み了える。
 彼女の小説は、先の6月14日の記事、「間宮兄弟」を読む、以来である。



なつのひかり
 「なつのひかり」は、集英社文庫、1999年1刷、2000年8刷。本文326ページの長編小説である。
 バーの歌手とウェイトレスの2つのアルバイトをしている「私」を、隣(マンションらしい)の薫平君が、逃げたヤドカリを探して現れる。
 「私」栞には幸裕という兄があり、兄にはパトロンの順子、妻の遙子と娘の陶子とベビーシッターのなつみ、愛人のめぐみがいる。遙子は自身にもわからない探し物に家出し、フランスにいたりする。
 ヤドカリのナポレオンは神出鬼没で人々をかき回し、兄も失踪する。
 結局「私」は、ヤドカリの呪いを解き、兄と遙子を見つけて、順子・めぐみとの関係を解消させる。
 ヤドカリが人を導いたり、モーテルの部屋からフランスの海岸へ瞬間移動したり、荒唐無稽なストーリーながら、描写は細密で、不気味さを感じさせる。
 僕はマルケスの「百年の孤独」など数冊を読んだが、「なつのひかり」は、マジック・リアリズムという呼び方がぴったりだ。ほぼ同時期に出た、大江健三郎「燃えあがる緑の木」3部作より、うまいくらいだ。ファンタジー出身も強味となっただろう。このマジック・リアリズムが江國香織に、どれだけ根づいたかは別として。


 村上春樹の短編小説集「一人称単数」を読み了える。
 到着は、今月21日の記事、届いた2冊を紹介する(14)にアップした。





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 「一人称単数」」は、2020年7月20日、文藝春秋・刊。8編の短編小説を収める。

 初めの「石のまくらに」は、二十歳にもなっていない「僕」が1夜を共にした娘さんが、数日後、歌集(実は5行歌風)を送ってくれて、今でも机の引き出しにおいて、稀に読む、という話である。娘さんの名前も顔立ちも覚えていないけれど。紋切型でいうなら、「人生は短い。芸術は長い。」の実感だろう。
 「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」は、大学の文芸誌に1文を載せた、という事からフィクションだろう。しかもその1文の内容はフィクションだった。フィクションにフィクションを重ねながら、夢に現れたチャーリー・パーカーがボサノヴァをプレイした事は真実だろう。作者がその夢を実際に見たか否かは別にして。
 「ウィズ・ザ・ビートルズ」は、1種のヰタ・セクスアリスであると共に、15年後にはその相手・サヨコが結婚・2人子を持ちながら、32歳で自死していた事を知る。村上春樹の小説に時々現れるテーマで、彼にトラウマがあるのか願望か。
 「品川猿の告白」は、言葉を覚えた猿が、女性を恋しくなると名前の1部を盗み(女性は自分の名前を忘れたりする)、その名を呼んで耐える、というストーリーである。荒唐無稽ながら、1種実感がある。
 書き下ろしの「一人称単数」では、バーで見知らぬ女性から酷く非難される。「恥を知りなさい」とまで言われて。僕たちも村上春樹の小説に期待する余り、むやみに非難する事は避けたい。
 でも村上春樹は、自身が言っていた、ドストエフスキー流の作家になれるのだろうか、長編小説に期待したい。


 最近に手許に届いた2冊を紹介する。
 まず結社歌誌「覇王樹」2020年8月号、「100周年記念特大号」である。
 同・7月号の紹介は、今月6日の記事にアップした。





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 100周年記念号は、2020年8月1日付け、覇王樹社・刊。390ページと、通常の10倍のページ数である。
 目次としては、「覇王樹」へのメッセージとして結社外28氏より祝辞を、100巻のまとめ、100巻選歌集(1,075名の1首)、評論、自選10首(在籍者)、私にとっての「覇王樹」、各支部等の今昔、資料編Ⅰ・Ⅱ、歌集・歌書解題(90周年・以降)、発行までの経緯、編集後記等の他、モノクロ写真・多数を収める。
 僕の1首、自選10首、私にとっての「覇王樹」、評論「啄木『一握の砂』の道・路」の題と氏名、同人昇級時の氏名、が載る。


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 県内にお住まいの詩人、今村秀子さんより、第6詩集「つまからほどきましょ」を贈られた。
 2020年8月1日付け、思潮社・刊。川上明日夫の栞、20編、あとがきを収める。
 歳を重ねて開花した、艶やかな詩編である。


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