風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 お報らせです。2020年9月6日で以って、Kindle本「少年詩集 鳶の歌」を自力発行致しました。原稿は自分で作成し、表紙はデザイナーさんにお願いしました。上梓は自力で行いました。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリで、「少年詩集 鳶の歌」と検索すれば、すぐに出て来ます。右サイドバーのバナーよりも至れます。僕のペンネームは柴田哲夫です。価格は500円ですが、Kindle Unlimited版を追加金無料で購入できます。多くの方のご購読を願っております。

2020年09月

 この8月30日に、勝木書店駅前本店が、約60年の歴史に幕を閉じた。在庫の岩波文庫、岩波新書は(岩波書店は買い切り制なので)、同店の新二の宮店に移されると、新聞記事にあった(僕は新聞を読まないので、妻が切り抜き箇所を残してくれる)。
 しばらく後の9月28日に、僕は新二の宮店へ出掛け、岩波文庫2冊を買ったので紹介する。


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 リルケの詩集「ドゥイノの悲歌」。2010年改版1刷。600円+税。
 僕は巻数の少ない方の「リルケ全集」を読んだし(既に処分した)、所蔵の筑摩書房「世界文学体系 53 リルケ」には、同じ訳者の「ドゥイノの悲歌」が収まる。
 しかし岩波文庫・版では、字も行間も大きく、86ページの本文に142ページの訳注と解説が付いている。まず立ち読みした時に、僕に理解できそうな気がしたのである。


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 プリーモ・レーヴィ「休戦」。2011年・2刷。940円+税。
 アウシュヴィッツ収容所から解放された著者の、帰郷するまでの9ヶ月の記録という。以前から内容に関心のある本だった。機会だった。

 岩波文庫は主に古典を扱うが、僕の買った本を見ると、若者の短歌に理解を示したりしながら、僕の感覚は古めかしいのかも知れない。





 思い立って、文庫本36冊を電子書籍化してもらう事にした。検索で調べて、未来〇〇が良さそうだった。前のブログ「サスケの本棚」を調べると、2011年7月以来である。

 8月24日に申し込み(「ゆっくり」で15営業日内・納品、1冊200円)、8月26日・集荷(1律800円)、9月2日に見積書・来(200円×36冊+送料の8千円に、消費税で8,800円)、即日・振り込み。9月25日に納品の予定、と連絡が来た。
 9月25日の午後に問い合わせ、夜になって納品された。ダウンロードして、余っていたテキスト用BDに収めた。



未来BOOK
 内容は、上のスクリーンショットの通りである。加賀乙彦「永遠の都」7冊、辻邦生「ある生涯の七つの場所」7冊、「南総里見八犬伝」10冊、橋本治「窯変源氏物語」10冊、ボードレール「悪の華」翻訳2冊である。
 「窯変源氏物語」(中公文庫)は、Amazonで調べてみると、全14冊らしい。「幻」の帖までで、54帖めの「夢浮橋」に至っていない。あとは何とかしなくては。


 「開高健 電子全集」特別限定無料版より、エッセイ「私の釣魚大全」の初めを読む。
 同書より、「ベトナム戦記」前半を読む、は今月22日の記事にアップした。





特別限定無料版

 僕は文春文庫の開高健「私の釣魚大全」決定版を持っている。後期を含めて、334ページである。
 ところがこの電子版では、初めの「まずミミズを釣ること」「コイとりまあしゃん、コイをとること」「タナゴはルーペで釣るものであること」「ワカサギ釣りは冬のお花見であること」の4章、79ページまで分しか載っていない。
 釣りは子供の頃、農業用水池で、チャナンピンと呼んでいた小魚を釣った事があるのみである。浮き、糸、錘、針のセットは町内の万屋で買って、竿は篠竹の枝を落としたものだった。餌はご飯粒だった。
 釣りは、好みではないが、耐性がないので面白く読んだ。いずれも凝った蘊蓄話がある。
 僕は文春文庫の「私の釣魚大全」を読むことがあるかも知れない。蔵書は半分に減らして5千冊、と豪語しており、新しい本も入ってくるので、いつ読めるかわからない。

 「開高健 電子全集」限定無料版には他に主に、「夏の闇」が収められているが、これは「開高健 全作品」で読みたい。それで電子全集・限定無料版の読書は、これまでとしたい。


 岩波文庫の一茶「七番日記」(上)より、4回めの紹介をする。
 同(3)は、今月13日の記事にアップした。



 今回は、文化9年正月~6月の半年分、219ページ~280ページの62ページである。ただし6月の中に、文化10年10月分11月分が、記されている。紙の貴重な時代、余白を借りたものらしい。
 狂歌の流行のせいか、庶民生活的、俗語の多用、滑稽味の強調、などがある。
 現代俳句に至る流れとは、1筋違っているだろう。

 以下に5句を引く。
(寄)るは年さはさりながら梅の花
鉢の松是
(これ)も因果の一つ哉
(菜)の花のとつぱづれ也ふじの山
いざい
(往)なん江戸は涼みもむつかしき
ちりめんの狙
(さる)を抱く子よ丸雪(あられ)ちる
松の盆栽
写真ACより、「松の盆栽」のイラスト1枚。


 最近に入手した3冊を紹介する。
 季刊同人歌誌「COCOON」Issue17が、同・会より送られてきた。

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 同・Issue16の感想は、先の6月27日の記事にアップした。


 Issue17は、2020年9月15日・刊、89ページ。
 同人は、結社「コスモス」内の若手(1965年以降・生まれ)の歌人である。


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 ソニーのミラーレス一眼、α6300を最近使い始めたが、日本カメラ社の「ソニー α6300 マニュアル」だけでは分からないので、Amazonで検索して、もう1冊のガイド本を買った。
 「SONY α6300 基本&応用 撮影ガイド」である。他にα6300のガイド本がないので、仕方ない。
 技術評論社、2016年10月・刊。191ページ。1,518円。シーンセレクションなど、親切に解説してある。僕は動画ボタンを、初めて知った。


71歳 YouTube
 AmazonよりKindle Unlimited本、「71歳のおじいちゃんに孫がYouTubeを教えてくれた」を、タブレットにダウンロードした。
 山田誠・著、推定32ページ。
 YouTubeへの登録方法と、拡散法がおもで、編集方法はサイトの紹介で済ませている。
 この本のおかげで、初YouTube動画を、アップできた。以下の9月22日の記事に載っている。






 砂子屋書房「葛原妙子全歌集」(2002年・刊)より、しまいの歌集「をがたま」を読み了える。
 先行する「鷹の井戸」は、先の8月29日の記事にアップした。



 葛原妙子は、1981年(74歳)に季刊歌誌「をがたま」を創刊したが、視力障害のため1983年に終刊。1984年より没年の1985年にかけて、発表がない。
 歌集「をがたま」は、その没後、盟友の森岡貞香が作品を集めて、1集と成したものである。
 このあと「をがたま」補遺、「異本 橙黄」があるが、僕は読み残す。
 これで「葛原妙子全歌集」のしまいである。この本も、僕に出会って不幸だっただろう。前衛短歌に理解ある者(近代短歌に苦しんだ者)、あるいは女性であったなら、もっと理解を得たかも知れない。
 俵万智以降、昭和萬葉集に学んだ僕は、前衛短歌の熱気を知らない。政治的前衛でもあった、岡井隆の歌は好きで、全歌集(生前版、思潮社・刊)を好意的に読んだのだけれども。


 以下に7首を引く。正字を新字に直した箇所がある。
微かなる日灼をたまへ青草と鳥の卵を食ひをる君に
あらはるるすゆに失せゐき ちかぢかと汝はたれ、とつぶやきし者
ビルの影たふれ 墓の影たふれ 明き冬至に人の影たふる
墓祭異形を交へ催せり幽魂らふそくのひかりにあそぶ
眼底にはつか紅をもつれしめ曼珠沙華とふ花の畢りぬ
流竄者なんぢにあらね入りてゆく暗き団地のありといふべく
前頭葉に薄霧かかりおぼつかなわが一対の脚降りてゆく
オガタマの花
写真ACより、「オガタマの花」の写真1枚。


 

 沖積舎「梅崎春生全集」第4巻より、小説「砂時計」の3回め、しまいの紹介をする。
 同(2)は、先の7月14日の記事にアップした。




 今回は、149ページ~222ページの、74ページ分を読んだ。
 栗山佐助は、夕陽養老院の臨時書記という事で、八木七郎、栗山佐助、夕陽養老院の3者が、仮に結び付く。
 176ページからしまいまで、黒須院長を含む、養老院の経営者会議の場面となる。経営者会議では、在院者たちを老朽物質扱いし、月2名の回転率を院長にノルマに課す。
 経営者たちが散会して、折詰を提げながら出てゆくところを、数匹の野犬に襲われる場面で、長編小説(梅崎春生の最も長い小説でもある)は、ファルスとなる。
 工場騒音、老人施設等の当時新しい社会問題を取り上げた。内面の踏み込みが少なく、成功作とは言い難い。
野犬
写真ACより、「野犬」のイラスト1枚。


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