風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

2020年12月

 僕が参加しているブログランキングサイト・にほんブログ村のテーマの1つに、100冊会があり、本の読了のたび登録し、年間100冊越えの読書の励みにという趣旨である。
 昨年の同記事は、12月30日にアップした。リンクには、1昨年の同記事へのリンクを貼ってある。2016年の記録まで遡り得る。


 年末の累計数より、昨年末の累計数を引けば良いのだが、もう少し詳しい数を知りたく、毎月末に記録して来た。
 1月:16冊、2月:13冊、3月:17冊、4月:16冊、
 5月:17冊、6月:20冊、7月:19冊、8月:19冊、
 9月:16冊、10月:18冊、11月:12冊、12月:12冊、
 合計195冊である。6月~8月がやや多めだろうか。

 全詩集、全歌集では、単行本ごとに1冊とした。短編小説では、読了の1まとめごとに1冊とした場合が多い。
 1昨年の225冊、昨年の203冊より、減って来ている。200冊の大台にわずかに届かなかった。
 速読でなく、多読・乱読だが、どれだけ身に沁みたか心許ない。大人のメモは忘れるため、という言葉がありご寛恕願う。
 文学への情は増して来ている。
 皆様、佳いお年をお迎えください。
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写真ACより、「ウィンターアイコン」の1枚。


 季刊同人歌誌「COCOON」Issue18を、ほぼ読み了える。
 到着は、今月23日の記事にアップした。

 上記リンクには、同・Issue17の感想へリンクを貼ってある。

COCOON Issue18
 「COCOON」Issue18は、2020年12月15日・刊、89ページ、同人・30名。
 巻頭32首の4名から、S・なお「秤にかける」では青春の回想を含み仕事に、S・恵理「真夜中の鳩」では連作1首の独立性に疑問を残しながら生活に、M・恵子「冬眠へ」では不安を抱えながらも家庭と仕事の勤しみに、居場所を見つけたかに思わせた。
 しかし12首のN・恵「サーカス」の難病と退職と繰り返す入院、K・なお「食欲」の9年間の恋の別れなど、若者の生き辛さは変わらなく厳しいようだ。

 以下に2首を引き、寸感を付す。
 K・絢の「『ぽよよん行進曲』」12首より。
なにもかもしんどいときは大声で歌ふ『ぽよよん行進曲』を
 生活に疲れが出てきたようだ。「別居して」の句があるが、不和からでないと信じたい。
 M・竜也「ヨーホー」13首より。
何もかもうまくいきませんね からの、端から端まで全部いったる
 努力と短歌は、奇跡を呼ぶかも知れない。


 

 思潮社・現代詩文庫78「辻征夫詩集」より、「学校の思い出」から、と「今は吟遊詩人」を読み了える。
 同・文庫の購入は、今年8月18日の記事、3冊を買う、にアップした。


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 現代詩文庫78「辻征夫詩集」は、1982年第1刷、2000年6刷。第1詩集抄出と、完本詩集3冊、未刊詩篇を収める。
 辻征夫(つじ・ゆきお)は、1939年・生、2000年・没。

 今回は、「学校の思い出」抄(2編)と「今は吟遊詩人」を読む。
 僕は自称・詩人が苦手だ。僕は「詩を書く人」として、詩を書いて来た。「人の心を最もわからない者が詩人になる」という言葉がある。自分の心を最も知る詩人かもしれないが、中っているようだ。他人を気遣う人でありたい。

 これらの初期詩編は繊細で美しい。しかし詩は美しければ良いものではない。僕ははじめ、エモーションの強さと、うねり(音楽性。クラシックはほとんど知らなかったが)と思っていた。吉本隆明の「言語にとって美とは何か」は画期的論考だが、僕は題名に違和感を持った。文学に美が至高とは思えなかったからだ。

 辻征夫は、ランボーの高さ、リルケの深さに至らない、と苦しんだという。彼は後に、ライトヴァースと呼ばれた。俳句も吟じ、日本的な軽みの境地だろうか。後年、彼は数々の詩賞を受賞した。






 この記事を書いている12月27日(日曜日)夜、12月21日(月曜日)の入院より、1週間が過ぎた。
 入院前日は、冬至前日だったけれど、妻が冬至南瓜を作ってくれ、柚子を買って来てくれ、柚子湯を立て、励ましてくれた。
 入院の朝、家の鍵も置いて行き、妻の運転する車で出掛け、10時頃、病院・着。予約の10時半、4人部屋に入る。荷物は、台車を出して貰うほど多かった。コロナ禍のため見舞い禁止で、談話室で妻とわかれる。
 入室の時、4人部屋の1人がちょうど退院で、顔も合わせなかった。あと1人の患者がいて、僕はカーテンの隙間から挨拶した。もう1人の入室があったが、2人は相次いで退院した。 
 もう1人の入室があったが、29日(火曜日)に退院との事で、孤独な紅白歌合戦鑑賞を覚悟した所、今日27日に入室があった。しかし年を越えるかわからない。
 僕の入院(大動脈周囲炎の治療。ステロイド剤の多量服用のため、副作用の諸病の発生を抑える)は、短くて3週間、長くて4週間との主治医の言葉だった。主治医は休日を含め毎朝、日には午後も巡視して、励ましてくれる。
 看護師さんは優しい。朝夕に、血糖値、血圧、体温を測りに来る。療養は2日めからの服薬のみで、家からの内科薬を含め、多くの薬粒を飲む。
 22日に眼科検診を受けたが、異常なし。明日(月曜日午前)に前立腺肥大症の検診を受ける。
 食事は糖尿病食ながら美味しく、量も十分である。
 妻は水曜日、土曜日と来てくれ、談話室で下着を交換し、健康茶を受け取って、短く話した。
 入浴は月曜日~金曜日は毎日、土曜日はシャワーを浴びれる。同室の人との小さなストレス(迷惑を掛けないか等)と、余分な睡眠をとれない事のほか、ほぼ困る事はない。

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写真ACより、「ウィンターアイコン」の1枚。

 江國香織の小説「冷静と情熱のあいだ」を読み了える。
 彼女の小説の紹介は、今年7月27日の記事、「なつのひかり」以来である。

 なお今年9月12日に、エッセイ集「泣かない子供」の感想をアップした。

冷静と情熱のあいだ
 「冷静と情熱のあいだ」は、角川文庫、2001年・9版、275ページ。
 イタリアのミラノでマーヴというアメリカ人と同棲する日本人アオイが主人公である。穏やかなマーヴ、優しい周囲の人に囲まれながら、アオイにはフラッシュバックする記憶がある。日本の帰国子女大学で出会った阿形順正であり、「私のすべて」と信じたが、人工妊娠中絶を許されず、別れた。
 その10年後、阿形順正から1通の手紙が届き、アオイとマーヴは別れる。2人の10年前の約束通り、フィレンツェのドゥオモ(イタリアで街を代表する教会堂)で、アオイと順正は再会する。「嵐のような三日間だった。嵐のような、そして、光の洪水のような。」を送ったあと、アオイはマーヴと別れた事を言い出せず、2人は別れる。
 若い時代の一途な恋と挫折が、穏やかな生活に沈み込ませず、幸せになれない。僕は少し泣いた。
 引用の1文でもわかるように、文体は叙述の歩行をやめ、時に舞踏する。彼女には、出版された詩集がある。



 先の21日の記事に紹介した通り、21日の17時~26日16時59分まで、僕のKindle本の、詩集「鳶の歌」と小説「底流」のクリスマス無料キャンペーンを開きました。
 
 26日の現在20時45分現在、両書ともKindle版・価格:500円に戻っています。
 成果はどれだけだったか、Amazonの順位を確かめられず、アプリをタブレットに入れていないので、冊数も分かりません。
 このキャンペーンに協力してくださった方々、ありがとうございます。
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写真ACより、「ウィンターアイコン」の1枚。

 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2021年1月号を、ほぼ読み了える。
 到着は今月17日の記事、届いた3冊を紹介する(9)にアップした。
 その記事には、同誌2020年12月号の感想記事へ、リンクが貼ってある。



歌壇・1月号
 巻頭新春作品20首は2名と、他の総合歌誌と比べて少ないだろう。
 しかし栗木京子の新春巻頭言と、新春鼎談が素晴らしい。ヒット企画の2つである。
 新春巻頭言は、岡井隆の、抒情性の真髄にある科学者のスピリットを再発見している。また小島なお「展開図」、川野芽生「Lilith」、近江瞬「飛び散れ、水たち」の3歌集を紹介し、若者への期待を込める。

 鼎談は、俳人・筑紫磐井、詩人・野村喜和夫、歌人・川野里子で囲まれた。戦後の第二芸術論の受け取り方の違い、その克服が短歌を主に語られる。季語を巡って社会性俳句・前衛俳句が論じられる。女性の詩歌句人を巡って。人類である私と、日本人としての私、のダブルスタンダードの論が鋭い。悪を引き受ける文体、時間を汲み上げる、という言葉で鼎談は締められる。







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