風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

2021年01月

 三浦哲郎の小説「夜の哀しみ」(新潮文庫、上下巻)を読み了える。
 三浦哲郎の本では、昨年6月5日の記事に、短編小説集「冬の雁」をアップしている。


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 初出は、日本経済新聞・1991年9月14日~1992年9月13日である。新聞小説に文学を呼び戻す意気込みで始められた。
 出稼ぎの夫を持つ35歳の登世が、親友の夫・聖次と不倫関係になり、家での密会を息子に見られ、(堕胎、別れ、結核らしい病気を経て)、息子と娘にたかられるようになり、息子との取っ組み合いの末、首を絞めて失神か死亡かわからないまま、海に入水自殺をする結末を迎える。
 2、3年前、1度読みかけて、止めた本である。ぼくは不倫もの、愛人ものが苦手だった。パール・バックの「大地」も、主人公が富んで、愛人を住まわせるようになった所で、読書が中断した。
 35歳で1年の空閨は、耐えがたいものがあったかも知れない。三浦哲郎は、愛情と共感をもって登世を描いている。これまでと異質な世界である。


 今日2回めの記事更新です。
 ホームページ「新サスケ'Ownd」の1月23日付け記事に、「2020年版 方言集 福井市とその近辺」をアップしました。表紙を含めて、ExcelでA4判11枚です。2020年末に17語足して、総550語に至りました。
 裏映りが多少あります。ほぼ単独で収集したので、誤りがあるかと存じます。ご批正願います。


 これからも方言を収集して、追加し、改訂して行く予定です。
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写真ACより、「恐竜」のCG1枚。




 椎名誠の小説「黄金時代」を読み了える。
 このブログでは、今月20日日の記事、読み了えた10冊で、「鉄塔のひと その他の短編」を挙げたのみである。

「黄金時代」
 「黄金時代」は、単行本:1998年・文藝春秋・刊。文春文庫:2000年・刊。
 中学3年生から、写真大学生までの「おれ」の自伝的小説である。題名は、あとがきにある通り、逆の連想を以ってつけられた。つまり中高生時代、番長グループと単独で喧嘩対決を繰り返し、家を出て学資稼ぎのアルバイトに至る、闇黒時代である。喧嘩の肉体的衝撃や、心理の描写に迫力がある。
 顔や体に傷を受ける喧嘩は、僕は嫌いである。中学生時代、教師と切手の交換で貰った万年筆を同級生に折られた時も、高校生時代にサッカーでぶつかられて前歯2本を折った時も、茫然とするばかりで、怒りも弁償も湧かなかった。

 あとがきに、本当の「黄金時代」をまだ書けずにいる、とあるが、2002年・刊の「本の雑誌血風録」(既読)がその時代ではないかと、推測する。




 結社誌「覇王樹」の顧問・橋本俊明さんが贈ってくださった、歌誌「覇王樹三重」No.126を読み了える。
 受贈は、昨年12月17日の記事、届いた3冊を紹介する(9)にアップした。同No.125の感想へ、リンクを貼ってある。


覇王樹三重
 「覇王樹三重」No.126は、2020年9月30日、覇王樹三重支社・刊、44ページ。
 橋本俊明さんは、「大逆事件と橋田東聲」と題して、「覇王樹」創刊者の橋田東聲が、幸徳秋水の母親に宛てた手紙、受刑者の歌を褒めた文章を取り上げ、分析している。

 9名が数十首ずつ寄せている。調べがなめらかである。僕の句割れ・句跨り、記号の使用などの歌では、馴染まないだろう。
 「覇王樹」本誌以外に作品発表の場を持つ事は良い事だろう。
 僕はもう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」で、毎日、創作日時と遅れながら、短歌発表の場を(pv数はともかく)持ち、発表意欲は充足している。


 以下に7首を引く。
廃業を決めてしまえば工場の機械工具は鉄の塊(N・和子)
眼裏に今日の自分を予習するしくじり多きをなくするために(T・好)
一時は百戸ほどの村と言ふ細々と農に就き来し語る(U・安世)
才媛だったあなたが歌を忘れしとう五月・風の便りが届く(N・清子)
杖の身に傘差し呉るる介護士の左半身打つ雨しぶき(O・孝一)
弁解はすまじと決めてこれ以上細くならない月を見ている(K・恵美)
アンパンマンお散歩買物籠さげて曾孫の相手を婆は楽しむ(A・つる子)



 S病院の23日間の入院を了えて、1月12日に退院すると、ネットが繋がらない。
 まず10日に、電話が繋がらないと兄嫁が訪れたそうで、電話機の故障(受話器の線のカバーが剥き出しになっていた)かと13日に、電器量販店「百満ボルト」で小型の電話機(ファクス機能なし)を買った。それでも電話機もネットも繋がらなかった。
 14日にドコモサポートセンターに電話して、出張サービスを依頼した。工事が混んでおり、28日訪問の予定だと言うので、前倒しを依頼した。
 1月20日(水曜日)の15時半頃、スマホに電話があり、今から伺うという。意外だったが、依頼した。
 NTT委託会社の社員(青年一人)が訪れて、電話線引込線の大雪による内部断裂だろうという。僕は時々外に出て、作業を見たが、かける言葉もない。16時半頃、作業が完了したとのこと。電話、Wi-Fi、ケーブル接続のパソコンが繋がっている事を確認した。
 小さいタブレットに、僕の姓をペンでサインした。料金は無料だった。青年に深く礼をして、謝意を表した。8日ぶりにネットの復活である。
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写真ACより、「ウィンターアイコン」の1枚。


 23日間の入院(看護士の手厚い看護、主治医の丁寧な診察、妻の献身)を経て退院すると、家のネットが繋がらない。モデムの故障か、電話配線の内部断線と思われる。ドコモサポートセンターへ連絡すると、2週間後の訪問だという。前倒しを依頼した。
 その間、パソコンにCDのクラシックを掛けたりしながら、読書を続けた。以下に列挙する。
綿矢りさ「ウォーク・イン・クローゼット」講談社文庫
江國香織「ぬるい眠り」新潮文庫
プリーモ・レーヴィ「休戦」岩波文庫
俵万智「トリアングル」中公文庫
江國香織「流しのしたの骨」新潮文庫
田中小実昌「自動巻時計の一日」角川文庫
椎名誠「鉄塔のひと その他の短編」新潮文庫
カズオ・イシグロ「日の名残り」中公文庫
新井素子「ダイエット物語…ただし猫」中公文庫
ヘミングウェイ「危険な夏」角川文庫
 以上、個々に感想を書く機会はないと思うので、列挙しておく。
 この記事は、Wi-Fiでなく、スマホより慣れない入力で書いた。

1月12日の午後2時、無事退院しました。応援ありがとうございます。ただいま、ネット接続がわるく、ブログ記事を更新できません。

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