昨日に続き、邑書林「セレクション歌人3 江戸雪集」(2003年・刊)より、「「椿夜」抄」と「「椿夜」以後」を読み了える。
 邑(ゆう)書林の「セレクション歌人」は、歌論集1冊を含めて、全34冊のシリーズである。「別冊セレクション歌論」を除き、平均160ページ、定価1、300円(+税)となっている。
概要
 江戸雪(えど・ゆき)の第2歌集「椿夜」は、2001年、砂子屋書房・刊。
 ながらみ現代短歌賞、咲くやこの花賞(大阪市・主催)文芸部門、受賞。
 「セレクション歌人」になぜ、この「椿夜」を完本で入れなかったか、疑問が残る。
感想
 彼女は結婚しても、心の危機に見舞われたりする。そして、あとがきに「いつのまにか私は詠うことなしには夜もまともに眠れなくなった。」と書くほど、短歌に没頭する。
 妊娠・出産を経ても、わが子可愛い、だけでは済まず、社会との和解は成されない。
 ひらがなの使いどころ、会話体の使い方に、優れている。
 「「椿夜」以後」は、この本で4ページ、23首のみである。
引用

 以下に8首を引く。
くらがりに時がどっぷり充ちていて街のボタンをすべておしたし
たたかったくらいで過去にしないでね坂道くだる長い胴体
川ねかす町にみしみし妊りて目がくらむまで光吐き出す
のぞまれてだいじにされていたりけり夏には夏の柊が立つ
ふゆくさのような髪して子よわれを愛しつづけよ憎みつづけよ
わが身体えぐり生まれしおさなごは月光のごとしずかに坐る
こわいのよ われに似る子が突然に空の奥処を指さすことも
忙しくしている友の声清しわが耳黒いつぼみとおもう
(「「椿夜」以後」より)
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写真ACより、「おもてなし」のイラスト1枚。