福井県俳句作家協会「年刊句集 福井県 第56集」(2018年3月・刊)より、7回目の紹介をする。
 今月9日の記事、
同(6)に次ぐ。
概要
 今回は、161ページ~186ページの26ページ分、52名の520句を読んだことになる。
 南越地区(越前市、南越前町)の、すべてである。
感想
 俳歌で新と真を求めると言っても、レトリックの新として、比喩(暗喩を主とする)は、たくさんだという気がする。戦後詩において、暗喩を主とする比喩は大掛かりに追及され、その時代も過ぎてしまった。むしろ直叙や対句、リフレイン、オノマトペ等の古典的レトリックに、新しい技法を求めるべきだろう。また新しい題材も、無限にある。
 俳歌の真といっても、人情の真は、古代よりあまり変わらないように思える。その真の心情の発露は、無限の形を取るけれども。
引用
 以下に3句を引用する。
 T・房子さんの「小夜時雨」10句より。
ねむる児に母の団扇と童歌
 K・秀峰さんの「笑ふ絵馬」10句より。
もて余す串刺し鯖や半夏生
 (注:福井地方では半夏生の日を「はげっしょ」と呼んで、その日に焼き鯖を食べる風習がある)。
 K・蒼美さんの「初鏡」10句より。
身に入むや今のままでと願ひをり

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写真ACより、「おもてなし」のイラスト1枚。