僕の歌は君の歌
 7月15日にAmazonよりダウンロードした、寒川猫持・第4歌集「僕の歌は君の歌」を、タブレットで読み了える。
 kindle unlimited版の歌集として、今月7日の記事にアップした、早坂類「ヘヴンリー・ブルー」以来である。
 kindle版:2014年7月22日・刊、540円。
 オンデマンド版:972円。
概要
 寒川猫持(さむかわ・ねこもち、1953年~)は、第2歌集「雨にぬれても」を山本夏彦に見いだされ、1時は有名になったが、離婚(のちに再婚)時の神経症などでうらぶれ、今は眼科医のアルバイトなどの他、「ぶらぶらしている」(彼のブログより)らしい。
 歌集には約400首と、「猫持俳句集」、他を収める。
引用と感想

 ハイライトとメモの機能が利くので、10余首にメモを付したが、7首に絞り、以下に引用と感想をアップする。
にゃん吉はいつも淋しく待ちいたり吾の帰りを待ちていたりき
 「キチや」の章15首を残すが、死後に後悔しても遅いだろう。
「んまいんまい」声あげて食うめいちまに毎日魚買いに行きたり
 「めいちま」(めいちゃま、めい様の意か)を猫可愛がりし溺れている。
めいちまが入院をせし三日間われら夫婦は泣き暮らしたり
 夫婦して、猫にメロメロである。もう少し冷静な、可愛がり方ができないものか。
悪性の脂肪肉腫になりまして手術を受けてまだ生きてます
 癌になって居直る様が、哀れを誘う。
鶉野の農地が売れて五百万振り込まれたり一息つきぬ
 1時は借金があったと書く。アテにしていたお金だと思う。
糖尿も脂肪肉腫も鬱病もひとえに母のストレスならむ
 「結婚をする前まではわが母が鬼であるとは思い知らざりしかな」とも詠む。毒母である。
体には管が八本付いていておまけに痛い拷問である
 手術後の状態を、客観的に自虐的に詠んでいる。