角川書店「増補 現代俳句大系」第13巻(1980年・刊)より、17番目の句集、林翔「和紙」を読み了える。
 先の7月26日の記事、
野沢節子・句集「鳳蝶」に次ぐ。
概要
 原著は、1970年、竹頭社・刊。水原秋桜子・序、697句、著者・後記を収める。第1句集。
 林翔(はやし・しょう、1914年~2009年)は、1940年に水原秋桜子「馬酔木」に参加、1950年・同人。
 盟友の能村登四郎が1970年に創刊した「沖」に参加した。
感想
 この大系・13巻の月報に、林翔の1文「『和紙』の裏側」があり、同時期に出発した能村登四郎・第3句集「枯野の沖」にわずか遅れて、師・石田波郷の死に遭って急いで稿をまとめた実情、賞争い、など赤裸に語られている。
 句集には、1947年~1969年の、22年間の作品を、年次順に収める。
 有季定型の句に、戦後らしい詩性を現わす。
 慎ましい教師生活から生まれた句である。
引用
 以下に5句を引く。
草萌や並び坐るに足らぬほど
永き日ぞ勤めの母に待てる子に
羊肥ゆ尻辺腹辺の秋蝶に
夏痩も子自慢も似て貧教師
さくら咲き心足る日の遠まはり
0-98
写真ACより、「おもてなし」のイラスト1枚。