岩波文庫の室生犀星「或る少女の死まで 他二篇」より、第2作「性に目覚める頃」を読み了える。
 昨日(8月2日)の記事、
同・「幼年時代」に次ぐ。
概要
 僕の読んだ本は、1952年・初版、1969年・23刷改版、1991年・第48刷となっている。
 寺の里子になって、高等小学校を中退した「私」が、寺で自由に暮らしながら(実際は裁判所の給仕係かになっていた)、賽銭泥棒の美しい娘への欲求や、「表」という文学の友人で、娘にスレている同じ17歳の少年(後に「お玉さん」という決まった恋人ができる)が、描かれている。
感想
 賽銭泥棒の娘とは、賽銭箱に警告文を入れて、来させなくする。
 「表」は結核病(当時は不治の病気だった)で亡くなり、文学上の償いをする。「お玉さん」も結核病が伝染して臥す状態で、哀れを誘う。
 事実かフィクションか、詮索する必要がないので、男女の情の生々しい所も、哀れな様も、鑑賞できる。
 数十年後だろうが、僕の思春期とかけはなれていて、懐旧の思いは抱かなかった。
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写真ACより、「ファンタジー」のイラスト1枚。