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 角川書店「増補 現代俳句大系」(全15巻)の第14巻(1981年・刊)に入り、初めの句集、岡本眸「朝」を読み了える。
 今月24日の記事、第13巻しまいの句集、
福田甲子雄「藁火」に次ぐ。
概要
 原著は、1971年、牧羊社・刊。404句、著者・あとがき、富安風生・解説を収める。
 岡本眸(おかもと・ひとみ、1928年~)は、1951年、富安風生に師事、1957年、岸風三楼の指導を受ける。
 1980年、「朝」創刊、主宰。
感想
 彼女は、17歳での敗戦、父母の早い死、結婚するも子宮癌手術、結婚15年での夫の死(1976年)等の経歴を経て、俳句の真摯さを深めたようだ。
 善い娘さん、善い奥さんであったが、多くの苦難を経て、俳句へ執して行ったのだろう。
引用

 以下に5句を引く。
夕焼け居らんか母葬り来し墓地もかく
主婦に冬長し手首に輪ゴム溜め
落葉はげし主婦の座降りしわが肩に
父を焼く音に堪へをり指に汗
堪ふるべし髪洗ふ指強めつつ