角川書店「増補 現代俳句大系」第14巻(1981年・刊)より、5番目の句集、皆吉爽雨「泉声」を読み了える。
 今月8日の記事、
西本一都・句集「景色」に次ぐ。
概要
 原著は、1972年、牧羊社・刊。420句、後記を収める。第9句集。
 皆吉爽雨(みなよし・そうう、1902年~1983年)は、初め「ホトトギス」に投句、1922年・同系の「山茶花」創刊に参加、1946年に俳誌「雪解(ゆきげ)」を創刊・主宰した。
 福井県出身であり、県ふるさと文学館で、郷土文学者の展示などに入るが、その点ではあまり評価されていないようだ。
感想
 「雪解」の言葉に「自然諷詠に彼岸の浄土を追求する。」があり、宗教的感覚が入ったようだ。
 社会性俳句、前衛俳句ではなく、伝統俳句の人として、例えば60年安保、70年安保にも恬然として、己の句境の深まりだけを願ったのだろうか。
 今の僕は、その平穏な境地が1種、羨ましい。過去は帰らないけれども。
 また多くの者に背を向け、見殺しにして、文学、特に俳歌に何の意義があるだろう、という思いもする。
引用
 以下に5句を引く。
もろ肩に錣(しころ)重畳武具かざる
堆書裡に古扇風機吾としづむ
買ひさげし棒のごときも苗木市
ねはん図の嘆きのかぎりなくて辞す
しぐるるやよべ祝(ほぎ)うけし花は壺に
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写真ACより、「お花屋さん」のイラスト1枚。