IMG_20180908_0002

 先の9月9日の記事
「届いた2冊」で、到着を報せた砂子屋書房・現代短歌文庫「藤原龍一郎歌集」(正)(続)より、(続)に入る。
 内容的には(正)編の
「エッセイ・解説」に次ぐ。
  「続 藤原龍一郎歌集」には、3冊の歌集(各・完本)と、1冊の未刊歌集「ノイズ」を収める。
 まず初めの「嘆きの花園」を読み了える。
概要
 原著は、1997年、ジャテック出版・刊。
 首数不明、「あとがき」を収める。
感想
 たいていの語彙はわかるけれども、中に「セバスチャン・ジャプリゾ」「紅夜叉」などの僕には不明な語が混じる。(後に2つ(2名)共、Wikipediaで概要が判明した)。
 AMラジオ・ディレクターとして、ヒット番組を育てたとされる。
 バブル景気の波も被り、生活に、短歌に、相対的安定は至ったようだ。その中で、作歌への情念を昂ぶらせようと、当時先端だったらしい「コンビニ」に「文学の素」を求めようとしたりする。
 都市詠の歌集としては、僕がほとんど田舎住まいなので、あまり反応しなかった。
引用

 以下に7首を引用する。
アナログの思考回路がデジタルに蝕まれつつ軋む月夜だ
夜を灯すコンビニエンス・ストアーに文学の素あらば買わんよ
マンションに帰り着きたる肉体はさぶしえ『大辞林』に躓く
散文のまさに散文的あわれイベント実施マニュアル読めば
もてあそぶ言葉、肉体異ならず何を断念せし来し方か
ジュリアナ東京今宵テクノに綺羅めきて「諧調は偽り」なればこそ
二十世紀後半を生きわれにさえ白熱と呼ぶ日月はあり