11月17日(土曜日)午後2時~3時40分の予定で、県立ふるさと文学館の「文学フェスタ」の1環として、現代詩作家・荒川洋治氏・講演「文学を創り出した人びと」が多目的ホール(定員150名)で持たれた。
 彼の講演を聴いたのは、昨年7月18日の「書くことは読むこと」以来である。

 まず彼が用意した資料のスキャン画像を挙げる。

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 彼が用意した資料は、B4判表裏だが、僕のプリンタはA4判までなので、上の写真は表の半面(書き込みがあり、申し訳ない。もう反面については述べなかった。)と、下の写真は裏面の半面ずつをスキャンして並べたものである。

 明治以降、尾崎紅葉、滝田樗陰、草野心平、長谷川時雨、野田宇太郎、花森安治、伊達得夫、丹羽文雄、福田清人、中井英夫の編集者としての業績を挙げ、編集者(彼も出版社「紫陽社」を経営し、独力で編集している)として、才能ある文学者を早く見つけ、長く活躍させる事、また埋もれた文学者の再評価をする事、を挙げた。
 独力で全集を刊行した、小山内時雄・編「葛西善蔵全集」、梶野博文・発行「田畑修一郎全集」を挙げた。

 装幀家として、菊池信義の現在の活躍を教えてくれた。

 「読書の世界」では、ショーペンハウアー「読書について」の反語的論旨、ヘレン・ハーフ「チャリング・クロス街84番地」の古書店主と文学者の数十年の文通、草森紳一「本の読み方」では農耕民族として、秋ではなく、雨の日、冬の季節の読書を勧めている、と教えてくれた。
 読書は精神を衰えさせず、作品を生き残らせる方法だと締め括った。