谷川俊太郎 詩選集 4
 今年1月21日の記事、谷川俊太郎「62のソネット+36」kindle版を読む、の末尾に書いたのだけれども、1月20日に「谷川俊太郎 詩選集 4」kindle版をタブレットにダウンロードした。
 集英社e文庫、2016年10月31日・刊。15冊の詩集よりの選出と、未収録詩・2編より成る。編者は田(ティアン)原(ユアン)、1965年・中国生まれ、現在は城西国際大学で教鞭をとる。
 ずいぶん、がっかりした。5音句、7音句を多用(抽象的な事柄で多い)して、5音句・7音句の自動記述法みたいである。言葉のない世界を描くが、沈黙ではなく、記述の果ての失語症のようである。
 名言が岩石の中の宝石のようにある。
 詩「空」より、「さびしさは甘えじゃない/さびしさはふたりで生きている証(あか)し」。
 詩「ルネ」より、「無口な詩人は野に隠れ/言い募る詩人ばかりが跋扈していた」。
 日本でただ一人、詩で食べている、プロの詩人だけれども、読者はどのような人だろう。