角川書店「増補 現代俳句大系」第14巻(1981年・刊)より、16番目の句集、小池文子「巴里蕭条」を読み了える。
 先の1月30日の記事、横山白虹・句集「空港」に次ぐ。
概要
 原著は、1974年、角川書店・刊。パリ在住の16年間の450句を、年代別順に収め、長い後書を付す。
 小池文子(こいけ・ふみこ、1920年~2001年)は、東京都に生まれ、画家の夫を追って渡仏、現地の人と再婚、パリに没した。
 石田波郷「鶴」同人、波郷・没後、森澄雄「杉」同人。
感想

 数少ない帰国を含め、フランス在住、外国旅行の句を成している。在外で季語を守り、鋭くとらえ、具体的な句風である。
 モロッコ、カサブランカを訪いて39句、またリビヤにしばらく住み、帰国した際には療養所・病床の石田波郷を訪ね、多くの句を成した。
 後書で「言葉は挨拶のために生まれたのではないだろうか。」と述べて、師、連衆、自身の地への挨拶として、句を作り続けた。
引用
 以下に5句を引く。
春寒やセエヌのかもめ目ぞ荒き
薄雪やカルチエ・ラタンに切手買ふ
初時雨いのちの灯りそめし身に
黄葉の冷えゆき霧の遊びそむ
夏萩や美濃への水にこぼれつぐ
(木曽路)
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。