永平寺キャンパス・講座

 5月25日午前10時より12時までの予定で、講座「福井が育む文学を訪ねる」第1回が、福井県立大学永平寺キャンパスの1室で催された。参加した文学の催しとして、今月20日の記事、荒川洋治さん芸術院賞・恩賜賞祝賀会以来である。
 講座開始前は参加者が少なく、淋しい会になるかと思われたが、定刻直前に聴講者が続々と集まり、定員30名を越え、後ろ部屋との仕切りを外し、机・椅子が2列、追加された。
第1講座
 三方郡美浜町よりおいでの、民俗学者・詩人の金田久璋さんによる、「文学に見る若狭・越前の民俗世界」。
 福井県の成立から説き、越前が若狭を低く見る風潮を批判する。
 また山の神・田の神を祀る風習、土葬、まじないの言葉等を紹介し、AIの時代に昔からの民俗が消えて行く事を嘆いた。

第2講座
 時間が押して、11時15分頃より、定道明さんの講座。「福井の文学者達 ~下からの目線と経験主義~」。
 水上勉が自伝的文章「土を喰う日々」「私の履歴書」でも明らかにしなかった事で、生家跡などに立つと、判る事と想像される事がある、と述べる。生家の小屋が墓地の隣りだった(墓地は普通、人家を離れて造られる)事が判り、9歳で寺に預けられたのは「口減らし」のためと想像される、と述べた。
 中野重治の「空想家とシナリオ」の1部を挙げながら、転向後の彼を「プロレタリア文学者」と1括りにしないでほしい、彼は第3の道を模索して苦闘したと、中野重治・研究家らしい言葉だった。
 浜口国雄の詩「便所掃除」、岡崎純の詩「田螺考」を挙げて、福井県出身の文学者の、下からの目線を説いた。
 12時半頃に、第1回の講座を了えた。楽しみにしていた県大レストランは、休日には開いていなかった。