思潮社・現代詩文庫242「続続 荒川洋治詩集」より、5番め「詩集<心理>から」6編を読む。
 先行する同「詩集『空中の茱萸』から」を読む、は先の9月24日の記事にアップした。

 

 「宝石の写真」は、秩父困民党事件(1884年、明治17年)の崩壊後の指導者の逃亡地(郵便番号付き地名あり)と、島崎藤村「夜明け前」のモデル・青山半蔵と、現代の縦笛を習う2女性の会話と行動とを、交えて描く。連分けで分けてないので、注意して読まないと、わからなくなる。「縦笛の練習/銃撃はきょうも続く」など、ストーリーのまじわる部分がある。

 「こどもの定期」は、「寒山拾得縁起」を書く森鴎外と、朝鮮からの国費留学生・李光洙と、都内OL・岩間宏子が「新・新小説」を定期購読する話と、3つが入り混じっている。

 「話」は、明治32年の尾崎紅葉の文学口演(日本最初の文学講演)を描く。参加者に現代詩作家が「冷えてゆけ 何もかも冷えてゆけ」と告げるのが何故かはわからない。

 彼の詩が明治時代に飛んだり、丸山真男の学究主義へ傾く(詩「心理」)のは、理由があるのだろう。
0-71
写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。