青幻舎の文庫版「北斎漫画」(全3巻)より、第3巻「奇想天外」の第4章「神仏風姿」を見了える。
 同・第3章「百鬼図会」は、今月12日の記事にアップした。



 「神仏風姿」は196ページ~244ページの、49ページに渉る。
 釈迦の小さな図より始まり、空海の図などを交え、~尊者と称される僧の図が10程載る。
 狐に乗るダキニ天、字のごとく稲を担う稲荷大明神、日本神話の猿田彦太神、天臼女命(アメノウズメノミコト)等、ググってみると面白い。大苫辺尊、大戸之道尊も、同様である。ググるとWikipediaに出て来る。手置帆負命、天彦狭知命、共に神話で当時の庶民にも知られていたのだろう。
 三面大黒天、武士に信仰のあった摩利支尊天、刀八毘沙門天、魚濫観世音、正八幡大菩薩、など当時の信仰を集めたのだろう。
 連歌・俳諧の宗鑑、一休禅師の図もある。維摩居士、達磨(?)の面壁の図がある。風神雷神の図は俵屋宗達の風神雷神図に及ばない。和合神を仕舞いの図とする。
 最後に「而尾」の文字が掲げられ、終末、フィナーレの意味らしい。北斎漫画15冊の結着である。

 この本には、後に各冊の序文を収め、蜀山人、式亭三馬、柳亭種彦、など見たことのある名前もあるが、褒め上げる挨拶文を出ないので、ここでは取り上げない。これで青幻舎の文庫版「北斎漫画」の紹介の仕舞いとする。
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。