東京外国語大学短歌会の歌誌「外大短歌」10号を読み了える。
 到着は、今月19日の記事、入手した3冊を紹介する(6)にアップした。リンクより、過去記事へ遡り得る。



外大短歌10号
 第10号は、2019年11月24日・刊。B6判、66ページ。同・9号のA5判より小さい。短歌の形式には合うが、散文にはきついようで、K・いづみさん、I・美南さんへのインタビュー2つは、別刷りA4判両面4枚となっている。

 現代風な歌も古風な歌もこなす会員、文学好きの独特な感慨、自己愛が素直に出た歌、忙しい女性としてのOGの連作、変革を待つOBの歌、など興味深い。
 OB・OGへのインタビューも、社会人歌人への関心を読める。
 OB、OGへの招待、ゲストへの招待が多いことは、歌誌発行を文学運動の1つと読むとき、納得できる。
 大学短歌会は最近盛んであり、ツイッターで発信している会もある。また角川文化振興財団が毎年、大学短歌会バトルを開き、競わせていることも、原動力の1つだろう。内容は角川「短歌」に載る。


 以下に7首を引く。
コンソメスープに胡椒かけるの忘れたけれど君もきにしていないしいいや(K・やかん「器も白」)
終電に乗って帰ってお吸い物三つ葉の色が変わらぬ内に(同・上)
啄木を蟹・砂・死ねしか分からない程度のやつらで海に行くのだ(S・龍「連中と我々」)
赦されることなきものを罪と呼ぶあなたは好きなだけ悔いなさい(Y・周「犬を落とす」)
アーモンドオイルを脚に塗りたくる大事なものには油を塗るの(N・かれん「海は苦手だけどやって来た」)
髪型といふべき型の既になく牛蒡の束のやうなるを曳く(I・美南「深夜に怒る」)
腕捲りをして待っているこの秋がやがて真秋に倒るるその日
(K・隆希「真秋」)