角川書店「増補 現代俳句大系」第15巻(1981年・刊)より、11番めの句集、堀口星眠「営巣期」を読み了える。
 先行する成田千空・句集「地霊」は、先の1月23日の記事にアップした。




 原著は、1976年、牧羊社・刊。676句と、著者・あとがきを収める。
 1958年~1976年の句を、年代順に収める、第2句集。
 堀口星眠(ほりぐち・せいみん、1927年~2015年)は、医学博士、開業医、クリスチャン。
 水原秋桜子に師事、高原俳句の中心となり、秋桜子・没後の1981年「馬酔木」の主宰となるも、1984年「橡」を創刊して、「馬酔木」主宰を辞す。
 鳥たちと草木を吟じ続けて、清新である。医師であった事、クリスチャンであった事は、句作に良い働きをしたのだろう。
 以下に5句を引く。
黒曜の鶫ひそめり谷卯つ木
夜鷹鳴き硫気にゆらぐ星ひとつ
森番に飼はれ夜を鳴く虎鶫
郭公やそよ風わたる幼髪
頬赤の鈴割れごゑや秋立つ日
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写真ACより、「ケーキ」のイラスト1枚。