総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2021年3月号を読み了える。
 入手は、先の2月17日の記事、入手した4冊を紹介するにアップした。


 同2月号の感想は、1月29日の記事にアップした。


歌壇2021年3月号
本阿弥書店
2021-02-13

 特集は、震災詠から見えてくるもの—東日本大震災から十年、である。
 先日に県立図書館へ行く用があって、雑誌コーナーの思潮社「現代詩手帖」、「短歌研究」、角川「短歌」の各3月号をちら読みしたのだが、いずれも東日本大震災10年の特集で、お祭り騒ぎであった。出版社の「売らんかな」魂を見せつけられるようで、かなり引いた。時事詠、社会詠を越えた、扱いだった。
 巻頭作品4名では、佐佐木幸綱「おれせんぐらふ」が、危機感のなくコロナ禍を4首詠んでいるのみで、愛犬テオとか、日常の倦怠を詠むのみのようだ。
 連載の、平成に逝きし歌びとたち、は竹山広である。僕は彼の全歌集(没後・版)を読んだのだが、後に処分してしまった。惜しい事をした。迫力のある歌群である。旧ブログ「サスケの本棚」に1歌集ずつアップした。


 例によって、作品欄の末の、作品7首より、2首を引く。
もう一度会ひたき人は二、三人車窓の遠くに職場が見える(上田明)
このように表舞台を去るのだと色寂びて立つ曼殊沙華の列(木下のりみ)