A・幸代さんの年刊個人詩誌「野ゆき」vol.11を読み了える。
 到着は今月2日の記事、2冊と1紙が届く、にアップした。


 リンクより、過去号の記事へ遡れる。

「野ゆき」vol.11
 「野ゆき」vol.11の表紙である。発行者名は、ブランクにしてある。
 「返事して」、「満月」、「亀」、「焼き芋」、「友よ」の5編の短詩を収める。
 「返事して」は、見失ったメガネ、ケイタイ、鍵などが、呼んだら返事してくれる機能を備えるよう、願う内容である。ITの進歩で、実現しそうである。
 「友よ」は、10数年前に亡くなった、異性の友を偲ぶ。「私のほうが憎まれっ子だったか」ほか自省的である。優しく、清潔で、かつ行動力のある彼女の、1面が知られる。
 了解は得ていないけれど、「満月」という、全6行の作品を引く。

  満月
   A・幸代

あれまあ満月は
過ぎちまったのかえ
あんなに待ってたのに
しばらく雨続きだったから
仕方ないけど

空は薄情だよねえ

 満月は、人生の盛りを表すのだろうか。盛りの時期を、煙って過ぎた人を、憐れむのだろうか。僕の場合は大丈夫である。紙の詩集を最近出版していないが、ネットで活動し、Kindle本を何冊か出版し、次の目標も次の次の目標もある。
 11号に至る、着実な歩みを続ける年刊個人詩誌「野ゆき」の、次の号を待ちたい。