本阿弥書店の総合歌誌「歌壇」2021年4月号を、ほぼ読み了える。
 到着は先の3月20日の記事、届いた3冊を紹介する(11)にアップした。


歌壇2021年4月号
本阿弥書店
2021-03-13

 特集は「連作の組み立て方」だけれども、僕には連作を発表する機会がほとんどない。短歌の賞に応募しないし、同人歌誌、支部歌誌にも属していない。アメブロ「新サスケと短歌と詩」に連作発表の場はあるが、まとめにくい。
 今は危機感の時代を過ぎて、静かな危機の時代だと思う。怒りも嘆きもなく、未来は見えない。
 柳澤美晴の20首連作「石鹸まみれの星」に好い歌があった。
鎖骨のあはひにダイヤは耀けり急所は此処と告げるかのように
 女性らしい、死を賭けた恋への憧れを、詠むようだ。字余り字足らずは多いけれども。「ほっぺたをぱぴぷぺぷうとふくらませ天使も練習するか喇叭の」も優れたオノマトペを発見した。ぱ行の多用を含めて、秀歌である。
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写真ACより、「ビジネス」のイラスト1枚。