風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 お報らせです。2020年2月20日で以って、Kindle本・短編小説「底流」を自力発行致しました。原稿は自分で作成し、表紙はデザイナーさんにお願いしました。上梓は自力で行いました。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリで、「柴田哲夫 底流」と検索すれば、すぐに出て来ます。柴田哲夫は、Kindle版・詩集「詩集 日々のソネット」、「改訂版ソネット詩集 光る波」と同じく、僕のペンネームです。価格は500円ですが、Kindle Unlimited版を追加金無料で購入できます。多くの方のご購読を願っております。

読書

 谷崎精二・個人全訳「ポオ全集」(春秋社)第2巻より、2回めの紹介をする。
 同(1)は、先の6月21日の記事にアップした。



 今回に読んだのは、「ウィリアム・ウィルスン」1編である。51ページ~77ページの、27ページ分とやや長い。
 ウィリアム・ウィルスンが、寄宿舎学校時代より、同姓同名の同じ日生まれの人物から、自分の芳しからぬ手段での成功を妨げられ続け、年を重ねてから決闘で相手を倒す。しかし血塗れで死にそうなのは自分で、もう一人は自分の分身だったというストーリーである。
 谷崎精二は後記で、スチーブンソンの「ジキルとハイド」に比べられるという。しかしこの短編は、別人物に成り代わる二重人格の話ではない。
 ドストエフスキーの「分身」に想を得たのではないかと思われる程(当時のポオが「分身」を読める環境だったかは判らないが)、同姓同名の人物によって主人公が困窮する設定は似ている。



 また日本の戦後作家・梅崎春生もその全集・第2巻の函の帯で、種村季弘に「この作家はたえず分身幻想につきまとわれていた。」と書かれる程、主人公に似る服装・境遇などの人物との、ストーリーを繰り返し描いた。今の僕に記憶はあるが、例に引けるのは「服」のみである。


 ポオの場合、大酒と賭博で学校を追われ、後も酒に苦しんだ生活を、告白ならぬ幻想的小説へ高め得た。
男性二人 2等身男性
写真ACより、イラスト1枚。




 学研カメラムック「最新デジタル一眼 超入門 実践編」Kindle Unlimited版を読む。
 先行する同「同 超入門」は、今月26日の記事にアップした。



同 実践編
 実践編は、先行書よりも、撮影の実践について、詳しく解説している。
 僕もレンズの55㎜MCプロテクターと、液晶モニターの専用フィルムを買った。
 カメラバッグに、妻の革のバッグのお下がりをもらった。柔らかくて、傷が付きにくいようだ。乾燥剤を入れてある。
 液晶モニターは昼光下、暗くなって自分の顔が映るくらいだった。専用ガイドブック「ソニーα6300 マニュアル」とも首っ引きで、明るさを「屋外晴天」にセットして直った。
 また露出補正は、絞り値、シャッタースピード、ISOの3つを調整するのではなく(それぞれ優先モードがあるが)、0・3EVごとに±5EVまで調整できるのだった。今はP(プログラム・オート)で撮っているけれども。
 実践編の末尾のカメラ用語解説が、入門者には有意義だった。

 花の写真ばかり撮って、インスタグラムのxinsasukeにアップしているので、ご覧ください。





 今月19日の記事、届いた5冊(2)で紹介した内、季刊同人歌誌「COCOON」Issue16を作品中心に読み了える。
 同・Issue15の感想は、先の3月29日の記事にアップした。



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 結社歌誌「コスモス」の若手歌人(1965年以降・生まれ)27名を同人とする。
 コロナ禍の歌も多く、僕の提唱した鳥瞰もならず、生活に目を向ける作品が多いようだ。
 発行人のO・達知さんの「非常ノ措置」12首では、飲酒・ストレスなどで、咳や麻疹が出たようで、現役世代の歌人が生き抜くのは楽ではない。
 育児中のK・絢さんは、育児・家事、仕事といそがしく、スマホ・ゲームに休息を得ているのか。
 若いI・祐風さんは、宗教に疑問的で、日本の現代政治にも反発するようになった。
 Y・恵理さんは娘さんが、愛知県の空港から成田空港へ異動した事を淋しがっている。娘さんは、勇んでいるようだが。


 以下に4首を引く。
柔らかい鉄砲玉のやうな子よ姉妹にさへも恋バナはせず(Y・恵理)
運動不足、飲酒、ストレス、そうそれだぶつぶつしてるふともものうら(O・達知)
偏食の多い孫だとわたくしは今やんはりと否定されをり(K・絢)
生れし国疑わずして愛してたでも今はもう「距離を置きたい」(I・祐風)

 なお初回は「Cocoon」と表記しましたが、誤りでしたので、「COCOON」に改めました。


 

 今月23日の記事、入手した5冊を紹介する(5)より、学研カメラムック「最新デジタル一眼 超入門」Kindle Unlimited版を、タブレットで読み了える。


最新デジタル一眼 超入門
 リンクでは、2012年・刊と書いたが、奥付けには2014年1月、ver.1、0発行とある。

 技術書のKindle版なので、全部を理解しなくとも良いだろう。
 僕がこの本で学んだ事は、4つである。
 メモリカードのフォーマットは、新しく入れた時、中古品のカードを入れる時のみ、念のために実行すれば良いこと。
 カメラ内の写真の、一斉削除の方法。判る前は、1枚ずつ削除していた。
 付属フラッシュの上げ方。
 タブレットでムック本などを読む時、拡大で(ピンチアウトでなく)読む。拡大したまま、ページを繰る時、全体をフリックしてもダメで、左端か右端をタップすれば、その方向に捲れる。気づくまで、1回ずつ縮小して、フリックしていた。
 露出補正は難しいので、後々の宿題としよう。
 構図論等は、フィルム式の一眼カメラを使った時(20年近く前)に少し学んだ。コンデジを使うようになってより、パソコンでの写真の修正、保存、記録、プリンタでの印刷も行えている。




 砂子屋書房・刊の「葛原妙子全歌集」(2002年)より、第7歌集「朱霊」を読み了える。
 第6歌集「葡萄木立」は、先の5月5日の記事にアップした。リンクより、関連過去記事へ遡れる。



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 全歌集の函の表の写真を再び挙げる。

 「朱霊」は、1970年、白玉書房・刊。715首、著者・後書を収める。
 前衛短歌の一人とされながら、僕にインパクトが少ないのはなぜだろう。戦争未亡人の森岡貞香ではなく、元・華族のプライドを秘めた富小路禎子でもなく、医師の妻に過ぎない。実質・厨歌に過ぎない作品もまじる。仮定の上の悲傷もある。
 稀に迫力のある幻視の歌、暗喩が決まった幻想の歌もある。
 啄木、「赤光」、「サラダ記念日」、「昭和万葉集」完読と進んだ僕は、後まで前衛短歌に触れる事が少なかった。生活の短歌しか詠めない由縁だろう。
 なお俵万智のライトヴァースは否定されたとされるが、僕には解せない。バブル期でなくとも、「かるみ」を目指す歌があって良い。


 以下に7首を引く。正字を新字に替えてある。
等身の鏡にあゆむ 現
(うつつ)よりふとたしかなるわれの足どり
夏澄むに悲痛せむかなあたらしき中国に老残の宦官ありとして
疾風はうたごゑを攫ふきれぎれに さんた ま、りぁ、りぁ、りぁ
南風の夜の月明水中に沈める死者は椅子に居りにき
犬などがことことと階段をのぼりゆくひたすらなるにわれは微笑す
昼しづかケーキの上の粉ざたう見えざるほどに吹かれつつをり
陽を着たる一人の男低丘を迂回する道いま登りゆく



 昨日の記事、入手した5冊を紹介する(5)より、かん吉のブログ本「ブログ・ブランディング」Kindle unlimited版を読み了える。概要の1部は、リンクでご覧ください。


ブログ・ブランディング
 僕は彼のブログ本、「人気ブロガー養成講座」、「ブログ運営×集客×マネタイズ」を読み、彼の提示する内、幾つかを実践し、いささかの効果はあったようだ。彼のブログ論に従って、うまく行かなかったのか、1部からは批判も浴びている。
 この「ブログ・ブランディング」では、ブログのブランド化を提唱している。すでに堀江貴文のYouTube記事で、しばしば奨められている。ブランド化の、E-A-T(専門性、権威、信頼性)を、僕は求めていない。僕はアマチュア文学界の遊撃手でありたい。
 またブログをアフィリエイトからの収益を上げる手段と(リアルでの展開を含めて)見做しているようだが、この「風の庫」には、僕の3冊のKDP本の広告しか載せていない。僕は発信欲の実現と、名誉回復を、求めている。


 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2020年7月号を、ほぼ読み了える。
 到着は今月19日の記事、届いた5冊(2)で報せた。
 同・6月号の感想は、先の5月24日の記事にアップした。リンクより、過去号の感想へ遡れる。




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 今号は、新型コロナウイルスに関わる歌が多い。緊急事態宣言、マスク問題は致し方ないとしても、トイレットペーパー、消毒剤、小麦粉までストアの棚から消えるという愚を演じた。主婦は止むを得なかったのであり、仕掛けたのはマスコミか業者か。

 巻頭20首では、俵万智の歌がすべて、コロナ禍に関わるものであり、災害に敏感だと思う。久しぶりに俵万智の歌に接して、発見はその事ではない。「多し」「しており」「ぬ」など、古語が混じる事である。今の若い歌人は、完全口語体を採っている人がいて、僕の歌もその方向を目指している。

 大松達知の「とおくとおく」20首では、「起きてた?と娘は言えり生きてた?と聞こえていたり肌寒き春」のように、現役労働者の苛酷さが伝わってくる。

 永田和宏・インタビュー「ウイルスとの向き合い方」は、生物学者・歌人の見解として有効だった。



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