風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 このブログを運営している新サスケが、2017年10月17日付けで、AmazonのKindle本、第4詩集「詩集 日々のソネット」(縦書き)を発行しました。著者名は、柴田哲夫(僕のペンネームの1つ)です。
 再任用・リタイア前後の、庶民の日々の悲喜哀歓を綴った4章48編と、巻末に哲学風小連作・2章7編を収めます。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリーで、「柴田哲夫 詩集 日々のソネット」と入力して検索してくだされば、即で見つけられます。
 また、ブログの右サイドバーの上部、アクセスカウンターの下に、Amazonアソシエイトのリンク画像「あなたへ詩集をAmazonで」を貼りましたので、画像をクリックしてくだされば、購入サイトへ飛びます。
 kindle版で540円(税込み)、kindle unlimited版も発行しています。よろしくご購入をお願い致します。

読書

 河出書房「ドストエーフスキイ全集」(米川正夫・全訳)第2巻(1956年・刊)より、短編小説「正直な泥棒」を読み了える。
 4月20日の記事、
「人妻と寝台の下の良人」に次ぐ。
概要
 初出は、1848年の「祖国雑誌」。
 官吏の「私」が、下宿屋の台所の隅を間借りするようになった、アスターフィの長い話を聞く設定になっている。
 アスターフィがましな生活をしていた2年前、エメーリャという、酒で身を持ち崩した男が住み着き居候の形になった。
 アスターフィが留守の間に、大事なズボンが無くなり、しばらく酒を飲めなかったエメーリャが酔っている。アスターフィはエメーリャを問い詰めるが、エメーリャは盗みを否定する。
 しかしエメーリャが体調を崩し、亡くなる間際に、ズボンを盗んだ事を告げる。
感想
 酒(や賭博)で、身を持ち崩し、破滅に近い様になる人物はいる。
 ドストエフスキーが好んで描いた、破滅に至る人物の一人である。
 もっとも罪の告白は、近い死を受容した時になされて、やがて安心して亡くなるパターンだと、僕は思っている。
 ドストエフスキーが身の窮まる人物を描くのは、その淵の近くまで行った、自身の経験があるからだろう。
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写真ACより、「ゲームキャラクター」のイラスト1枚。



デジタル読書の技法
 4月23日の記事「入手した6冊」の最後に紹介した、大山賢太郎「デジタル読書の技法」kindle版を読み了える。
概要
 2015年12月15日、電子書籍の窓・刊。
 著者には他に、デジタル読書関係の著書、3冊(いずれもkindle本)がある。
感想
 4月28日の記事、同氏の
「Kindleストアの歩き方」の感想では、あまり新発見が無いと書いた。
 しかし本書「デジタル読書の技法」では、多くの発見と確認があった。発見事項を箇条書きする。
1・左端の読書メニューの「移動」(Android版)より、位置Noによって、移動できる(位置Noの記録が必要のようだ)。
2・画面下の位置ナビゲーションバーの読書進捗バーにより、直近2つのページへ戻れる。
3・右上バーの検索欄(虫眼鏡マーク)より、語句検索ができ、検索一覧も表示される。語句検索を一瞬ででき、その語句の個所へ飛べる。
4・語句を長押しして、語句の辞書引きができる。
5・AmazonKindleというSNSサイトで、ハイライトやメモの公開・管理ができる(未確認)。
 もちろん、目次よりその章・節に飛んだり、ハイライトとメモ、ページ栞などのできる機能がある。
しまいに
 以上、いずれもリフロー型のkindle本の機能の事で、他の型の本では、使えない機能がある。
 また前書と共に、誤記が多く目に付き、ハイライトとメモを残した。優れたスタッフがいないものだろうか。
 この本はKindle本で、KindleUnlimited本ではなく、10冊の制限に入らないので、今後もタブレットに残して参照したい。




メゾンテリエ・他
 岩波文庫のモーパッサン・短編集「メゾンテリエ 他三篇」(河盛好蔵・訳)を読み了える。
 文庫本棚には、多くの文庫本が収まっているので、気の向いた1冊を、いつでも取り出せる。
概要
 1940年・初刷。1976年・16刷・改版。1991年・21刷。
 モーパッサンの短編小説、「メゾンテリエ」、「聖水授与者」、「ジュール伯父」、「クロシェット」を収める。
 戦前の翻訳に手を入れる事で、今でも読めて鑑賞し得るのは驚きである。翻訳者が、読み手の心に精しいのだろう。
感想
 訳者は解説で、「メゾンテリエ」をしきりに持ち上げるけれども、娼館のばか騒ぎにも、娼婦らによる信仰の奇蹟的場面にも、関心のない僕は、感心しなかった。
 「聖水授与者」は、5歳の一人息子を攫われた夫婦が、パリに出て捜し続け老い衰えて、偶然に息子を見つける結末となる。絵本か童話のような筋立てだが、苦しみの後の幸福は、涙ぐましいものがある。
 「ジュール伯父」、「クロシェット」は共に、貧しい者への憐みを描いている。
 モーパッサンは、このような作者であったかと、久しぶりに読んで、心地好かった。AmazonのKindleで、作品集が廉価に出ていないだろうか。


 福井県俳句作家協会「年刊句集 福井県 第56集」(2018年3月・刊)より、5回目の紹介をする。
 先の4月23日の記事、
同(4)に次ぐ。
概要
 今回は、106ページ~121ページの16ページ、31名の310句を読んだ。
 坂井地区(あわら市、坂井市)のすべてである。
感想
 この句集では、定型に収まった句が多い。戦後の1時期、あるいは前衛俳句に多かった(僕の少ない記憶では)、破調がない。
 また句風も穏やかな作品が多い。老後に穏やかな生を願う俳人が、多くなったのだろうか。
 人事を吟じた句が多く、人の関心が自然・景色よりも、人事に移って来た事が知られる。
引用
 E・寛子さんの「朝顔」10句より。
鰤起し一寸先はなまり色
 T・孝子さんの「七草粥」10句より。
豆飯や女どうしの昼の膳
 N・進さんの「秋の日」10句より。
電車待つ幼き二人夏帽子
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写真ACより、「おもてなし」のイラスト1枚。





トントングラム
 先の4月20日の記事、「歌集2冊をダウンロード(5)」で報せた内、尼崎武「新しい猫背の星」に続いて、伊舎堂仁「トントングラム」をタブレットで読み了える。
 Amazonの諸版の発行年次、価格は先の記事にアップしたので、ご参照ください。
概要
 伊舎堂仁(いしゃどう・ひとし)は、1988年沖縄県石垣島・生まれ。都内の兄の所に居候したりしたが、2014年・当時には石垣市・在住となっている。凱旋帰国したのだろうか。
 「トントングラム」は、娘が生まれたなら付けたい名前だという。重さの単位の「トン」と「グラム」からと、戸を叩く「とんとん」の連想と、僕は平凡に考えてしまう。
 歌集の末に、加藤治郎・解説「過剰なイメージと繊細な自意識」、著者・あとがきを付す。
感想
 読み始めた時、読み通せるか不安になった。ストライクゾーンの広い僕とはいえ、ボールになって読み尽くせない本はある。
 ただし引用のためにメモを取りながら読むと、読めてくる。
 彼は「おもしろい人」と思われたいらしい。たしかに異想があって、面白い。このままでは単発だが、彼の発展や、後続者があれば、「面白い」は続くだろう。
 この異想は、生活の違和感から、時にへたれ的に来るのだろう。多くの人が感じている事から来て、多くの人の関心を引いている。
引用

 以下に7首を引く。
花束へOLさんのする会釈 瞬間的で、でも確実な
「どう元気?こっちは凹を見間違い♡と思うほどに順調」
その単二電池で動くご立派なポエムはどうかしまってください
小4でティッシュに書いたゆいごんにねむいとだけありうんかわらない
くさいねとOKの指でつまむから鼻声になるあなたと暮らす
田と海にひとりもいない、いないからこんなにクラクションがならせる
新品の電池が弱り切れるまでつかっていたのですか 歯ブラシ



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