風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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読書

 今月6日の記事、入手した5冊(2)で紹介した内、しまいに置いた海河童・写真集「昭和記念公園」Kindle版を、タブレットで見了える
海河童 昭和記念公園
 正式名称は「Photo Collectin of 昭和記念公園 春・夏・秋・冬 一年中楽しい 昭和記念公園!」である。
概要
 海河童本舗・刊。Kindle版・0円。600ページ。
 2017年2月25日・初版、同年10月・第2版。
 初版257枚の写真に、第2版には42枚を足して、計299枚の写真を収める。
 昭和記念公園の四季ごとの花を主に、猫、昆虫等の写真が少し混じる。
感想
 自身は「しょせん素人」と謙遜しているが、花の写真のマニアではある。彼はダイビングのKindle本を多数出版し、海中写真の名手らしい(観てはいない)。
 素人とマニアとプロの差は、名作の出現率の差でもあると思う。
 花は元々美しいものだから、花々を普通に撮っても、感心されない。この中で、寒牡丹の写真が、藁傘も珍しく民俗性があり、最も美しい。
 チューリップの花の群落を、真上のアングルから撮った数枚があり、どういう態勢で撮ったのか、謎である。
 この本を、海河童さんのKindle本の販促品とすると共に、入門書として、0円本としたのだろう。
 横長の花等の写真が多数あり、タブレット端末でとても見やすかった。



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 山田詠美の短編小説集、「マグネット」を読み了える。
 彼女の小説は、昨年11月22日の記事、同「ラビット病」を読む以来である。

山田詠美 マグネット
概要
 単行本:1999年、幻冬舎・刊。
 幻冬舎文庫:2002年・刊。
 9編の短編小説を収める。
 山田詠美の本の記事が、2007年4月に出発した前ブログ「サスケの本棚」にも、2016年9月に引き継いだこのブログにも、初めのリンクの「ラビット病」以外はない。
 彼女の小説は、1985年のデビュー作「ベッドタイムアイズ」から、1990年の「熱血ポンちゃんが行く」あたりまでは、何冊か文庫本を読んだ記憶があるので、2007年4月・以前らしい。
感想
 いきなりだが、性行為を中心とする、男女の性の有り様について、品格と機知を伴って、洗練された9編が描かれる。ただし1人称小説が多い。
 山田詠美を「短編小説の名手」と評価する、評論家が現れたことも肯ける。
 黒人男性との性行為を描いて出発したイメージの強い、山田詠美の作家としての成長を読む思いである。ネタバレを書いていられないので、関心を持つ方へはご1読を薦める。もっとも、もっと荒々しい世界を描き続ける作品を期待する、僕もいた。
 彼女を見直して、後期の小説をもっと読みたい思いがする。


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 綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2019年7月号を、作品中心に読み了える。
 到着は、先の6月18日の記事、1冊と2誌が届くで報せた。
 同・6月号の感想は、先の5月25日の記事、同・6月号を読むにアップした。リンクより、関連過去記事へ遡れる。

刻のバトン 7 逢魔時 米川千嘉子
 優れた1首で、本冊の最も感銘した1首である。
特集・平成元年の歌集を読む
 僕が結社「コスモス」に入会したのは、1993年(平成5年、43歳)だった。俵万智の「サラダ記念日」(1987年、昭和62年)より、6年を経て(県内の同人歌誌の経歴・2年があって)、短歌結社に入った(今は「コスモス」を退会している)のである。
 平成元年には、作歌を始めていなかった。歌歴30年以内の読者は、当てにしていないのかと、無法ないちゃもんを付けたくなる。
 見開き2ページずつ紹介されている7歌集の内、3冊は読んでいるけれども。

私の本棚、私の1冊 7 永田和宏
 去年一年は「象徴のうた」の週一の連載があった、とか。反権力の闘士が、政府系の賞をほしくなったのかと、読まずに勘ぐりながら惜しむ。夫人の「河野裕子全歌集」が出ない不満もある。
巻頭作品二十首、他
 巻頭作品は年齢順、作品12首(10名)と作品7首(10名)は、作者名のあいうえお順に並ぶらしい。ここまでにする。
引用
 藤田正代さんの「小さな部室」7首より。
たった一つの台詞に母を招きたる演劇祭のカーテンコール
 高校演劇部での3年生の最後に、出演できたらしい。感傷的だが、喜びの歌である。



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 マンガ誌「家庭サスペンス」vol.10上巻に載った、暁龍さんのマンガ、「昔なじみが人のダンナを足代わりにする件」を読み了える。
 今年2月28日の記事、暁龍さんのマンガ3作品以来である。
 スマホよりスクリーンショットをブログにアップしようと悪戦苦闘したが、ショットが撮れない。そこでやむなく、スマホの画面を写真に撮って、アップすることにした。

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 まず電子版「家庭サスペンス」vol.10上巻の表紙である。8作品を収める。特集は「ありえない!非常識な女」。
 48時間レンタルで300ポイントだが、僕は日を経てブログ記事にアップする必要もあり、永久500ポイントを使った。

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 暁龍さん(あかつきりゅうさん)のマンガ、「昔なじみが人のダンナを足代わりにする件」の扉である。
 彼女はプロ・マンガ家、ブログ「あんこと麦と」のブロガー、インスタグラマー等として、ご活躍である。
 作品の中身は、高級官僚を夫に持ち自慢の親友が、内実は困窮してトラブルを起こしても、懲りないストーリーである。これだけでもネタバレかと恐れるので、関心がおありの方は、電子マンガ・サイト(僕はRenta!を利用。Amazon Kindleに540円であります。)でご覧ください。
 タブレットにもダウンロードしたので、時間があれば、他の作品も読み通したい。



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 石川書房「葛原繁全歌集」(1994年・刊)より、歌集編のしまい、「初期歌篇」421首と、栞の遺詠9首を読み了える。先の6月16日の記事、同「鼓動以後」を読む(4)に次ぐ。
 全歌集にあとは、「歌集別総目次」、「年譜稿」、「あとがき」、「編纂覚書」、「初二句索引」を収める。
概要
 「初期歌篇」には、第1歌集「蟬」以前に発表された、「新万葉集」掲載2首と、「多摩」掲載419首を収める。18歳~25歳の作を、発表年月号順に配列する。
 没後に全歌集の発行される歌人は、幸せである。
感想
 若さと共に、感受性ある、抒情的な歌群である。
 若さと、「多摩」の歌の傾向だけではない、豊かでもなく東京工業大学電気工学科に学ぶ負い目と、上京1人暮らしの淋しさがあったのだろう。
 従軍を経て、歌風は変わり、骨太だが苦渋の多い歌となる。この変化を読んでも、感受性を擦り減らした戦争が悪と知る。
 これでこの「葛原繁全歌集」と別れる。
引用

 以下に7首を引く。
水のごと心冴えつつ月夜来て板塀にひづむわが影は見き
下心(した)堪へむ想ひ苦しもみ冬づくポプラの梢空にきほへり
ストーブの燃えつぐ聞きて山の夜はそれのみに親し刻(とき)移りつつ(道後山登山行)
淋しさを弟は告げねど病室の壁にはなやぐ夕日を言ひぬ
燃え果てし命のきはみ知りしより学生われらことあげをせず(昭和17年)
先生と呼び申すさへ懼れつつ恃みまつりし師はすでに亡し(北原白秋・逝去)
学生生活の最後の夏に許されし十日の暇短く過ぎぬ
0-49
写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。




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 季刊同人歌誌「COCOON」Issue12を、ほぼ読み了える。
 到着は6月18日の記事、1冊と2誌が届く、で報せた。
 同・Issue11の感想は、先の4月3日の記事にアップした。リンクより、過去号の記事へ遡れる。
概要
 2019年6月15日・刊。ほぼA5判、87ページ。短歌作品欄は、1ページ1段、6首組み。
 結社「コスモス短歌会」の若手歌人(1965年以降・生まれ)を同人とする。代表:O・達知さん。
感想
 ソ連型社会主義崩壊後の資本主義は、労働者の生活や生命を顧みない、低賃金、使い捨て、殺人(過労死)さえ犯すものになった。単身赴任という、家庭を引き裂く使役が出た頃から、怪しいと僕は思っていた。僕は危うく立場的に、年齢的に逃れ得た。
 M・芙季さんの投げ遣りな心情、K・玲音さんの「だれよりも悲惨でいたい」と破綻的な心情が見られる。
引用

 O・淳子さんの「さみしくはないはずなのに」12首より。
降りだした雨にまじりて血の匂う懸命に生きることに疲れた
 懸命に頑張れば、利用されるだけで、成功に結び付かない、現状を知らされる。
 O・達知さんの「強気」12首より。
生きてゆくこころぐるしさ減らそうとあっち見ながらゴミ出しをせり
 「苦しさ」を感じるのは、比較する「楽さ」を知っている、比較的に年嵩の勤労者に多いようだ。
 
 このような時代に、短歌同人等の仲間、家庭に寄り合うなどして、生きるしかないのだろう。



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 ネットプリント俳紙「セレネッラ 第19号・夏の章」を紹介する。
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 昨年12月22日の記事、同・第17号以来のプリントである。

 メンバー3人の内の1人、金子敦さんの、6月15日・発の以下のツイートを、偶然見つけた。



 6月17日(第3月曜日)の用の途中に、ローソンへ寄って、多機能コピー機より引き出して来た。カラー、A4判、60円。ネットプリントの手順がややこしくて、途中2回戻ったけれども、無事にプリントできた。

 金子敦、中山奈々、中島葱男の3名が、それぞれ6句を出句し、写真俳句として1枚の写真より、エッセイに1句を付して出稿している。写真俳句も趣きがある。

 3名の6句ずつより、1句を引く。
海月 金子敦
 緑陰に憩ふ白衣の実習生
海 中山奈々
 ポテサラに塊のなき昼寝かな
夏空 中島葱男
 英国数早弁体育若葉風


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