風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

読書

 結社歌誌「コスモス」2017年2月号より、「COSMOS集」を読みおえる。
 先行する記事の、
同・「その一集」特選欄は、1昨日の記事にアップした(リンクは、後日の読者のため)。
 「COSMOS集」は、入門の「その二集」と、それに次ぐ「あすなろ集」の、特選欄である。
 若い人の恋歌や、還暦を過ぎての幸せの歌がある。名前の後に*マークの付く、新仮名遣いの会員も多い。
 歌歴が若く、総じて歌に勢いがある。
 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。「あすなろ集」特選の、S凉子さんの「復習ひつつ行く」5首より。
暮れ方の遊歩道には人気なくバタフライの手を復習(さら)ひつつ行く
 人気はなくとも、健康のために泳ぐバタフライの手を復習いつつ歩むのは、おおらかな方なのだろう。
022
「写真AC」より、チョコレートの1枚。多くの男性の意を表して。


 

 結社歌誌「コスモス」2017年2月号より、「その一集」特選欄を読みおえる。
 
先行する同「月集」の記事は、1月26日付けでアップした。
 「その一集」特選欄は、9選者×各5名×各5首の、計225首である。
 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。Y・アヤ子さんの「あらうことか」5首より。
夫逝きて四年を過ぎぬ平常心取り戻ししか衝動買ひ止む
 言葉の流れは良くないけれど、微妙な心理を捉えている。
 僕もストレスか、本を衝動的に買う事があるけれども、衝動買いとして意識して買う訳ではない。
 「これを逃がしたら機会がない。今なら支払える」とか、「これは安い。売り切れれば、古本はプレミアムがついてしまう」とか、理由を付けて買っている。この状態が危ないのだろうから、戒めねば。
白鳥8
「Pixabay」より、白鳥の1枚。



CIMG9274

 「茨木のり子全詩集」を、今月14日の記事で離れた。まとめの記事を書く手もあるが、詩人の生涯を、全詩作を、10行や20行でまとめるのもおこがましく、そのままである。
 詩集として、替わりに青土社「吉野弘全詩集 増補新版」(2015年2刷)を出して来た。函(写真はその表)、帯、本文1055ページに11詩集、他を収める。「夢焼け」以降の詩画集、写真詩集の作品は、収められていないようだ。
 この本の購入は、前ブログ「サスケの本棚」の管理画面からの検索に拠ると、2015年6月20日の記事で、楽天よりとある。
 第1詩集「消息」は、1957年、谺詩の会・刊。20編を収める。詩人31歳の時。
 「さよなら」の末連の「ききわけのよい/ちょっとした道具だった。/ちょっとした道具だったけれど/黒枠の人は/死ぬ前に/道具と さよなら したかしら」と、サラリーマンの苦しみと哀れをうたった。
 ほとんどがその志向の作品と、生の意義を問う作品だ。今となっては、正論過ぎる(当時は正論でなかったかも知れないが)。「不合理ゆえに吾信ず」(埴谷雄高のアフォリズム)を知る者に、信じがたい。
 自身、「雲と空と」で、「…どこまでも/はてのない青さで/やさしく つきそってゆく/空。//空の/いつわりのやさしさ。」と、偽りの優しさである事を、感づいていたようだ。


CIMG9239
 砂子屋書房・現代短歌文庫127「続 森岡貞香歌集」(3歌集全編+歌論・エッセイ)より、3番めの歌集「敷妙」を読みおえる。
 先行する
歌集「夏至」は、今月18日の記事にアップした。
 原著は、2001年、短歌研究社・刊。
 この「敷妙」は、年次的に「夏至」に次ぐ第8番の歌集であり、また森岡貞香(1916年~2009年)の生前最後の歌集である。没後、3歌集「九夜八日(ここのよやうか)」、「少時(しばらく)」、「帯紅(くれなゐ帯びたり)」が、いずれも砂子屋書房より出版された。(Wikipediaに拠る)。
 「敷妙」には、破格というより乱調の歌も少し交え(例えば「死ぬるにも何なさむにもなすことのなきと言ひさしてねむりし」では、下の句(77)の切りようもわからない)、逝いた母(同居していた)を詠うなど、優れた作品を多く収めた。
 この文庫には後、13編の歌論・エッセイを残すのみである。
 以下に7首を引く。


続きを読む

CIMG9265
 講談社「日本の天然記念物」(全6巻)より、「4 植物Ⅱ」(1984年・2刷)を見おえる。
 
同「3 植物Ⅰ」は、昨年9月11日の記事にアップした。
 なぜ次の本が傍らにありながら、ページを繰らなかったかは、テーマが「樹木の群落」だからだった。僕は希少種、絶滅危惧種を見たかったので、原生林など植生にはあまり関心を持てなかった。
 しかし次へ進むべくページ(A4判よりやや大きい)を繰ると、花木の写真が目を惹いた。
 橡平(とちだいら)サクラ樹林(新潟県)、ヒトツバタゴ自生地(愛知県)、吾妻山ヤエハクサンシャクナゲ(福島県)などである。
 それにサキシマスオウノキ群落(沖縄県)の板根、縄文杉(鹿児島県屋久島)などが怪異だった。
 次の「5 植物Ⅲ」は、「巨樹・名木」がテーマなので、個々の樹の様を楽しめるだろうか。



 角川書店「増補 現代俳句大系」第11巻(1982年・刊)より、7番めの句集、百合山羽公「故園」を読みおえる。
 先行する
相馬遷子「山国」は、今月21日の記事にアップした。
 原著は、1956年、故園刊行世話人会・刊。487句、後記を収める。
 百合山羽公(ゆりやま・うこう、1904年~1991年)は、初め「ホトトギス」に入るが、水原秋桜子と共に去り、「馬酔木」第1期同人となる。
 第1句集「春園」(1935年・刊)に次ぐ「故園」では、1931年~1949年の「帰雁抄」、1950年~1952年の「鬼灯抄」、1953年~1956年の「海鳴抄」の、3章を立てる。
 敗戦の1945年は、第1章に紛れ込んでいる。衝撃と苦しみは、後に来たのか。
 すべて「鬼灯抄」「海鳴抄」より、5句を引く。
鬼灯よ父はとしどし弱き父
水を汲み火を焚く母に春眠す
髪高く結はれて嫁ぐ巣燕に
燕きて家人の声にさゝやけり
綿虫をつれて夕餉にかへりくる

白鳥7
「Pixabay」より、白鳥の1枚。



 結社歌誌「コスモス」2017年2月号より、作品欄の巻頭の「月集」を読みおえる。
 
同号の到着は、1月20日付の記事にアップし、僕の作品へのリンクを張ってある。
 「月集」は、2つに分かれる。
 その「月集スバル」(選者、選者経験者の欄)は、「今月の四人」とそれ以外に分け得る。
 次ぐ「月集シリウス」は、「月集シリウス特別作品」(12名)と「月集シリウス」通常欄に分かれる。
 「その一集」の僕は、「月集」の作品をお手本にしたいのだが、僕には無理なのだろうか、判らない。
 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。「月集シリウス」より、カナダ在住のS・紀子さんの5首から。
わが歌集読みし息子のコメントは「オレの出番はあまりないねえ」
 僕はこの歌集「カナダの桜」を頂いており、昨年9月16日付けの拙い記事を書いた。
 2人の息子さんと1人の娘さんは、時おり登場し、微笑ましかったと記憶する。
 モデルにされる事を嫌う妻とは、大きな違いだ。
白鳥4
「Pixabay」より、白鳥の1枚。



↑このページのトップヘ