風の庫

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俳句

 福井県俳句作家協会の年刊句集「福井県 第55集」(2017年3月・刊)より、5回目の紹介をする。
 
同・(4)は、今月16日の記事にアップした。
 今回は、118ページより135ページまで、18ページ、35人の350句を読んだ。坂井地区(坂井市、あわら市)のすべてである。
 この短詩型に営々として励んで、新風を出すのは、並み大抵の事ではないだろう。句稿より、多くの句を捨てるとしても。
 以下に3句を引く
 H・圭子さんの「越の野」10句より。
暮れてなほサーファー挑む冬の波
 O・清女さんの「こんな1年」10句より。
犬連れて何時もの道を夏帽子
 S・潤子さんの「春寒し」10句より。
着膨れて子に逆らわず従わず
 今回も女性3人からの引用だった。
 次は奥越地区(勝山市、大野市)に入る。
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写真ACより、フラワーアレンジメントの1枚。


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 福井県俳句作家協会の「年刊句集 第55集」(2017年3月・刊)より、4回目の紹介をする。
 
同・(3)は、今月12日の記事にアップした。
 今回は、92ページより116ページまで、25ページの、49名490句を読み了えた。
 これで福井地区(福井市、吉田郡)が終わり、次は坂井地区(坂井市、あわら市)へ進む。
 華やかでなくとも、地味な句にも滋味はある、とこのごろ気づく。
 以下に3句を引く。
 K・喜代子さんの「六月の花嫁」10句より。
扇風機スイッチオンや猫反応
 I・和加子さんの「花の雲」10句より。
春浅し礎のみの館跡
 T・和子さんの「子どもの句」10句より。
三代の雛預かりし身の重さ
 今回も女性3人の句の抽出となった。それぞれの感慨が伝わって来る。
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写真ACより、フラワーアレンジメントの1枚。



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 福井県俳句作家協会の年刊句集「福井県 第55集」より、3回目の紹介をする。
 
同・(2)は、今月5日の記事にアップした。
 今回は、62ページ~91ページの30ページ、60名の600句を読み了えた。
 年間アンソロジーで1人10句は、妥当であり、県短歌連盟の「福井短歌」で1人5首なのは、少な目だろう。
 文学的才能の偏りという事があって、現在は俳句が盛んだから、文学創作に関心のある人が、多く俳句に偏っている気がする。たとえばスポーツで、サッカーが盛んだと、運動神経の良い若者が野球へ行かない事があった。僕の僻みかも知れない。
 前回、地区別の所属ごとに氏名のアイウエオ順に載ると書いたが、そうではないようだ。所属ごとまでは合っているが、その後の順はわからない。
 レベルが高いというか、僕の好みの句風のグループもある。
 以下に3句を引く。
 M・康子さんの「懸崖の菊」10句より。
さくら草母が覗けば児がさわる
 Y・一子さんの「初茜」10句より。
母の帯締めてみようか初茜
 K・せつさんの「冬瓜」10句より。
難題を引き受けている海鼠かな
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写真ACより、フラワーアレンジメントの1枚。





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 福井県俳句作家協会の年刊句集「福井県 第55集」より、2回目の紹介をする。
 
同・(1)は、先の4月22日の記事にアップした。
 今回は、32ページより61ページまで30ページ、60名の600句を読み了えた。
 役員と名誉会員・参与を除く一般会員の句欄は、福井地区(福井市・吉田郡)、坂井地区(坂井市・あわら市)など、8つの地区に分け、地区内でほぼ所属ごとに分けて、氏名のアイウエオ順に並ぶ。表記などに混乱がなくて、読みやすいようだ。
 このアンソロジー句集への400余名の参加は、県の詩の「詩集ふくい」、短歌の「福井短歌」の参加者の数を、遥かに越えている。
 俳句の国際化を背景に、俳壇の競争・団結があるのだろう。勢いのある所、量の増大とともに、質の向上がある。
 今回に、僕が付箋を貼ったのは、次の3句。
 N・陽子さんの「卆業」10句より。
黒板に卒業までの日数入れ
 O・紀子さんの「吾亦紅」10句より。
昼休み群れて何処かへ新社員
 O・友江さんの「天気占ひ」10句より。
炎昼に豆腐屋得意先回る
 3名とも、女性の俳人となってしまった。
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写真ACより、フラワーアレンジメントの1枚。


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 福井県俳句作家協会の事務局より送って頂いた、年刊句集「福井県 第55集」を読み始める。
 同書の入手は、今月4日の記事
「届いた2冊」にアップした。本書の写真のアップは、今回きりとする。
 今回に僕が読んだのは、顧問・会長を初めとする役員35名と、名誉会員・参与20名の各10句、計550句である。
 これから30ページずつくらいに分けて、ここで紹介したい。
 さすが新しさを求め、情に分け入り、ときにユーモアを醸す。
 以下に3句を引く。
 I・秀雄さんの「終戦忌」10句より。
前をゆく櫓の音を追ふ舟遊
 M・和枝さんの「城淑気」10句より。
直線の十里街道夏つばめ
 K・逸子さんの「俳句の種」10句より。
大根蒔く俳句の種も蒔いておく



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 角川書店「増補 現代俳句大系」第11巻(1982年・刊)より、12番目の句集、星野立子「実生」を読み了える。
 先行する
岸田稚魚「負け犬」は、今月8日の記事にアップした。
 原著は、1957年、玉藻社・刊。虚子の序、548句、虚子の跋、自跋を収める。
 星野立子(ほしの・たつこ、1903年~1984年)は、虚子の次女であり、父から期待されたようだ。
 素直、平明、軽やかな句風とされる。父の保護も厚かったが、父の面子を汚してはならない、という思いも強かっただろう。
 さりげない句材を選んだのは、生い立ちと共に、それが1因かも知れない。
 以下に5句を引く。
静かなる日向ぼこりをさまたげじ
わが庭の紅梅よしとききて病む
藤椅子に女こしかけ踵たて
朝寝して吾には吾のはかりごと
時雨るるや話し残せしこと文に

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写真ACより、ケーキ・イラストの1枚。




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 角川書店「増補 現代俳句大系」(全15巻)の第11巻(1982年・刊)より、11番目の句集、岸田稚魚「負け犬」を読み了える。
 先行する、
富安風生「古稀春風」は、先の3月15日の記事にアップした。
 原著は、1957年、近藤書店・刊。石田波郷・序、568句、著者・後記を収める。
 岸田稚魚(きしだ・ちぎょ、1918年~1988年)は、石田波郷の「鶴」に投句、1968年「塔の会」結成、1977年・俳誌「琅玕」創刊・主宰。
 若くして結核に苦しみ、結婚、子を成した。旅行吟が賞賛されたけれども、僕は賛同しない。
 句境は句集のたびに深化したが、一貫して感覚的な「細み」の作風とされる。
 以下に5句を引く。
かげろふは焦土ばかりや西行忌
雨風や瓦礫に生(あ)るる蝸牛
隙間風驚き合ひて棲みつかな(娶り滝野川に移る)
春愁や身籠りの腹美しき
入学の日の雀らよ妻と謝す
チューリップ4
Pixabayより、チューリップの1枚。



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