風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

インタビュー

 まだ購入を報せていなかったけれども、文春文庫「羽生善治 闘う頭脳」(2017年・6刷)を読み了える。
 8月27日に、メルカリの380ポイントで注文した。

闘う頭脳
 今月2日の記事、羽生善治「決断力」を読む、で僕は疑問を感じるようになったと書いた。
 それなのになぜ読んだかといえば、この本は音楽のリスペクト盤CDみたいなもので、ゴーストライターの入る余地は少なく、インタビュー、他棋士の寄稿、対談、エッセイなどを集めた本だからである。
 谷川浩司を目指し、森内俊之、佐藤康光、藤井猛、郷田真隆、深浦康市ら、ライバルと共に、盤上で闘い続け、様々な要点を掴む様が描かれる。
 対局は、勝負というより、棋力の向上、棋理の究明につながる事として指される。
 対談で、引退要因などを訊かれるが、どのような時と明言していない。同世代が盛りを過ぎるなか、彼の孤独な闘いは続くだろう。


IMG_20190705_0004
 今月6日の記事、入手した5冊(2)で紹介した内、4冊めの記事アップである。
 季刊誌「考える人」(新潮社)2010年夏号より、「特集 村上春樹 ロング インタビュー」のみを読み了える。
 「考える人」は、2002年7月・創刊、2017年春号(第60号)で休刊した、ハイセンスな雑誌である。雑誌として大判で、ほぼB5判である。この号には、養老孟司の対談、内田樹の対談、花森安治伝なども載っていて、関心を寄せる人もいたが、僕はCPを考えると読めない。

 インタビューは、聞き手・松家仁克で、2夜を挟んで3日間に亘っておこなわれた。インタビュー集「夢を見るため毎朝僕は目覚めるのです」に収められていない。時期的に遅れたか、内容の重複に由るのだろう。
 あいかわらずの村上春樹・節である。社長の成功談にも聞こえる。当時は(今は知らない)絶大な読者数、特に海外ファンを誇っていたから、自信も肯える。
 これまでと繰り返しの話も多いのだが、アメリカの翻訳者や編集者と親しくなった件りに、心惹かれた。
 長編小説の最新作、「騎士団長殺し」には感心しなかった僕だが、次の小説の刊行を待っている。



 

 最近に入手した5冊を紹介する。今年の2月26日の記事、入手した5冊以来である。
IMG_20190705_0001
 楽天ブックスより、綿矢りさの小説「手のひらの京(みやこ)」(新潮文庫)を買った。わずかだが楽天ポイントが溜まったので、それを含めて。ポイントを長期的・大量に溜められないタイプ(1部では違うが)の僕である。
 話題になった「蹴りたい背中」も、文庫本棚にある筈だが、どこにあるか判らない。

IMG_20190705_0002
 思潮社の現代詩文庫で、「続々 荒川洋治詩集」が出た(2019年6月15日・刊)ので、A・雨子さんを誘って共に、Amazonより買った。表紙画像はテカリを防ぐため、ビニール・カバーを外してスキャンした。
 初期詩集「チューリップ時代」、「荒川洋治全詩集」、詩集「北山十八間戸」他を、読み了えたのち、処分してしまった。現代詩文庫で「荒川洋治詩集」、「続 同」、「続々 同」が手許にあるのみだ。

IMG_20190705_0003
 詩人会議系の「水脈の会」から、詩誌「水脈」65号が届いた。新規会員・若干名、復帰会員・若干名があり、喜ばしい。
 時にはここで辛口の感想を述べるのに、寄贈してくださって、有り難いことである。

IMG_20190705_0004
 フリーマーケット・サイトのメルカリから、季刊誌「考える人」(新潮社)2010年夏号を、500ポイントで買った。表紙写真でおわかりの通り、「村上春樹 ロング インタビュー」が載るからだ。
 2010年、文芸春秋・刊のインタビュー集「夢を見るため毎朝僕は目覚めるのです」に収められていない。あるいは単行本・未収録かも知れない。

海河童 昭和記念公園
 昨年7月14日の記事、さるでもできるKindle電子出版2018の著者、海河童さん(さん付けは、電子出版が副業なので)のツイートをフォローしたところ、ダイレクトメッセージが来て、ただいまKindle本・写真集を無料セール中ということで、「昭和記念公園」をAmazonよりタブレットにダウンロードした。少し捲ったところ、花の写真が多いようで、僕の好みの本である。


IMG_20190214_0001
 綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2019年3月号を、短歌作品中心に読み了える。
 到着は今月16日の記事
「届いた4冊(2)」の、初めにアップした。リンクより、過去号の感想へ遡り得る。

 巻頭作品20首では、佐佐木幸綱(以下、敬称・略)「岡本太郎の絵」に、老い初めた心境を詠むようで、心惹かれた。5首目の下句「時代か嘘か愛か怒りか」は、4句「時代の嘘か」としたかったかと、勝手に思い込む。「愛と怒り」は、若い頃の佐佐木幸綱のテーマだった。河出書房新社「佐佐木幸綱の世界」全16巻より、歌集篇すべてを読んだ頃が懐かしい。

 特集「復刻してほしい歌集歌書」は、マニアックな本ばかりで、復刻されても読みたいものは殆んどない。

 「作品12首」では、栗原寛「わが私小説」の3首目、「過去と過去すれちがはせる申し訳程度の笑みと会釈かはして」が、古い知人との遭遇を描いて、上品である。

 「作品7首」では、稲垣紘一「「後期」保険証」の4首目「七十五歳の朝にまみえてヒリヒリと脱皮不全の身の置き所」に惹かれた。世への欲求が残って、隠居できないのだろう。

 インタビュー・小島なお(聞き手 佐佐木定綱)は、同年齢の若者らしく、僕に不明の点も含めて、若者の歌について深く語り合っている。「基本的歌権」には表現尊重の意味で、賛成である。歌会で指導者が、あまりな評や改作をするのを、長く見て来たから。


背後より全景
 2月17日午後1時半より、鯖江市文化の館・図書館の1室で、福井県詩人懇話会・主催の「第39回会員の詩書を祝う会」が持たれた。僕は妻の車の送り迎えで参加した。
 同・第38回の記事は、昨年9月16日付けでアップした。
 参加者は、写真に入りきらなかった人(正面写真では全員が入っている)、後から参加した人を含め、受付の計算で44名だった。地元・近辺、また遠方よりの参加者を含め、予備の長机・椅子を出すほど、盛会だった。

 K・久璋さんの司会のもと、W・本爾・懇話会代表の開会挨拶があった。
 A・雨子さんの第8詩集「冷麺」について、N・千代子さんがインタビュー。
 T・晃弘さんの詩集「降誕」について、M・幸雄さんがインタビュー。
 阿部倹司遺稿詩集「生と詩のあいだ」について、Y・英一さんとA・莉江子さんが述べた。
 会場からの発言も多く、僕も1点、質問した。
 花束贈呈があり、I・信夫さんの閉会挨拶があった。
 時刻が少し早いながら、4時20分頃に散会した。
 内容については、懇話会会報に載るだろう。
 僕はカメラマン役だったが、先ほど見た所、撮り逃がしはなかったようで、ホッとしている。


「歌壇」11月号
 綜合歌誌「歌壇」2018年11月号を、作品中心に読み了える。
 10月16日の記事
「入手した3冊(3)」で、3番目にアップした。
概要
 2018年11月1日付け・刊。169ページ。800円。
 毎度書く事だが、値上げせずに頑張っている事は尊敬する。1定の読者はおり、自費出版等の収入もあるのだろうけれども。
巻頭20首
 高野公彦(以下、敬称・略)の「海面は銀波」初めで、歩きスマホと幼児虐待を同等視するのは、如何なものか。安倍首相の顔を平手打ちする想像は、僕にはできない。
往復書簡
 宇田喜代子から馬場あき子へ宛てた書簡で、この夏の酷暑、豪雨が、恒常のものではないかとの怖れは、僕も感じた所だ。
ぶつかりインタビュー 第6回
 佐佐木定綱が寺井龍哉にインタビューしている。若者同士の対話となった。狭い範囲での先端的問題についても論じられている。
 「基本的歌権」が論じられている。僕はもっと一般的に、創作された芸術は、表現としてある程度以上の敬意を払われるべきだと、いう事だと思っている。大衆芸術の俳歌であっても。だから、むやみに貶したり、むやみに添削してはならない、と感じる。「基本的人権」と共に「基本的表現権」はある。
引用

 青木陽子の「アルバム」12首より。
痛きまで還らぬ日々を思ふ夜途切れては鳴く一つ蟋蟀
 感慨、述志から景物へ逸れてゆく詠み方は、これまで「なぜ言いきらないのだ」と嫌がってきたが、歳のせいか、好ましく思う歌もあるようになった。




IMG_20180515_0001
 5月16日の記事、「歌誌と歌集を入手」で報せた内、綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)6月号を、作品中心に読み了える。
 リンク記事にも書いた、角川「短歌」の威圧感はない。
概要
 2018年6月1日付け・刊。通刊373号。169ページ。
 特集「生活詠にみる時代」、新シリーズ、特別作品30首、などを組む。
感想
 巻頭の「うたびと4字熟語⑱」からが面白い。栗木京子(以下、敬称・略)は、色紙に「天衣有縫」と書き、「ほころびや裂け目があったり接ぎがあたったりしてもよいのではないか。…」と解説する。ルーズで余裕があって好い。
 「全国大会の思い出 今昔⑥」は、僕の属する「覇王樹」で、「歌壇」に戻って来ていきなりの取り上げは、奇遇だった。
 特集「生活詠にみる時代」は、生きにくい社会を感じて、市民のリアルな感情をみたい、と組まれた(編集後記)。短歌の題材として、親元をはなれた60年代末からしか自分に迫る要素はないけれども、戦後短歌はいつも、時代に抗う心があったようだ。
 「定綱が訊く ぶつかりインタビュー 第1回」は、馬場あき子である。歌壇登場や「かりん」創刊とその後、夫・岩田正を語って、角川「短歌」5月号のインタビューよりリラックスしている。
 特別作品30首は、佐佐木頼綱「陽を受けて透く」である。ご夫婦に初の子供さんが産まれた喜びを詠む。FB上の記事で、写真なども観ているので、親しみを感じる。1首を引く。

・移ろへる一月の陽の輪の中で泣く子を抱いてゐる息をしてゐる
 坂井修一「蘇る短歌 第三回」は、一、二回を知らないのだが、科学者らしく実証的に論理的に短歌を論じている。
 短歌作品は、言葉遣いに新古ありながら、新と真を追求している。




↑このページのトップヘ