風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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インタビュー

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 綜合歌誌「歌壇」2017年11月号を、作品中心に読み了える。
 
この本の到着は、細かい経緯と共に、今月18日の記事にアップした。
特集 旅の途次を詠む
 特集の新しいテーマを見つけたようだ。時事、季節を離れて、新しい歌の読みも出る。
 総論を含む3編の評論、「私の旅の途次の歌」(3首と小文)8名では、バイクでの風まかせの歌から、インドでの旅まで、様々なセットがあり、旅をあまりしない僕を喜ばせる。
 巻頭歌はそれぞれ感慨があるのだけれど、ここでは端折る。
インタビュー 尾崎左永子さんに聞く
 尾崎左永子(以下、敬称・略)に、富田睦子がインタビューする。尾崎左永子は、17年間、歌を止めていたという。僕は意識する事はなかったが、復帰のきっかけに岡井隆と馬場あき子がいたというのは、歌壇らしい。
 放送作家としての活躍、染織の探訪など、興味深いエピソードも語られる。僕は彼女の「栄花物語」だったかの、現代語訳に惹かれた思い出がある。
短歌甲子園レポート

 高校生の短歌甲子園対戦が、啄木の岩手、牧水の宮崎県で、2つ開かれた。対戦も年を重ねて、平静に対するようだ。歌壇の隆盛に繋げてほしい。
引用
 一ノ関忠人の「この十年」12首より、1首を引く。
辛うじて病ひくつろぐ時到るこのよろこびの言ひがたきもの
 写実でもなく、ロマン派でもない。生活の思いである。このような歌が在って良い。




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詩集を祝う会a
 9月16日(第3土曜日)午後1時半~4時半、あおっさビルの1室で、福井県詩人懇話会・主催、中日詩人会・福井詩話会・共催の、「第36回 会員の詩集を祝う会」が持たれた。
 詩の催しとして、7月18日にアップした、「現代詩作家・荒川洋治氏・受賞記念講演」以来である。
 T・篤朗さんの総合司会で、福井県詩人懇話会・代表のW・本爾さんが、先日に福井で100m競走で日本人選手が10秒を切った話題に絡め、詩集発行という目標を達成した思い、見えてくるものを聴きたい、と挨拶した。
 U・千枝美さんが自作詩「北へ」を、A・雨子さんが「空気銃」を、K・久璋さんが「つくもがみ」を朗読した。
 その後、U・千枝美さんの詩集「ひこばえ」をめぐって、作者にK・八重さんがインタビューした。二人は20年来の友人という。K・八重さんの問いに、詩集タイトル、表紙絵に就いて、どのような時に詩が出来るか(Facebookの写真に付けた言葉が元になる、と答えた)、これからはうなずき合える瞬間の生れる詩を書きたい、等と答えた。
 A・雨子さんの詩集「東京ベースボール」をめぐって、作者にS・周一さんがインタビューした。A・雨子さんは、「詩はまとまろうとするので、皆さんのイメージを壊して揺らしたい」「詩集を壊す作品がある」「散文とは全く違うところで詩を書いている」等と述べた。
 K・久璋さんの詩集「鬼神村流伝(きじんそんるでん)」をめぐって、作者にS・公子さん(石川県より駆け付けて下さった)がインタビューした。
 叙情的叙事詩として、叙事詩とは物・事・人・時間をめぐる作品である事。民俗学者として地霊的叙情性である事。S・公子さんより、説明のない叙述が優れている事、今の風土性の中に、時間軸を持ち込む奨め、等が述べられた。
 最近に詩集を発行した三人に、インタビュアーより花束が贈られ、副代表のM・幸雄さんの閉会挨拶で会を締め括った。
 そのあと、全体写真を撮影して、散会した。参加者は、中日詩人会からの詩人、上の写真に入りきらなかった人、遅れて来た人を含めて、26、7人くらいだった。



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 綜合歌誌「歌壇」2017年1月号を、ほぼ読みおえる。
 購入は昨年12月17日の記事にアップした。
 また
同・12月号の感想は、同・12月4日の記事にアップした。
 新春巻頭作品を読んで思うのだが、綜合歌誌の巻頭を飾る歌人は(あるいは歌集を商業出版できる歌人は)、100人に満たないかと思われる。
 数万人と推測される歌詠みのヒエラルキーの、最上部を占める人たちである。このようなピラミッド体制が、いつまでも続くとは思わないが、いかがだろう。
 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。三枝浩樹(以下、文中・敬称略)の7首と短文「空間を聴く」より。
空間(スペース)を聴くべくありて からまつは空よりこぼれこぼれては舞う
 「スペース」の語は、「スペースシャトル」のように宇宙を指し、キーボードの「スペースキー」のように電脳空間と繋がり、心の空間も指すようだ。
 「スペース」は、これからのキーワードとなるだろう。
 高野公彦インタビュー「僕の細道うたの道」(聞き手・栗原京子)が第8回で、いよいよ佳境である。
 穂村弘の講演録「言葉の不思議」では、言葉を「日常の言葉」と「詩の言葉」とはっきり分けるのは、相互接触の場で短歌とソネットを目指している僕には、完全には肯えなかった。


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